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A7ciiでSigama FPのパウダーブルーみたいな写真が撮りたいんじゃ
憧れのSigma FPカラー
Sigma FPのパウダーブルーに心奪われてしまった。あの澄みきった青、晴れあがった空のような色合いに、いつしかTwitterやインスタでSigma FPの写真を見るたびに、ため息が出るようになっていた。
英語圏ではナイコンと呼ばれる発音に憧れてNikonのD700を持って写真の世界に足を踏み入れるも、センセーショナルなSONYのαシリーズが到来してからというものの、ずっとソニーのカメラを使ってきた。α7シリーズの進化とともに歩んできたと言っても過言ではない。だからこそ、レンズ資産も少なくない。簡単にはSigma FPに乗り換えられないのが現状だ。
でも、Sigma FPの写真を見るたびに、「嗚呼、なんて素敵なんだろう」と心の中で呟かずにはいられない。あの筐体で、あの色調を、あの雰囲気を、自分のカメラでも再現したい。そう強く願うようになっていた。
そんな折、4、5年ぶりにカメラの買い替えを決意した。選んだのはA7cii。コンパクトながらも高性能なこのカメラなら、Sigma FPに肉薄する写真が撮れるかもしれない。そう期待を込めて、新たな戦いの火蓋を切ったのだ。
A7ciiでの挑戦
A7ciiで動画を撮るときは、オリジナルLUTを適用することで、自分好みの色調を実現できる。これは撮影がとても楽しくなった。Slog2の薄らとぼけた絵をモニターで眺める時代はもう終わった。自分の感性をよりよく表現できる。
しかし、写真となるとクリエイティブルックしか選択肢がない。正直、物足りなさを感じずにはいられない。でも、だからこそチャレンジする価値があるのかもしれない。
ソニーの人気クリエイティブルックであるELFLをベースに、自分なりの改造を施すことにした。彩度、コントラスト、ハイライト、シャドウ、各種トーンなど、あらゆる設定項目を試行錯誤し、理想の色調を追求していく。
こうして誕生したのが「クリエイティブルックELFL改」。Sigma FPへの憧れから生まれた、私だけの特別な設定だ。「憧れる者への眼差し」ー。そんな思いを込めて、この名前を付けた。(ハ?)
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いざ、撮影(すべてJPEG撮って出し)
いよいよ、ELFL改の真価を試す時が来た。日曜の午後、近所の街に繰り出した。レトロな建物や自然豊かな風景。ここならばお眼鏡にかなう被写体がたくさんあるだろう。ELFL改「憧れる者への眼差し」を駆使して、勝負に出る。Sigma FPのパウダーブルーには及ばずとも、これならきっと理想に近いJPEG撮って出しの写真が出てくるはずだ。そう信じて、シャッターを切った。
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晴れあがった蒼穹とレトロな建物の妙なるコントラスト。パウダーブルー感たっぷりだと自画自賛せずにはいられない。ELFL改の設定が功を奏したようだ。青空の色合いに、思わず見とれてしまう。
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煉瓦の質感の発色の冴えに驚かされた。空の蒼さが映えて、己の腕を誇らしく感じずにはいられない。ディテール感とその色の表現。A7ciiの実力を感じずにはいられない一枚だ。
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エメラルドグリーンと蒼のバランスが絶妙だ。Sigma FPを彷彿とさせる色合いに、思わず微笑んでしまう。撮ってだしでこれたぜ?!撮影直後にモニター眺めながらニヤニヤしてしまう。
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朽ちたアンティーク調の家屋に色褪せた窓枠と、縦列セダンの共鳴。古きと新しき対極にあるものが一枚の写真に収まったとき、不思議な趣を感じずにはいられない。
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トースターの色合いとボケ玉調の光。メタリックな質感と、そこに映り込む景色のコントラストが印象的。日常の何気ない瞬間。
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木目の凹凸感、背景の黒がかった湖面のトーン。シックな仕上がり。
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これは今日イチです。「憧れる者への眼差し」の勝利を確信した瞬間だ。
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湖面に映る空の青。水面が鏡のように空を写し込み、その青さを倍増させている。遠くに見える木々とのコントラストも絶妙だ。そして、右下の氷のかけらの愛嬌よ。
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手すりとゴミ箱のメタリック感、乾いたコンクリートの質感がよくでてくれました。
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古びたトタンの壁と、その前に置かれた車輪。レトロな雰囲気が漂う一枚。この質感と車輪の劣化した感じ。時の流れを感じさせる静謐な情景だ。「憧れる者への眼差し」は、レトロと相性がよいのかもしれない。
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ほらー、このレトロと、シアンと赤色のバランス。絶妙。
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アンティークウェスタンな街並みと薄い青空、これなんだと思う。
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使われなくなった線路の哀愁と、葉が落ちた街路樹が優しい色味で冬らしさを表現。
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切り取られた、その瞬間。
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撮る度にこれだと思えるそんな散歩になった。消えないfpへの憧れがそこにある。
動画でも撮影風景をPOVで紹介
今回の撮影はPOV Photographyで街歩きの様子をYouTube動画でも紹介している。よかったら動画もチェックして、この挑戦に思いを馳せてほしい。
わかっている。どんなに追及を重ねても、Sigma FPのパウダーブルーには及ばない。理想に近づけつづけるしかないのだ。しかし、そこには確かな喜びがある。そんな写真の魅力を、追い続けていきたい。