2024/07/10 「七夕の国」を読んだよ

休みを頂戴している。ゆっくりしているが、何をしようかなと思ってテレビを見ていたらディズニープラスという映像サブスクで「七夕の国」という漫画が実写化されるらしいというのをCMでやっていた。
予告を見るに、けっこう暴力的でホラー的な作品なんだろうなと思った。興味がわかなかった。いってはなんだが、漫画原作を実写映画化すると残念になることが多い。なかでも、グロテスク描写のありそうなホラー作品では「有名な美男美女の俳優を使わないといけない」というどれにでも共通する課題と「有名タレントに過度なゴア表現はできない」という問題が発生し、面白くなくなる。少なくとも日本のホラーもので、むごたらしく殺されるのは名前と顔が売れていない俳優さんばかりになる。いくら映画の中で人がどんどん死んでも、死ぬ人と死なない人が一目でわかり、このメインのイケメンの子は死なないだろうな。死ぬとしても「魂を抜かれた!」とか小さなピストルで胸をぷっと撃ち抜かれて死ぬ程度の表現になる。
応援しているタレントがむごたらしく死んでしまうと、やっぱり見ている人は作品を酷評したくなってしまうからじゃないかなと思う。こういうことがあって、私は邦画のホラーは好きじゃあない。

そんなことを思いながらYoutubeでちょいと動画を漁っていたら、岡田斗司夫氏の動画で「七夕の国はおもしろいよ」という内容で動画を公開していた。岡田氏の論評には賛否があるが、アニメや漫画をとてつもなく愛していることが伝わってくる。愛がある人がおもしろいと評しているのなら、興味を持たざる得ない。動画を見てみる。

岡田氏は動画の中で原作漫画について絶賛していた。「この動画を見ている人はどうせディズニープラスなんか入らないでしょう?」とまさしくなことをおっしゃる。そして「この漫画の物語を今から全部言います」と最初から最後までおおよそ話した。そして最後に「ここまで全部話したけど。漫画を読むと話を聞くよりも面白いから。ぜひ読んでみて。」とのことだった。へえ、そこまで面白いと言われたら読んでみたい。

私が入っているサブスクのU-nextの有料電子書籍に「七夕の国」があったから読んでみた。めちゃくちゃおもしろかった。これはおもしろい。確かに面白い。まだ読んでいない人にはぜひ読んでいただきたい。
全4巻で読みやすいのも良い。あんまり好きな言葉ではないが「伏線回収」というやつがお見事にはまっていく。長期連載作品だと、伏線が多すぎておぼえていないことが多々出てくる。そんなことあったっけという感じだ。いい具合に覚えている範囲で物語が帰結していくから心地が良い。

登場人物たちも割とわかりやすい性格である一方で、こちらに考えさせるような少し影があるというか直接的に感情を言葉にしない感じも見事な描き方だった。漫画で主人公が髪を逆立てて「怒ったぞ~!!!」なんてやるのは子供向け漫画で、怒ったと口に出さなければ怒ったことがわかるまいという、受け手を低レベルに思っていることをあらわす表現である。この「七夕の国」は絵のタッチが写実的でリアル、とは言い難いが、顔の雰囲気から何かを考えている。こう思っているんじゃないかと言うのが感じ取れる。見事なものだ。作者は「寄生獣」の岩明均氏だ。不思議な魅力がある。

へえ、誰かは知らないが岡田斗司夫さんという識者が絶賛し、バカで低能な少額納税者の藤崎くんがそこまで言うなら(貴様は失礼だな)、私はディズニープラスに入っているから、見てみようかなと思う方もいるだろう。それはちょっと待って欲しい。

私はディズニープラスに入っていないから、当然 実写版を見ていない。だから確かなことは言えないが、原作とは大きく変わっている可能性は非常に高い。
岡田氏も動画の中で「これ映像作品にするには、いくつか課題があって、それを乗り超えるには大幅に話が変わるんじゃないか。まあ原作は面白いので読んでください。」と言っていた。
私の言葉なんか信じてもどうしようもないが、岡田氏の言葉を信じて欲しい。少なくとも原作は私も読んで、とても面白かった。まずは原作漫画から読むことがいいだろう。もし、実写版だけ見て、つまんねーぞたこすけと言われても私は何も言えない。
カップヌードルのカレーがうまいと話したのに、どこかのプライベートブランドのカレーラーメンを食べて文句を言われるようなものだ。ファミマにポンタポイントが失効したことでクレームを入れるようなものだ。
まずは漫画からお願いします。

詳しく私の独自の視点で作品の感想をかけたら嬉しいのだが、数千字で足りるようなものではない。正直、そんなに書く時間は今のところは無い。
この日記を読むほどに高度な文明をもった皆様なら、変にここが良いとか言わなくても確実に楽しめると思う。

ということで、お休みをいただいて、なんだか何もしていないことに落ち込んでいたが、漫画を久しぶりに集中して読んで、今後に繋がりそうな気がした。なんだか上質な作品を見たら、自分もこんなのを作れたらなあとやる気になりますね。いいことだ。
私はアウトプットばっかりになってしまっていたのではないかと思った。いろいろ見て、読んで貯蓄もしていこう。

今日面白いと思ったことは「七夕の国はおもしろかった。でもやっぱり実写化はどうなんだろうなあ。」

この日記を書いた後に岡田氏が配信にて「配信されたので見たのですが、ドラマにすると面白くないですね。漫画は面白いです。」と言っていた。そう言われたら見たくなっちゃう。不思議。

こんなつらい人生。ここに空き缶を置いておきます。