2023/6/18 みな、やっとの思いで舞台に上がる

今日は7:30頃に起きた。
うわ、はやい。

早いも何も、本来はここ二週間は一睡もしてはいけなかったのだから、毎日寝ているだけ失敗なのである。何を思い詰めているんだと思われるだろうが、まっとうな売れない芸人は皆、できることならヒ口ポンマシマシ、麻の葉もくもく、キャンドルジュンジュンで行きたいのである。でもこれらをやってしまうと、法律も破るがなんといっても体に悪い。
健康かつ眠らなくて済むものならそれに勝る喜びは無い。

というのもどう計算しても時間が足りないのである。
「僕は漫才師だ」と人前で言うなら、まして才能のない凡夫であるなら最低1日8時間、週40時間は漫才について、ないしは漫才技術・文化の発展につながることをしなければいけないと私は考えている。
考えているだけでぜんぜんできていないとは思っております。

しかし、漫才のことだけ考えてもご飯は食べられない。となればアルバイトをやるわけである。現在の東京の最低時給は1072円である。この金額とはつまり、最低でも時給1072円をもらわなければ健康で文化的な最低限度の生活ができないと言い換えることができるだろう。
月収で言えば1072×8×5×4(最賃×8時間×一週間×4週)で171,520円はいるだろうということだ。

そんな額稼げているわけがない。最低賃金を少し上回る金額をもらっているが、週40時間も働けていない。

売れていない若手が、漫才師であると名乗ったうえで、健康で文化的な最低限度の生活をするにはもうこれは眠ることは許されない。
ヒ口ポンマシマシ、口キソニンジャラジャラでお願いします。我々は憲法で保障された生活を自ら捨てて漫才をやっています。

ちなみに、ここまでのカタカナのロは口(クチ)に変えている。こんな軽口を、変な薬の情報を求めている人の検索にひっかかってもことであるからだ。小心者だなあ。
私がお笑いを始めた理由の一つにふかわりょうさんが居て、ふかわさんの大ブレイクしたネタは小心者克服講座である。
まだ憧れているだけで私は克服できていない。

眠ることについてだけで話が長くなった。今日は11:30から漫才大行進の袖当番がある。出番は15時だ。
まだ今日のネタができていなかったのでこれを急いで作る。そして日記もまだ書けていなかったのでこれもやらなければいけない。

ひとまず10時くらいまではネタを書いた。もう少し書かなければいけないので続きは東洋館で書くことにした。11時に東洋館についた。

東洋館には東京二(あずま きょうじ)師匠がすでにいらしていた。
せっかくの機会なので言わせていただくが、東京二という字は非常に変換しづらい。いまやネットで検索しやすい、見つけやすいというのもお笑い芸人には必要な要素であると言われている。東京二と変換しようとすると「とうきょうに」で変換して「に」を英数字、ローマ数字、漢数字のなかから漢数字の「二」を選ぶというかなり難解な行程を経なければいけない。若者がタイムパフォーマンスがどうだとうるさい現代ではなかなかタイパが悪いのである。
芸人さんの中ではすでに世の中にある言葉をコンビ名にして、俺たちが売れていくことでこの言葉のイメージを俺たちにしていこうぜなんていう気概のある人もいるだろう。
それもいいと思う。しかし、東京二は難しい。敵が東京なのである。東京はおそらく最低でもあと百年は日本の首都であり続けると思う。

もし、渋谷の巨大街頭ビジョンに京二師匠の写真がでかでかと映し出され、その顔の横に「東京二」と書かれていてもまさか、この方の名前が「東京二」とは思うまい。
多くの若者たちは、「あ、革命の時が来たかな?これから東京を一度解体して、シン・東京、第二の東京、東京二を作る。その東京二の王を決めるデスゲームがいまから始まるのかな?あの老人はゲームマスターかな?」と思ってしまうことだろう。
この例えは捻りすぎて伝わらないな。

せめて東 京二 と言うように姓名で半角スペースを入れていただきたいものだ。

そのようなことは置いておいて、京二師匠がいらしていた。今日はネタと日記を書くために早く来たので、京二師匠と話す時間に余裕がある(?)。そのため、たくさんお話した。
こういっては何だが、京二師匠はなかなかやっかいな方として皆に認知されている。そのため京二師匠の話をちゃんと聞いたことがある人は少ないと思われる。
私は今日は思い切って、ちゃんと話を聞いてみた。京二師匠なりの考えや今の生活などなどの話を聞いた。ぜひ皆さんもゆっくり聞いてみてほしい。
やはり長く生きている方にはそれなりの人生論があるものである。そして、性行為の話はまだお好きなようだった。

今日のお手伝いはさわやか(新入会だがお年を召したコンビ)のお二人である。

今、今日と変換しようとすると「京二」と何度も変換したせいで「京」が何度も変換に出てきた。これは腹立つな~。

私はまだ、さわやかさんのスタンスを見極めあぐねている。というのも芸歴の長さが尋常ではなく、つまりは大先輩であることから私は敬って接している。しかし、さわやかさんはとにかく平身低頭な方でお手伝いでちょっと気になるところを、僭越ながら指摘させていただくと「ああ~すみません。そうですね。勉強になります。ありがとうございます。私は芸も無いのにミスばかりで申し訳ないです。」と勝手に穴を掘って自己埋葬してしまうのだ。
これは難しい。先輩を傷つけてしまうことはお笑い界ではなかなかのご法度である。となるとなかなか指摘しづらさも発生する。

つまりは思い切って、先輩は先輩らしく京二師匠のように、思いっきり偉そうにしてもらう(実際に偉い方である)のも若手からすれば楽なのかもしれない。

本日、さわやかさんは10分のお出番のところを6~7分程度で降りてきてしまった。北村さん(ボケ)が「なんだか短くなっちゃった。なんでだろう。」と言っていた。めちゃくちゃ面白かった。そんなことあるんだ。
お二人が袖に戻ってくると、階段から京二師匠が降りてきた。「君たちの漫才には言うことがたくさんある。ちょっときなさい。」と楽屋に連れていかれた。
これはやはり時間のことで怒られたんだろうなと想像する。若手のお笑いライブよりも、ここ浅草は時間を守るということがかなり重視される場所だからだ。
さわやかさんが戻ってきたので何を怒られたのか聞いた。
「今の立ち位置じゃ、マイクに声がのらないよって言われました。」
そこじゃねえだろ。
私は「たくさん言うことがあるって言ってましたから、時間についてもやっぱり怒られました?」と確認した。「いえ。マイクの話だけでした。」
そんなわけあるか!
これらのツッコミはもちろん京二師匠に対してのツッコミである。不思議な人であるとあらためて思った。


あ、思ったより日記が長くなってしまった。そろそろまいていきたい。
長すぎる。


私はなんとか当番をやりながら、漫才を書きながら、日記を書きながらなんとかなった。
今日はお客様に、小学生くらいのお子さんが団体でお越しだった。やはり子供は大人が思う以上に賢い。侮ってはいけない。

私が思うに、漫談で笑いをとるには頭がよくなければいけないが、漫談で笑うにもなかなかの頭脳がいる。というのも、漫談は基本はツッコミが存在しない芸であるから、「ここがおかしいんですよ」と明示されないのである。
私がこの日記でもときたまやるように、「○○なことがありましてね~。なんでだよ!」という喋り方で笑いを取る方法もある。しかし、こういうタイプの漫談は漫才協会内ではあまり見ない。
となれば、喋り手はツッコミなしで笑いどころを伝えなければいけず、受け手も受容して笑わなければいけない。

本日お越しの小学生の方はしっかり漫談でも笑っていた。とても賢い。大人でも、わかんねえ、つたわんねえ、とすぐに吐き捨てる人がいるのにこれはすごいことだ。

子どもの頃にもどろうよ。そもそもを考えれば、おじさんが人前でふざけている時点で面白いですからね。

当番をやりながら良きところで30分ほど抜けてポッドキャストを録音した。今回はミーナの喜助のおじき(優勝者なので敬う)にご登場いただいた。
面白い回になったと思う。

喜助のおじきはやはり、優勝するだけあってアンテナを張っている。いろいろな芸を見て肥やしにしている。その高尚な話を踏まえて私がポコチンの話をしてみたり、田川くんが微妙なことを言ったりと、なんだか言葉の百鬼夜行と例えられるような回になったと思う。
水曜日配信予定です。

なんだかんだで当番を終えて、帰宅してからカレーを作った。
かなりシンプルかつ辛い美味い。ちょうどいいカレーができたと思う。

今日面白いと思ったことは「東京二師匠ムーブメントはすぐそこまで来ている。」

~告知~

毎度おさわがせします(エッチなドラマのことじゃないよ)。
来る6/20(火)、この日記をアップした当日に読んでいる方には明日ですね。


こちらです。こちら、新ネタ二本発表ライブです。
まだ全然書けていないのでこれからまた眠らずに頑張ります。

このライブ、新ネタ二本ライブということでネタを作る人がしんどいライブであります。

にもかかわらず、ネタを書いていない漫才56号の堀江さんがノリノリでやっているのが何かおかしい気がして気になっています☺
宮崎さんはバイトをしまくっていておかしいです。だんだん目が死んでいってます。

ネタを書かずに、当日の夕方に起きて会場に来るだけでいい田川くんが私よりもしんどそうにして、私より遅く会場に来るのも訳が分かりません。

とんとん拍子のハッピー鈴木さんは写真と現在が乖離しすぎています。
渡辺結婚式さんは、とつぜんブチぎれる癖があるらしいので気を付けたほうが良いです。

はやぶさ丸の大竹頂上決戦くんは大竹尿管結石くんと呼ぶと怒ります。
笠生くんは地方に遠征して性行為をするやばい奴です。

ミーナのお二人は漫才新人大賞をとられた立派な方です。なにも言えないです。

なにより私は毎日数千字の日記を書いて、精神に異常があるとしか思えない人間です。

やばい奴らばかりなので、ぜひお越しになって笑ってやってください。

こんなつらい人生。ここに空き缶を置いておきます。