交換日記⑯ 笹渕⇒おざわ インタビュー
笹渕です。
さて、交換日記もいよいよ4周目に突入しました。というわけでこれまでの内容を振り返ってみます。
1周目:自己紹介
2周目:今回公演に関わる作品の紹介・感想
3周目:設定したテーマをもとにみんなで話してその内容をまとめる
こんな感じでやってきました。なにについて書くのか統一してはいますが、とはいっても、書く人によって論文みたいになったりおもしろブログみたいになったりさまざまです。
そして、4周目は一対一のインタビューをもとにnoteを書くことになりました。
【ルール】
・書く人が聞き手、書く人の一つ前の順番の人が話し手(今回は聞き手:笹渕、話し手:小澤)
・あらかじめバケツメンバーから募った本公演『5Gにのらない』に関連するような(あんまりしないような…)質問に話し手が答えていく。
・聞き手はさらに気になったことなど追加で質問したりする。そのインタビュー内容をnoteにまとめる。
というわけで、3周目では分かりきらなかったメンバーごとの考えや3周目で話せなかったテーマについてもっとじっと見つめてみたり横目に見たりしてみよう!毎回ですが先駆者が私なのでどうなるんだろうという戸惑いもありつつ、おざれ(小澤のあだ名)とのインタビューをzoomで行ってみました。最初なので集まった質問(計17問)全部に答えてもらいました。
質問①死んだら私たちはどうなると思う?生まれ変わったりするのか、死んだらおしまいなのか、天国へ行くのか等
小澤「いやあ、急に概念から始まる…」
笹渕「(この質問は笹渕が考えたものなので)ここらへんは私が聞きたいって思ってたことなんだけど、前こういう話になった時に『輪廻をする・生まれ変わる』みたいな発想をもっている人と、死んだら自分はもうそこで終わりっていう人と分れたので、おざれはどっちで考えてるのかな?」
小澤「うーん、私は終わり派だけど、願望としてはなんか思念がこのへんにのこっててほしい(笑)」
といって身の回りで両手をうごうごさせるおざれ。どういうこと?
小澤「普通に死んだらおしまいっていうのは思ってるけど、なんとなく空想として…オタク壁になりたいとかいう概念あるじゃん?」
笹渕「あるねえ」
小澤「ああいう感じになりたいなって思う、死んだら」
どうやらおざれは「現世をモニターする存在」になりたいようです。妄想として、現世には干渉しない上位存在の一部に組み込まれたい。
笹渕「へえ…なくなりはしないほうがいいんだ」
小澤「まあね、なくなっちゃったらそれはそれでいいんだろうけどねもう、そもそもなくなったっていう自意識はないわけだから」
笹渕「見守り続けたいんだ」
小澤「そうだね…できたらね」
笹渕「それは知ってる人を見守り続けたいのか、世界…この人類の行末を見届けたい…!ってことなのか」
小澤「両方あるかな?より興味深いのは知ってる人だけど、全体がみれたらそれはまた別で面白いんじゃない」
笹渕「途方もないけどね…なんか『火の鳥』みたいな感じになってくるな(笑)」
小澤「そこにいる神様もそんなかんじだからさ」
※そこにいる神様とは『魔法少女まどかマギカ』の主人公まどかのこと。おざれの部屋の壁に貼ってあるポスターを指しての発言。いろいろ書くと重大なネタバレになってしまうので控えるが、おざれはまどマギが大好きなのだ。
笹渕「じゃあそんな感じで次に行きますか(笑)」
小澤「(笑)」
笹渕「こういう感じで進んでいこうかナ…」
小澤「よしよし」
質問②永遠に死ねなくなったらどうするか?
小澤「どうしようもねえな…感想としては『イヤだ…』だと思うけど」
笹渕「でもさ、今の永遠に見守るやつって死ねないのとは何が違うの?」
小澤「それは現世の人と関わるか関わらないかだよ」
笹渕「あー関わらないんだったらずっと居続けてもいいってことなの?」
小澤「なんか自分の存在、自分ですっていう個体がずっと居続けるのはちょっとめんどくさい、つらい、たえきれなさそうだけど、ただその辺に漂う空気として居続けるのは自分っていうものが周りから意識されるわけでもないし気楽だからいいって思う」
笹渕「なるほどな~」
小澤「死ねなくなったらどうしようね、嫌だよね~ずっと働くの?」
笹渕「それは嫌だわ」
働かなくていい状況になれたとしても生きていくにはお金がかかるし、友人や家族がどんどん先に死んでいってしまうという永遠の命の一番しんどいポイントもあるね、という話に。かといって全員永遠に死ななかったらそれはそれでゴールが見えないなか走りつづけるようなもので、何をして生きていけばいいのか…。
小澤「でも永遠に死なないんだったらめちゃくちゃ不健康に生活してみたいわ」
笹渕「あー逆に」
小澤「バカみたいに食って、バカみたいなジャンクフードとうまいもん食ったりとか…危険なことをしても別に死なないわけじゃん?死ぬリスクを負いそうなことをいろいろやってみるのはおもしろいかもね」
笹渕「痛いとか苦しいとかはあるかもしれないけどね」
小澤「『死ぬかと思った~!』って毎回死なないわけだから」
笹渕「4コマでありそう」
小澤「4コマ目が絶対『死ぬかと思った~!』のやつ(笑)」
結局嫌だけど、「どうする?」って言われたら4コマ漫画のマインドで生きていきましょうという結論になりました。
質問③子供は欲しいと思うか?自分で産みたい?養子をとりたい?
笹渕「急にセンシティブ質問」
小澤「欲しいか欲しくないか…自分では産みたくないかも。養子はとってもいいけどどうかなって感じかな。両方の理由として、(子どもを産むとしたら)産まれてくる子供に『産んでもいいですか?』っていえるわけもなく勝手に生むわけじゃんこっちが。こっちの意志で産んだ子供を『よい人生であったなあ』と思わせられる自信がないので、新たに命を授けたいと思えないのが現状かな。養子に関してはすでに生まれている人間なわけだから、その子の現状よりその子をその子的に『いい生活になったなあ』と感じさせられるような環境が整得られれば面倒見るかもしれない」
笹渕「ふーん…めっちゃ子供のことを考えた結果の答えなんだね」
小澤「そうだねえ、子ども自体は好きだから関わりを持つのはどんとこいなんだけど」
笹渕「優しいですねえ」
小澤「バファリン目指してるんで」
バファリン目指してるだけあるな~
じゃあ生まれる子供にとって「良い人生であったなあ」と思わせられるような基盤ってなんだろう?結婚して家庭を持つということ?
おざれ曰く、まずは金銭的な基盤が第一にあるとのこと。衣食住を十分に与えられ、習い事などやりたいことができる環境が整っていること。そしてその過程に良好な人間関係があること。たとえば(子供を養う立場にある人が)パートナーと暮らしていた時に、その二人が仲悪かったりすると、その子供は居心地が悪い中で十何年か生活しなきゃいけなくなる。家庭環境として、人間関係や金銭的な基盤やそのたもろもろの環境が整っている状態だったら子供を迎えられるけどね…。要約するとこういうことらしい。
この状態にもっていくのはメッチャ大変だし、多くの人々はそこまで考えているのかな?と思ってしまいます。
質問④「水槽の脳」仮説についてどう思うか?
「水槽の脳」というのは有名な思考実験で、「私たちはもしかしたら水槽に浮かんだ脳みそで、あらゆる感覚や体験はつながれたコンピューターからの信号により見させられている夢なのではないか?」というやつです。1982年にヒラリー・パトナムさんによって定式化されたらしいです。
小澤「ま…確かにな、という(笑)」
笹渕「(笑)」
小澤「水槽の中に脳みそ入れて管理されてるとしたら、それを管理してる人はいるわけよね。なんか…観察されてたらちょっとハズいよね」
笹渕「確かにそれはめっちゃやだ(笑)」
小澤「感じてるだけならいいんよ、自分なりに生活してるって気持ちがあるから。けどなんか寝る前にアホみたいなサイト見てふーんとかやってるのをさ、『こんな気持ちなんだ~』みたいなさレポートにまとめられたら超ハズイよね」
笹渕「それはまた別のお話だわそうなってきちゃうと(笑)『水槽の脳』で言いたいことはそこの恥ずかしさではない」
小澤「飛躍しすぎてしまった(笑)」
ちなみにおざれは自分が仮に「水槽の脳」だったとしても、思ったように行動できるならそれでよいそうです。
小澤「(脳につながってる)電極で指示されてそれの通りに動いてるとかだったらちょっとやだけど、たとえば今手元にみかんあるんだけど、みかんにぎりたいとかさ、こういうのを自由にできる状態だったら別に水槽の中でもいいわ」
笹渕「急にみかんにぎる…」
質問⑤「テセウスの船」についてどう思うか?
「テセウスの船」も有名な思考実験で、「テセウスの船の古くなった部品をどんどん新しいものに置き換えていってすべての部品が新しく置き換わった時、その船はテセウスの船と言えるのか?」というやつです。
小澤「まあ…テセウスの船って言ったらそれはもうテセウスの船じゃん?って感じかな。人間もさ、皮膚入れ替わるし、産まれた時とは違う細胞でできてるし、それいうたらお前はお前じゃないじゃんってなっちゃうし。その人自身や周りの人が同じものだって思えば同じものなんじゃない」
笹渕「じゃあ『これはテセウスの船です!』って言ったもん勝ちみたいなことかな」
小澤「そうね」
笹渕「確か、テセウスの船の古いパーツのほうを集めて船をつくり直したらどっちがテセウスの船か?っていう話もあった気がする」
小澤「あ~人間で例えたらきもかった(笑)抜け毛を集めて…」
笹渕「あーもう解決だわ(笑)それは人間ではねえ、こわすぎる、命がやどってない…」
テセウスの船問題は解決しました。
質問⑥お互いにどんな印象を持っているか
笹渕「なんか急にお見合いみたいな感じだね(笑)」
小澤「(笑)ご趣味は???」
まあ、お互いの解像度が上がりますし、答えていきましょう。
―――笹渕の小澤印象―――
笹渕「おざれはねえ…おざれは結構強い」
小澤「どの点において???」
笹渕「えっとねえ、プラスともマイナスともとれない。プラスの力を持っている人とマイナスの力を持っている人といるけど、おざれはどちらともとれないが、強い」
小澤「どういう?(笑)」
笹渕「あとは結構頑固なイメージがある。自分の芯と言うか、自分の意見…意見じゃねえな…自分を妥協しない、他人にあまり譲らないみたいな。これはなんかみーひろ(信國)と似てんなって感じ。みーひろっぽい揺るがなさを持っている気がする。」
小澤「へーそう見えるんだね」
笹渕「あと歌がうめえ。でもこれは印象じゃない、特徴」
笹渕「結構引力があるよね、沼ったら沼るみたいなとこあると思う、おざれ沼」
これはおざれの好きコンテンツを布教する引力ではなく、おざれ自身の沼という意味です。
―――小澤の笹渕印象―――
小澤「さっき言ってたけどそれこそ笹渕沼が存在すると思う」
笹渕「なるほど(笑)」
小澤「笹渕コンテンツに魅力を感じる人が多いよね。様々な方面にファンが多い」
笹渕「すごいじゃん」
小澤「すごいじゃん(笑)」
小澤「あとは、ある程度妥協できるよね。対照的になってるけど(笑)自分のできるラインを自分で見極めて、そこから逸脱しすぎない道を選ぶような気がする。」
笹渕「確かに」
小澤「あとはそうだな…こだわりってあるの?聞いちゃったな…」
笹渕「質問になっちゃった(笑)」
小澤「気にしないとこめちゃくちゃ気にしないよね。視界に入ってないものはとことん視界に入ってなさそう(笑)ってかんじかな」
笹渕「なんか占いうけてるみたいだった…」
ではここで2016年の私がおざれの印象を書いたツイートがTwitterのゴミ山から発掘されたので見てみましょう。
今のほうがちょっと解像度あがっていますが、ほとんど同じこと思ってますね。ちなみに「#いいねした人を名前伏せてどう思ってるのか割とマジで容赦なく正直に言う」というタグのツリーでした。青春の香りがツンと目に沁みますね!
質問⑦自分は死にたくないと思うのか。(一般的に)ひとは死にたくないと思うものだと思うのか
笹渕「おざれ結構生存意識強いやん。健康を気にしてるイメージ」
小澤「なんだろ、“生きてる間”は健康でいたいっていうことかな。QOLあげてこって意味でなるべく健康的な生活を目指しているけど、死にたくないかっていうとそこまで抵抗ないかも」
おざれはそこまで長生きしたいわけでもないし、今急に災害や事故などで死んでしまってもそれはそれとして受け入れるそうです。何歳くらいで死にたいというのはないけれど、死ぬ時までに目標が達成できていればいいそう。では一般的に人は生死に対してどう思っているのか、おざれの考えはどうでしょうか。
小澤「生物として生存が必須だから…死にたくないって思うのは正常なんじゃないかしら…(笑)『人間』が死にたいと思うかは分かんないけど、『ヒト』という生物として死にたくないって思うんじゃない?『人間』になっていく過程で死にたいか死にたくないかは変わっていくと思うけど」
質問⑧生まれてきて良かったなーと思うこと
笹渕「いいね~急に明るいぜ!明るい!酒のみながら話したい感じの」
小澤「みかんしかねえ~」
さて、質問に答えましょう。
小澤「おいしいごはんを食べられることと(笑)、話してて楽しい人と話すこと」
笹渕「ウェーイ」
小澤「ウェーイ」
架空のビールジョッキでの乾杯タイム。
質問⑨死ぬまでにやりたいことはあるか
小澤「すっごい簡単なことだとカラオケに行きたい(笑)でかいことだと、最近思ったのは不動産を持ちたい。人生の終わり際のことを考えてて、孤独死を割と恐れてるんですよ私は」
笹渕「カラオケとのふり幅がすごい」
小澤「孤独死問題ね、わりと中3くらいからあるんだけど…」
笹渕「はやい…はやいんだよなあ…」
小澤「最近たどり着いたひとつよさげな解としては、たとえば自分がマンションとかアパートとかいくつか部屋のある物件を持つと。で、そこの大家みたいになって、それまでにある程度良好な関係を築いてきた皆さんを住まわせる。で、一室ぐらいを共有スペースにして、まあ会とかは開催しないにしろそれなりに頻繁に会って、たまたまあったら喋れる。最近見ないなあと思ったら、その人の生存を確認する。みたいなことをしたいなあって思うわ」
笹渕「いいねえ」
小澤「そういう状態で、最近大家見なくね?で見に行ったら死んでて、お葬式してほしい」
シェアハウスではなくマンションにしたのは、「ある程度生き方が定まった中年~老年にシェアハウスをする柔軟性はなさそう」だからとのこと。そのような年齢でもシェアハウスやってるところありそうですけどね。そのような孤独死対策を自分の手の届く範囲でやってみたいそうです。死ぬ瞬間が一人になってしまうとしても、死後に腐乱臭を漂わせたりなどの迷惑はかけたくないので、早めに発見してもらえるコミュニティに身を置きたいというわけですね。
笹渕「孤独死問題は考えたことなかったなあ」
小澤「結婚できる現実性とさ、自分の状態を比較した時にむずいなって思って…。別に知ってる人が住まんでも不動産収入があるのは生活が安定するしね」
笹渕「それは普通にいいなーって思うけど、そこまでどうのぼりつめたらいいんだ?」
小澤「むずいよなー金欲しー」
笹渕「金だなあ」
小澤「結局金だよ」
質問⑩死にたいな~と思ったエピソード(おふざけあり)
小澤「最近死にたいなと思ったのは、卒論のねアンケートを最近作っててまあここ数日で完成したんだけど、それを作るために短刀の先生と一対一でzoomをするっていう時間があって、だいたい一時間弱ぐらいかかるんだけど、その日zoomに参加してよーし話し合いするぞって思ったら開始五分くらいでめちゃくちゃトイレ行きたくなって(笑)」
笹渕「なるほど(笑)」
小澤「うわー!超腹入痛えー!みたいな感じで(笑)15分くらい?やって、どうしても耐えられなくなって、『すみません1分だけ退席します!』って言ってトイレ行ったときは死ぬかと思った」
確かにいろんな意味で死にたくなりそうなエピソードですね。ちなみに死にたさの内訳を聞いたところ、「こんな時に便意来るなよ的な怒り」と「トイレ行きたいとか先生と一対一の時言いづらいっていう迷いと恥」だそうです。そうしておざれは本当に1分でトイレに行き、そのあとすぐにストッパを飲んだとさ。めでたしめでたし。
質問⑪あなたなりの生きる意味は?
小澤「これはねえある程度思想が固まってるんだけど、意味自体はないっていう結論です。」
笹渕「そんなものはない(笑)」
小澤「そんなものはない、そんなものがあったらみんな自殺してないっていうのがまずある。まあそれはさておいて、それでもなんもなしに生きるていうのはつまらないので、死にぎわに『よかったなあ~』って思えるように生きるっていうことにした」
「生きる意味がそもそもない」というのはどういうことなのでしょうか?生きる意味を見出している人もいるけれど、それを否定する立場なのか「ない」という上で意味を見出していこう!という立場なのか。
小澤「なんか…最近教科書にそれが載っててさ」
おざれは心理学を勉強していてあるおもろい理論を見つけたそうです。それが「存在脅威管理理論」というもの。
小澤「人間は他の生き物と比べて認知的な能力が高い。たとえば物事の因果関係に関してリアリティを構築する能力、まあ頭ん中でいろいろ趣味レーションするのが上手とか将来のことをイメージする力とか自分のことを反省する力とか、そういう認知能力が生きるためにスキルアップしてったんだけど、そういった能力が高まっていってしまったせいで、自分が望みもしないけど勝手に生まれてきて、不確かな世界に存在し死に至ることだけが確実だという問題に気付いてしまうというね、マイナスな面もあるという前提があるのね。それを『存在脅威』と言い換えてその『存在脅威』に打ち勝とうとするために、自分たちなりの文化・宗教みたいな思想を作り出す。その思想の中で意味があることとか安定することを定義づけてそれを信じ込む。その世界で価値のあるものだとかこうしてれば幸せになれるとか、そういう価値観を持つことによって死ぬこと以外実際には何事も確かじゃない世界にうまく適応しようとしてるよって理論。へーっ!て思って」
笹渕「なるほどね」
小澤「これが言いたかっただけなんだけど(笑)。思想がない状態だと生きる意味もかなり不確かだし無いようなもんかもしれないけど、うまく生存するためにい自分たちなりの価値観とか世界観を文化・宗教で作り上げて、その世界(思想)の中で生きる意味をつくるんちゃう?」
笹渕「へー!」
小澤「『へー!』でしょ。これは私的にはなるほどと思ったので、この理論は推してる」
…高校の「倫理」の授業を思い出しました。哲学との違いをおざれに聞いてみると、語りたい・示したい領域はだいたい同じなんだけど、哲学は文献とか言葉で戦っていくイメージで、一方心理学は数字とかデータで表せるようにうまくシステムを作って見えないものを具現化しようとするそうです。この健気さが心理学のかわいいところ。
質問⑫延命治療してほしい?
小澤「ヤダ~さっさと死なしてくれ~って感じ」
笹渕「自分のやるべきことが生きてるうちに達成してなくても延命治療しないでほしい?…延命治療しても無理か?」
小澤「かなりぎりぎりだよね」
少しでも長生きするためにいろいろな治療方法を試すパターンもあるよね、という話になりましたが、小澤・笹渕は自分がその状況に置かれた場合、しんどい思いをしてまで延命したくないという意見にまとまりました。
笹渕「これ、家族が延命治療するかどうかってなったらどうするかは自分との話とは変わってきちゃうね」
小澤「ね。自分の大事な人が死にそうで延命してほしいですか?って聞かれたらってことでしょ。そっちの方がむずいかもね」
笹渕「状態にもよるけどな」
小澤「そうそう。本人が言えなくて自分に選択権があったらどうだろう」
笹渕「いやあ究極よ」
小澤「本人が事前にしてくれとかしないでくれって言ってたら楽だけど言われてなかったらどうすんだろうね…苦しめないであげてくださいとは思うけどな…こう急に死にそうになって危篤です!ってなって、地方から親戚が来るみたいなときに、あと1~2時間延ばすかどうかみたいなやつだったら延ばすかもしれん。死に際に会える・会えないの運命を握るくらいだったらちょっと延ばすかも」
質問⑬自分の出生エピソード、きょうだいの出生エピソード
小澤「まず兄弟はいないので自分の出生エピソード。でもあんま聞かされて覚えてない(笑)めっちゃ重かったらしい」
かなりたくましい体で産まれたらしいです。
小澤「あとずっと髪が細いからさ、なかなかちっちゃい頃もあんまり生えてなかったらしくて、男のこと間違われるみたいな話は何度か聞いたかも。それなりにしっかりした体と薄めの髪の毛で、『男の子ですか~?』って」
笹渕「あんまりイメージがなかったそれは」
小澤「そりゃ赤子の想像はなかなかなあ!(笑)」
笹渕の出生エピソードはまた次回に。
質問⑭生まれ変わるなら何になりたい?
小澤「これはですね、裕福な家の犬」
笹渕「うわ~~!」
小澤「これも解が決まってるシリーズですね。それで自分と同じかちょい年はやめに生まれた子がいてほしいね。裕福ご家庭にキッズがいて、キッズと同じ年かキッズがちょい年上みたいな状態でおうちに入りたいですね」
笹渕「それは確かに幸せが決まってそうだな」
小澤「そうだね(笑)とりま人間はヤダ」
スタートが野良犬だとしてもその後裕福な家の犬になれるのならよいとのこと。確かに裕福な家の犬は「勝ち確」だよなあ…
質問⑮理想の死に方
小澤「これは生きる意味(質問⑪)のところと被る…」
笹渕「同じだもんね。もっと具体的に言うととかありますか?死因とか」
小澤「死因はもうぱっと死にたい」
笹渕「なかなかぱっと死ぬ死因無いよね」
小澤「むずいよねくも膜下出血とか?それで微妙に後遺症残って生き残ったらちょっとあれだけど…スッて死にたいかな(笑)」
笹渕「家族が止めてきたりしないかな?ちゃんと闘病してくれよ!って」
小澤「それは健康な状態の時から説得を試みる。もうスッと死にたいんでって元気な時から言っとく。病気したあとに『もういいです…』とか言ったら絶望してるんかな?という風にとられそう。まあ、そのときもそのときで説得しなきゃいけないんだろうけどね」
笹渕「逆に、親とか友達とか自分が死んだら悲しむだろうなみたいな人たちのために生きなきゃな、みたいなのは特にないの?」
小澤「えーそうだね(笑)それこそ苦しんで生きたほうがいいのかスッと死んだほうがいいのか。誰かのお金で闘病してるなら勿体なくない?って思っちゃう。」
結局状況次第ということになりました。どのくらいの割合で成功する治療なのか、どのくらいお金がかかるのか、家族や友達に説得されるのかどうか…。
笹渕「まあQOLっすね」
小澤「そり!そこまでいったら安楽死できればいいのにって思っちゃうよね」
笹渕「いずれ死ぬからね、死ぬタイミングをどれだけ自分で選べるのかっていうのはあるよね」
質問⑯命を尊いものだと思うのか
小澤「いいつなぎですね」
笹渕「いいつなぎ(笑)」
小澤「尊いかね…尊いって思っておいた方がいいわっていう感じ」
笹渕「なんだその含みのある言い方(笑)」
小澤「それこそさっきの『存在脅威管理理論』的なやつじゃない?尊いっていう価値観がないと生きてる意味がないのでっていう。何もルールがない価値観がない世界だとちょっと尊いかどうかはあやしいかも。だって蚊が止まったらパーンってやるしさ」
笹渕「それをいうとね(笑)」
小澤「そう。すべての命を尊いと思えるほどの寛容さは正直ない。まあ…(命を尊いと)思っていた方が世界がうまく回るんですよね」
笹渕「確かになあって思うわ」
小澤「大事な人の命は大事かもしんないけど、別に知らない人の命を同程度に尊いと思えるかっていうと別にそうでもないかも」
質問⑰もし子供がいたらどんな子になってほしい?
笹渕「もし子供がいたらだからね、いるいらない関係なく」
小澤「さっきの話と被るところで言えば、自分が生きててよかったなと思える子になってほしい。っていうのと、あと…いろんな視点が持てるような子だといいなって思う」
笹渕「いろんな視点をもてる」
小澤「他人の気持ちを理解できる、自分の主張をするだけじゃなくて人のことを受け入れる、共感はしなくてもいいけど把握はできるような・相手を理解しようとする姿勢を持つ、かな…あとは勝手にやってほしいっす(笑)そいつの人生なんで」
笹渕「けっこう放任って言うか、生き方に関してはお任せっていう」
小澤「そうだね、それだけの自主性がないと大変なのかもしれないけど。それなりに自分で立って歩ける方がいいなって思うから」
【まとめ】
笹渕「なんか…いい流れだったな(笑)」
小澤「ちゃんとつながったね、ランダムな感じかと思いきや」
質問はとりあえずすべてに答えてもらいましたが、一対一だと全員で話すときよりも個人の考えが浮き彫りになって分かりやすかったです。全員だと一個の質問に対してだけで話し合いが終わっちゃいそう…。
お分かりの通り「命」「生き死に」にかかわる質問を意図的に多くしていて、こういう話って日常でそんなにしないのでおもしろかったです。今の状態が命の危機に晒されていないからこのようにライトに話せるのだとは思いますが、だからこそできる話を元気なうちにしておきたいです。
次回は笹渕が話し手、信國が聞き手の予定です。おたのしみに!