98日目 投身日記「わからなさの中に」

大きめの嬉しいことがあった時、分かち合いたいな、と顔が浮かぶ人はあちらこちらに。

でも、本当に喜んでもらえるかな?むこうはたまたまそれどころじゃない大変な状況にあって、自慢みたいになってしまって迷惑だったらどうしよう、とすこしもじもじ。

大きめの悲しいことがあった時、また小さくてもじわじわと辛さが積み重なった時、浮かぶ顔はぐっと少ない。

一番近くにいる人が、まだ自分でもわからなかった圧し殺していた悲しさに気づかせてくれる日もある。

離れているからこそ、あまり生々しくならなくて済むかも、と辛さを少し聞いて欲しい人に打ち明ける時も、ためらう。

この人とは、何もなかったように、たのしい話だけしていたいような気もする、と思ったりする。

でも、案外、辛い話を知られてしまった後でも、何も変わらずたのしい話が続いていく関係だったな、と思いがけず、確かめられたりもする。

人との関係は、わからなさの中に身投げすること。

身投げするこわさを知っている人は、勇気を出して身投げしてきてくれた人をばかにしたり、わらったり、そまつにしたりすることはないよなあ、と思う。

いつでも抱きとめられるだけの元気がこちらにあるとも限らないけれど。

それでも受けとる側になった時、わからなさに賭けてその人がはみ出してきてくれた分量のぶんだけ、さらにその人のことがいとしくなる。

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