音圧爆上げくんに「リミッター誤差」を追加しました
概要
音圧爆上げくんでマスタリングすると、音が歪むという声をいただいています。二つの解決策を打ちました。「リミッター誤差」指標で歪み度合いで見れるようになり、リミッターが従来より歪みづらくなりました。
解決策1 リミッター誤差指標の導入
リミッターによる音源の歪み度合いを表す指標「リミッター誤差」を追加しました。
原理
リミッター誤差は、元の音源とリミッターをかけたあとの音源の距離を表します。距離は音響心理学に基づいて設計されており、人間にとってどのくらい違って聴こえるかを表します。単位はdBです。1dBであれば、元の音源とリミッターをかけたあとの音源は、平均的に1dB程度音量が違うということです。人は1dB以下の音量差を聞き分けられないと言われています。なので、1dB以下であれば、劣化(歪み、周波数特性の変化、ダイナミクスの変化)はないとみなして良いと思います。
使い方
1. マスタリングする
2. リミッター誤差を見る。1dB以下なら問題ないので終了
3. 1dB以上なら目標音圧を少し下げて1に戻る。
解決策2 リミッターの性能調整
計算速度を少し犠牲にする代わりに、リミッターの性能を改善し、歪みづらくしました。
従来歪みが報告されていた「低音を保存するモード」でも歪みづらくなったと思いますが、もし歪んでいたら教えていただけると助かります。
コンセプト
自動マスタリングサービスの価値は、時間短縮です。
一つ目のポイントは、なんでも無難に仕上がることです。無難に仕上がらないと、調整のたびに結果をチェックする必要があるので、時間短縮になりません。
二つ目のポイントは、品質を自動でチェックできることです。
プログラミングで自動テストという概念があります。プログラムのいろいろな機能を自動でテストして、機能が壊れていたら検知できる仕組みです。プログラムの一箇所を変更するとその影響はいろいろなところに及びます。機能が増えてくると、プログラムを少し変更するたびに、毎回全ての機能をテストしないといけないので、コストが増えます。コストを削減するために、自動テストを使います。
音楽でも自動テストがあったら便利だなと思います。ラウドネスOK、プロっぽさOK、歪みOK。じゃあリリースするか。みたいな。
メロディーの覚えやすさ、ノリ、新規性、コードの違和感など、より音楽的な指標も、近い将来計測できるようになると思います。
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