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スティーブン・セガールと同じ匂いがする『戦狼 ウルフ・オブ・ウォー』

2018年 中国制作
監督:ウー・ジン
出演:ウー・ジン/フランク・グリロ/セリーナ・ジェイド/ウー・ガン

監督/主演ウー・ジンのワンマン無双アクション大作

格闘戦、ガンアクション、カーチェイス、全部ありの王道アクション映画。

全然知らなかったが本国では2017年興行収入一位!観客動員数1.6億人!興行収入1000億円の大ヒット作…であるらしい。へー知らなかったー全然知らなかったー

そもそも制作に連ねてるスタッフが豪華すぎる。
監修に『アベンジャーシリーズ』を手掛けたルッソ兄弟
アクション監督は『タイラー・レイク/命の奪還』で監督デビューしたサム・ハーグレイブ
音楽は『グレイテストショーマン』にも参加したジョセフ・トラパニーズ
その他ハリウッドで活躍する数々のスタッフ。

ここまでの人材を投入すればそりゃハリウッド並のアクション大作ができると思うでしょ。これがなんということでしょう。蓋を開けるといたって凡庸なアクション作品。
なにより中国マンセーが過ぎる。

監督/脚本/主演のウー・ジンが御国のヒーローとしてバッタバッタと悪人を倒す。100%無敵超人!を演出するもんだから仕方ない。

このスタンス。セガール兄貴を同じ匂いがするぜ。

主人公は中国最強の特殊部隊『戦狼』の隊員であるレイ・フェン。恋人を失ったショックで軍を去り、今はアフリカでフリーのボディガードをするその日暮らし。
そこで軍事会社が画策したクーデターが勃発。
唯一の脱出方法は中国海軍が停泊する軍港へ向かうこと。
レイ・フェンは取り残された中国人と現地民を守るため、地獄とかした街へ向かうのであった。

という中国版ランボーなあらすじ。
物語のシークエンスがしっかり別れているうえ、全てにおいてレイ・フェンが「俺にまかせろ!」スタンスなのでゲーム実況を見てるようなわっかりやすい流れである。

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俺のカラダを見ろ!といわんばかりのナルシズム全開カット。
監督が主演を務める作品でこんなカットがでてきたら、だいたいきな臭い。

ミッション1:海賊を撃退せよ

レイ・フェンの非凡な才能を印象づける初戦。
ソマリア的海賊を海中に引きずり込み、ロープ1本で全員捕縛。
彼にとって素人の海賊など朝飯前である。
疑似ワンカットの流れるようなアクションはワクワクさせる。

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ミッション2:内戦が勃発した街から脱出せよ

いわゆる武器なしの脱出ステージ。とはいえレイ・フェンにとって反乱軍のモブ兵なんて楽勝クリア。
いきなり反乱軍の大部隊が街のど真ん中まで侵攻できてる不思議はまあ置いといて。

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ミッション3:博士を救出せよ

中国軍の依頼で町外れにある病院で不治のウイルス研究をしている博士を救出する任務を請け負うレイ・フェン。
このへんからモブの反乱軍に変わって欧米の傭兵団が介入してくる。一般兵と違う異様なキャラ立ちがこの後のアクションを期待させるよね。

すでに傭兵団に占拠されている病院にRV車で特攻するレイ・フェン。
彼は潜入などしない。いつでも正面突破。
だが博士は、あっさり殺されていた。任務失敗w

しかたなく博士の娘という黒人少女と女性医師と共に脱出する。
そのため残りの医者や患者は傭兵団に皆殺し。
中国映画あるあるだが、モブはよく虐殺されます。

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ミッション4:取り残された民間人を救出しに工場へ

博士の娘を救出したその足で、息子同然に付き合っている黒人少年の頼みであった母親が務める工場へ向かうレイ・フェン。
そこは中国資本の工場でまだ多くの従業員が取り残されていた。
現場を仕切る中国人責任者たちとの邂逅。
話し合いの末、すべての従業員を軍港へと連れて行くことを決める。

工場には現地研修を命じられた工場経営者の御曹司イーファンもいた。持っている装備は最新型だがすべてエアガンである。中二爆発。

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ミッション5:傭兵団を撃退せよ

その夜、追ってきた傭兵団に襲撃される。
ほぼ警備がザルでやすやすと侵入してくる傭兵団。
というより脱出のめどがついてどんちゃん騒ぎしている従業員たちのお気楽さよ。

あっという間に阿鼻叫喚の地獄絵図。

傭兵団は武装ドローンまで使い出す最新装備。にもかかわらずレイ・フェンの活躍で先制攻撃の有利さをまったく活かせない傭兵団。まさに泥仕合。

このとき登場する黒人傭兵の名前がゴキブリっていうんだけど色々大丈夫?

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ミッション6:工場を死守せよ

一時は撃退できた傭兵団だが、翌朝反乱軍を掌握し、大部隊として戻ってきた。機甲師団を添えて。

凄まじい数の敵との大激戦。クライマックスらしくレイ・フェン無双しまくり。
そしてモブ従業員殺されまくり。

さらに傭兵団のボス(ビックダディw)が恋人を殺した仇とわかったレイ・フェン。怒涛の勢いで追い詰める。
お家芸ワイヤーアクションありきの肉弾戦もたっぷり。
善戦していた三人であるが徐々に追い詰められ窮地に陥る。そこに義憤に駆られた中国海軍から艦砲射撃の援護が!(国際法違反)

形勢逆転したレイ・フェンたちは完全勝利を収めるのである。
自国民のためなら国際法なんかクソ喰らえ。戦争も辞さない気構えで挑んでおります中国軍。

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最終ミッション:軍港へ向かえ

トラックに生き残った従業員を乗せて軍港へ向かうも目の前で政府軍と反乱軍の戦闘が展開されている。このまま進むと戦闘に巻き込まれてしまう。

そこでレイ・フェン中国国旗を携えて通過するという国際法を盾にした方法を使う。さきほど艦砲射撃で軍を全滅させた後にだ。

すると双方戦闘を停止する。めちゃくちゃ中国に気を使うアフリカ人。

そして無事に軍港にたどり着くのであった。終劇。

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これだけの大作なのに見終わった後、凡作だなという印象が拭えないのは、ピンチに陥ったとき武力でねじ伏せる的な展開が多いからかな。やっぱり中国怒らせると怖い的な。

中国がんばった。中国すごい。のメッセージが溢れてるから興ざめしちゃうのは否めない。
ただ日本が制作しても同じことしそうだけど\(^o^)/


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