2024/10/26 喧嘩部を見に行きました。
寝ていない状態であることを、いわゆる「どや顔」でアピールする様子を描いた作品がネット上で話題となった、漫画家もしくはイラストレーターの方といえば地獄のミサワさんだ。
一時期、ネットを見れば貼り付けられまくっていた。あのブームはなんだったのだろう。
しかし、ブームになったのも分かるほどの秀逸さがあった。あるあるネタのような感じで、生きているとときたま出会う、ドラマチックな発言というか漫画でありそうな発言を言ってしまう人を描く。
漫画の中で漫画のキャラクターが言いそうなことを言うというギャグを成立させるのは、今思えば、高等なテクニックがそこにはあるのだろう。
ということで、今日も一日頑張ってネタを書いていく。
やがて日が沈んで行って、18時になったから家を出発する。今日はパラダイムシフトさんが主催のライブ「喧嘩部」が行われる。ご招待いただいたので、ありがたく見に行こうと思う。ネタ作りで頭がカチカチになったタイミングで、ライブを見れば何か学びが生まれて柔軟になることができるかもしれない。
新木場の駅から離れた倉庫街にあるスタジオと聞いて、これは原付で行くっきゃないと判断した。電車だと乗り換えも何度か発生するうえに、新木場駅からバス、もしくは歩いて30分ということで、トータルで原付の方が早いということになる。
寝不足の状態で運転するのはいささか心配ではあったが、まあいいやということで走っていく。ぶいーんと行けば18:50ころに到着した。計算通りに到着した。
招待ということはつまりチケット代金がいりませんよということになる。ラッキー!無料だぜ!というのはあまりにも粋ではない。何か差し入れをしようということで、セブンイレブンで大量にお茶を買っていった。持って行った袋が破れに破れた。結局、ほぼカバンに生で入れたような状態だ。なんでもうまくいかないなあ。
ということで、いよいよライブが始まった。かなりの緊張感の中、次から次へと漫才師が出て行っては漫才をやる。明らかに全員てんぱっていた。そんな中、やはりM-1 3回戦進出コンビ、らんちゅうさんはアッパレであった。やると決めていた「くだり」と「くだり」の間をトークで埋めるという手法。これがいいんだ。詳しくはラジオで話したので、文字にわざわざするのはなんであるが、漫才協会の若手がよくやる手法が、10分の持ち時間で最初の数分を自由なおしゃべりをしてそこからネタをやるという感じ。
これだとお客様は突然、用意してきたおしゃべりを話し始めたという驚きでうまく笑えない。そういうことか、うまくネタをふりにしておしゃべり、おしゃべりをふりにしてネタということだな。学びが生まれた。
ネタの内容などに触れるのはあれだが、やっぱり変だったのはきんぶらさんだった。この二人は本当に変な人だから面白い。
今回の会場は客席とステージを分けておらず、漫才も立ち位置などはなんとなくで立つことになる。きんぶらさんは最初、お客様に近いところへ立って漫才をやっていた。それが、うまく笑いを頂戴できなかったことで、うしろへじりじりと下がって行っていた。最後にはもう壁ぎりぎりまで下がっていた。だめだこりゃ。
なんやかんやあって、パラダイムシフトさんの順番になる。お二人が喧嘩するのだが、これが本当のケンカっぽかった。
実際に二人ともがお互いに「なんやねん」と思っているところがあり、この喧嘩は演技で行われているものではないのだ。これはいいなあ。漫才をやっていると「体重がのっている」「熱量」というワードを聞くことがある。ようするに、台本の美しさなんかはさておいて、本当にそう思ってそれを言っているのかというのはお客様には伝わるもので、台本が面白くても本気で言っていなければ笑えないよということだ。
その点、喧嘩という非日常的行為を多少の台本はあれ、本気で憎みあっているからこそお客様に伝わっていた。これはお見事としか言いようがない。
「熱量」の意味を体でもって意味が理解できた。素敵なライブだった。
人のライブを見ることも、自分の中に資産として残っていくのだな。日々、忙しくて舞台には出てばかりだ。人の舞台も見ないといけない。
22時過ぎに帰宅して、また眠らずに朝になった。きつい~~~~。
今日面白いと思ったことは「喧嘩をするなら、本気で憎んでいないとな」