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iZotope Ozone 8 Elementsを使ってみた

iZotope Ozone 8 Elementsとは?

iZotope Ozone 8 Elementsは、マスタリング用のVSTプラグインです。Master Assistantという自動マスタリング機能がついていることが特徴です。

EQ

EQはAnalogとDigitalがあります。VST Plugin Analyzerで歪みを計測した結果、どちらも線形フィルタのようです。位相を計測した結果、Analogはリニアフェーズではなく(周波数によって遅延量が異なる)、Digitalはリニアフェーズ(全ての周波数が均一に遅延する)です。

VST Plugin Analyzer

EQ歪み計測結果

EQ位相計測結果 (Analog)

EQ位相計測結果(Digital)

Stereo Imager

Stereo Imagerは以下の計算式の線形フィルタです。X_outが出力、X_inが入力、X_delayがX_inをStereoizeの設定値だけ遅延させたもの。Stereoizeがオフの場合はX_delay = 0。マニュアルに記載されている通り、M_out = M_inなのでMono compatibleです。

計算式 (MS)

M_out = M_in

S_out = (1 + (Width / 100)) * S_in + max(0, Width / 100) * M_delay

Maximizer

パラメータが多すぎて分かりませんでした。マニュアルを参考にするのが良いと思います。

Master Assistant

Master Assistant機能で、EQとMaximizerの設定が自動調整されます。調整に必要な時間は、10秒くらいです。Streamingだと、Ceilingが-1.0dBに設定されます。CDだと、Ceilingが-0.3dBに設定されます。設定で、Loudness targetを指定可能です。デフォルトで-14.0LUFSに設定されています。

遅延

エフェクトのオンオフに関わらず遅延します。各トラックに使う場合には、Delay Compensationが必須です。

マスタリングテスト音源

小さめのラウドネスでマスタリング

Ozone (-10LUFS目標、Streaming)

大きめのラウドネスでマスタリング

Ozone (-5.0LUFS目標、CD Intensity High)

さいごに

Ozone8 ElementsのMaster Assistantは、自動マスタリングを使いたい人の中で、短いサイクルで試行錯誤をしたい人や、どんな処理がされているかを把握したい人に向いていると思います。

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