ネコ好き発狂のご当地映画『ねことじいちゃん』
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
2019年 日本制作
監督:岩合光昭
出演:立川志の輔/柴咲コウ/柄本佑/銀粉蝶/小林薫
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ネコ好きを狙い撃ちしたディープコアな作品
原作はイラストレーターねこまきのコミックエッセイ。監督は動物写真家、岩合光昭。
ということから想像できる猫を愛でる者たちによる猫を愛でる者に贈るネコ映画。
小学生のとき、姉に連れられ西村知美主演『ドン松五郎の生活』というイヌ主演の作品を映画館で鑑賞したことがあるが「これを大画面でみる意味は?」と子供心に思ったことがある。
それと同じ匂いがする作品。
映画界に定期的にある動物系癒やし映画である。
いつも思うがこの手の作品は映画よりもドラマ向けのように思うのだが。
立川志の輔師匠ファンなのです
というよりなぜこの作品を観ようと思ったかというと立川志の輔師匠が映画初主演だからですよ。
志の輔師匠は鬼才立川談志が立ち上げた落語立川流一門の落語家。
ボクの一番好きな落語家さんで日本一寄席のチケットが取れないことでも有名な噺家さんである。
古典から創作まで自在に操り、はじめて落語で爆笑させてもらったことで一気にファンになったわけ。
そんな師匠の初主演作品っていうだから、そりゃ観るよ。
観た感想?普通だよ。普通。
まあ普通のおじいちゃん演じてるわけだから普通だよね。噺するわけじゃなし。
元々役者もやってらしたので離島で妻に先立たれ、少々寂しいながらも愛猫とともに穏やかに暮らす老人を自然に演じておられる。
猫島×お一人様×料理、そして豪華な配役
舞台は放し飼いの猫が大量に生息する猫島。
さすが猫に関してはこだわりのある監督。スロー描写や愛くるしさを全面に押し出したサービスカットで推してくるがいかんせん猫だけでは場がもたない。いろいろ補強もある。
地域は高齢化が進んでいるようだがちゃんと学校はあるし、ある程度の子供もいる。住民の集まりやイベントもある。なかなか理想的なバランスの島。
自然豊かでご飯も美味しそう。
Dr.コトー診療所のような若い医者(榎本佑)やわざわざ島にカフェを開きにきた女主人(柴咲コウ)、気のおけない漁師の友人(小林薫)、離れて暮らしているが心配してくれる息子(山中崇)と魅力的な住人たち。
そして、亡くなった妻(田中裕子)が残したレシピノート。
ああ、なるほど。これは人生後半戦となったお一人様へ向けた逃避と癒やしの作品なのか。
猫に癒され、美味しいごはんを作り、静かな時間を過ごす。
ただそれだけの時間が必要な時期がひとにはある。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?