2023/2/7
今日は(今日というていで)、マセキの事務所ライブ「フライングピンク」だった。13時ころには大久保公園に集合。ネタ合わせ。そこから15:30からフライングピンクジュニア、19:00からフライングピンクジュニア。家に帰ると23時だった。
フライングピンクジュニアというライブは完全にネタのチョイスは自由、アリネタでも新ネタでも良いというものだ。我々としてはなるべく2つのライブとも新ネタをやっている。言うまでもないが、これはなかなか大変だ。
普通に考えてもらえば、不特定多数の人の前で話せるレベルの面白いことが、月に2つある人なんていない。なので、皆さんの好きな、月に5本も10本も新ネタをおろしている人は本当にすごい人だ。皆さんは全力でその人たちを応援してあげてほしい。その隙間時間に我々のことも応援していただけるとたいへんにありがたい限りだ。
でも、我々も頑張る月は頑張っている。新ネタが2本で済めばまだ楽なほうだ。番組のオーディションがある月などでは、2分ネタを3本持ってきてほしいとかがある。アリネタを取っておかないタイプの芸人なので、結局それに合わせてネタを作る。月5本作ることもぜんぜんある。なんだ、すごいじゃないか。
新ネタを作るときのストレスについて、もちろんアイデアを出すことの大変さもあるが、もう一つの大きな要素がある。それは田川くんの機嫌取りだ。
田川くんは天才タイプなので、感覚でダメ出しをくれる。「こうだと思う」をたくさん投げてくるのでそれらを解消する作業がある。これをやったうえでも、出番後に「なんだか気分が乗らなかった」というコメントを貰うことがある。これらを解消するために私は日々戦いをしている。
これは大変だ、基本的に私の周りに褒めてくれる人はいない。褒められずに生きてきた。なんで死んでいないのか私は私が不思議な存在でたまらない。
思えば子供のころから親からも褒められずに育ってきた。そこで耐性が付いたのだろう。なにか思い出そうとすると悪いことばかりが思い出される。
ただ、お笑いを始めてからは好意的なコメントをくれる人がいるので私にはここしかないのだと思っている。東京しかないのだと感じている。
子どものころの嫌いだった人たちは東京にはいない。それがうれしくてたまらない。
よく東京は冷たい人が多いというが、私はそうは思わない。18歳まで広島、そこから沖縄に4.5年住んだ。この二つの場所にしか住んだ経験はないが、よっぽど東京のほうが温かみを感じる。
私が思うに地域によって、人の性格の分布割合に大きな差はないと思う。ただ、東京には人間が尋常じゃない数住んでいる。自分と合わないなという人と距離をとっても次から次へと人がやってくる。いや私が動いているのか。
そこで、自分が居心地の良い人だけで周りが固まっていく。これができるから東京は居心地が良い。
田舎だとどんなに憎い人でも逃れられない。ずっと付き合っていかなければいけない。
上京してからというもの、本当に嫌いな人というのにあったことがない。それはお笑いという特殊な環境のせいもあるだろう。まわりはみんな面白くなりたいと思っている同じ志を持った人で、職業も個人事業主だ。全員が取引先になる可能性があるので迂闊な対応はできない。良いのか悪いのか今の芸人はみんな優しい。先輩だからと酒を強要したり面倒な仕事を振られることもない。
私から見ると仕事の始まりと終わり、休憩の時間が決まっている会社員のほうがよっぽど体育会系のノリだと思う。野球部とやってることは一緒だ、練習中にふざければ体罰がある。会社員も勤務中にふざければ減俸だ。
お笑い芸人は舞台上以外では基本的にめちゃくちゃでもいい。多少犯罪に手を染めていてもバレさえしなければ仕事はある。世間にバレてしまい大変なことになっている人は多いが。。
なんなら舞台上でもめちゃくちゃをしても笑いさえ取ることができれば何をやってもいい。
これは何も芸人に限らない。水曜日のカンパネラが以前のメンバーでブレイクしかかったときに話題になったのは舞台上で鹿を捌くというパフォーマンスだった。音楽ユニットなのに音楽とは全く関係ない鹿を捌くことで存在をアピールしたのだ。これは会社員がやればめちゃくちゃに怒られる。
給与事務で雇われているのに仕事効率化のシステムを作ったらどうなるだろうか。何をやってるんだと怒られるだろう。たとえ、本来業務を終えてからやったとしても手を抜いているんではないかなどの穿った目で見られること必至だ。会社員はその会社の利益を最大にするために集まった大人たちだ。本来はめちゃくちゃやっても会社に利益さえもたらせば何をやってもいいのではないか。お笑い芸人が笑いさえ取ることができれば何をやってもいいのと同じように。
もちろん、私も大人なので会社員がめちゃくちゃなことをやってしまうことの悪影響はわかるつもりだ。その人一人が莫大な利益を生み出せても、そのほかの人の利益を損ね、結果的に会社全体での利益が小さくなってしまっては元も子もない。野球で打率5割ホームラン60本の選手が一人いて、それ以外が皆1割バッターでは勝てない。全員が.280、8本のチームのほうが強い。30先発30勝投手がいても、その投手がブルペンを荒らし、チームメイトに暴言を吐いていればシーズン優勝できない。その点、メジャー挑戦前の田中将大投手のいた楽天が優勝できたのは、田中投手の個人成績もさることながら、チームを鼓舞する役割も果たすことができていた最高の投手だったのだろう。
まったく関係ない話になってしまった。嫌だなと思う人との関係を断ち切っても生活ができてしまう。これが東京の素晴らしいところだ。人が少ない地域にいると、自分を周りに合わせて変化させる必要性は高まり、また人手が足りないので多少難ありの人にも協力してもらわなければいけない。
今日のライブ終わりに、ゴミ捨て場にレディーボーデンが中身が入ったままたくさん捨てられているのを見た。このようなことをする人とはかかわらないぞと思い。このような日記になった。東京にも嫌なやつはいる。
今日面白いと思ったことは「こんなことばっかり書いている私が一番いやなやつ」である。