見出し画像

勉強部屋は

ある試験前日、勉強をするために、部屋を借りた。どんな部屋かというと‥なんと動く部屋です。
椅子に張り付いて、時折、窓の外の変わっていく景色で気分転換。
次の駅までに、この問題を解いてしまおう!とか‥。そうです。一日周遊きっぷで列車の椅子を活用させていただきました。
 札幌から岩見沢まで模擬試験を解いて、乗り換えた滝川まででもうひとつの模擬試験に挑む。集中力が途切れた頃に到着。駅から街を散策して朝食のパンを購入。何年か前に仕事で来たことのあるので少し懐かしい。駅の待合室には学生たちが大勢いる。土曜日なので部活動か補習というところだろうか。もちろん旅行者もいる。関西弁が目立つおばさんもいる。乗り換え列車が到着するまでの小一時間、理論家などの名前を確認する。飽きると法令関係をちょこっと見たり、○✕問題を解いたりする。一両編成の列車が到着したので乗り込む。いろんな人達が乗り合わせる。私はよそ者であり、旅人ではなく受験勉強をしている。幸いなことに立っている人はいない。やがて…富良野に到着する。途中で乗ってきた女子高生が「すごい!どれだけ長いの!」と興奮して声を上げている。富良野駅には五両編成のフラノエクスプレスが停車していた。「あんなに長くて…誰が乗るの!」と話している。いつか君が修学旅行に行って新幹線の16両編成を見てどんな感想を漏らすのか知りたい。そんな事を思って富良野の街を散策する。お昼ごはんは何にしようかと迷っていると雨が振り始めた。パンを買って待合室へ…でも、座るところがない。大都市富良野に似合わない待合室の狭さ。そこで跨線橋へ避難。そこでまた模擬問題を2回分こなす。やがて美瑛に行く列車に乗り込み、そこでは論述問題対策をする。美瑛の手前で降りて、また富良野行きに乗って…富良野駅で基礎用語を覚えてから東鹿越へ。雨足が強くなるが、鉄ちゃんだらけの満員電車はとても美しい景色の中を走る。こんな素晴らしい景色を見ないで勉強するやつはいない。金山湖を眺めてから東鹿越駅で折り返す。立っている人はずーっとカメラを抱えて車窓を撮している。遠慮なくパソコンを開いて勉強を続ける。ここまでで模擬問題を5回分、繰り返しながら解いている。そして富良野駅から滝川、そして札幌へ。休憩時間も多かったけれど多分、10時間くらいは勉強をし続けていた。
 勉強するにはもってこいでした。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?