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宣言

原文:http://nestormakhno.info/english/progmani2.htm


以下のマフノ叛乱運動の声明は、イタリア人アナキストのウーゴ゠フェデーリが保管していたものであり、アムステルダムのInternationaal Instituut voor Sociale Geschiedenis(国際社会史研究所)の管理下にある。これらの声明をフェデーリがどのように入手したのかは分からない。声明は全てロシア語で書かれている。声明の一つは会計帳簿の紙が使われており、別な声明はキャンディ工場の包装紙が使われている。このことから、これらの声明は異なる状況下で印刷されたと思われる。(英訳はアン゠アレンによる)
http://nestormakhno.info/english/arshinov/appendix.htm


1.マフノ叛乱軍とは誰か、何のために戦っているのか?
 マフノ叛乱軍は農民と労働者である。我々は、ドイツ-マジャール・オーストリア・ヘーチマンのブルジョア権力によるウクライナ支配に対して1918年初頭に反旗を翻した。マフノ叛乱軍は労働者である。我々は、デニキン軍に対して、そしてその起源が何処にあろうともあらゆる弾圧・暴力・欺瞞に対して、闘争の隊旗を掲げた。マフノ叛乱軍はまさに労働者である。我々の労働はブルジョア階級全般に--今は特にソヴィエト゠ブルジョア階級に--支配され、我々の労働によってこの階級は肥太っているのだ。

2.何故、マフノ叛乱軍と自称しているのか?
 なぜなら、第一に、ウクライナの悲惨な反動の日々で、我々は兵士たちの中にいる信頼できる友人で指導者のマフノと出会ったからである。労働者階級へのあらゆる抑圧に抗議する彼の声は、ウクライナ全土に響き渡り、あらゆる抑圧者・略奪者・我々を裏切る政治的ペテン師どもに対する闘争を呼びかけていた。今や彼は一般兵士の中で、我々と共に、全ての抑圧から労働者を解放するという最終目標に向けて断固として行進しているのだ。

3.解放活動の根本は何か?
 君主制・連立・共和主義・社会民主主義ボルシェヴィキ共産党といった様々な政府の転覆である。個々の地域でこうした政府を、権力者とその恣意的法律のない自由で完全に独立した労働者ソヴィエト制度に置き換えねばならない。ソヴィエト制度は、今やソヴィエト権力を自称している社会民主主義ボルシェヴィキ共産党の権力ではなく、非権威主義反国家社会主義の最高形態である。それは、労働者の自由で幸福で独立した社会生活制度の組織で表明される。そこに参加する労働者個々人も社会全体も、連帯・友情・平等の諸原理に従って、自身の幸福と福祉を自力で構築できるだろう。

4.マフノ叛乱はソヴィエト制度をどのように理解しているのか?
 労働者自身が自分たち自身のソヴィエトを自由に選ばねばならない。そしてソヴィエトは労働者自身の意思と願望を実行することになる。つまり、支配するソヴィエトではなく「行政上の」ソヴィエトなのである。
 土地・工場・仕事場・鉱山・鉄道など民衆の財産は労働者階級の人々自身に、そこで働く人々に属さねばならない。つまり、それらは社会化されねばならない。

5.マフノ叛乱の目的を達成するためにどのような方法があるのか?
 どこからもたらされようとも、あらゆる欺瞞・気まぐれ・強制に対して無慈悲な革命を行い、闘争を継続することによってである。死を賭した闘争・言論の自由を求めた闘争・公正な大義を求めた闘争・手に武器を持った闘争によってである。あらゆる支配者を廃絶するしかない。政治的・経済的事柄と同様に国家の事柄に関する欺瞞のあらゆる根幹を破壊するしかないのだ。社会革命を通じて初めて、本物の労農ソヴィエト制度が実現する。「社会主義」に到達できるのだ。

叛乱軍(マフノ叛乱軍)文化教育部門
1920年4月27日

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