【エグゼ6】ワラニンギョウ構築 備忘録


1. はじめに

本記事では、エグゼ6マスターズルールにおけるワラニンギョウ構築に関する個人的な考察をまとめています。他の構築と比べて一風変わった戦い方が要求されるので、慣れるまではなかなか難しい構築ではありますが、使いこなせるととても楽しい構築です。基本的な戦い方や使ってて意識していることを備忘録としてまとめておこうと思ったので記事にしてみました。それなりに使い慣れている自信はあるので、使ってみたいけどどう使えばいいのか分からない人の参考になれば幸いです。個人の見解を多分に含みます。


2. 戦法概要

改造カード「ダークマン」のBためワラニンギョウを活かして戦う構築になります。ただ、ダークマンは端まで移動バグという一般的な構築では勝負にならないほど致命的なバグを持っていますが、あえて修正せずに残したままにしています。

もちろんバグではあるので、デメリットは多々ありますが、ワラニンギョウ構築なら移動バグがあっても問題なく戦うことができ、逆に移動バグのメリットを活かすことができます。

2.1 ワラニンギョウについて

基本性能として、チャージ時間は120i(2秒)とやや長めで、3マス前に滞空時間やや長めで人形を投げ、置かれた人形に攻撃を当てることでノロイ(暗転)が発生し、当たった攻撃と同じダメージを相手に与えます。ワラニンギョウの長所、短所は下記になっています。

長所
■インビジ状態、カワリミを解除できる
 ワラニンギョウのノロイは対インビジ性能を持つので、一緒に付けることが多いBミニボム等で簡単に相手の防御を解除することができる。
 相手の安直な防御先出しを咎められる。

■ノロイにはカットインできないので非暗転奇襲が強い
 人形を攻撃すればダメージを取れるため、ゴーレムパンチやムラマサブレード等、当てにくいが高火力なチップを活かしやすい。

■攻撃範囲が広いチップを相手と人形を巻き込んで当てられる
 単純に2倍ダメージを出せるので積極的に狙っていきたい。 
 暗転攻撃チップにインビジブルをカットインされたとしても、人形にさえ当てられればダメージを与えつつインビジ状態を解除できるのでとても相性が良い。

■相手の位置を誘導することができる
 人形を置かれてしまうとノロイでダメージを食らうので、相手は人形の落下地点に入って防いだり、後ろに立ってバスターの最小ダメージで破壊しようとしてくる。逆に言うと、人形を投げることで相手を誘導することができるので、そこを狙ってチップを当てに行く戦法が取れる。
 例えば、人形が投げられた地点に入っておけば人形本体の10ダメージだけで抑えることができるが、その着地地点に合わせてクロスディバイドなどの当てにくい高火力チップを当てにいくことができる。

■設置時の毒パネル生成
 ワラニンギョウ構築はノロイがショートインビジを与える都合上、シャツで耐えられてとどめを刺せないことが多い。そのため、毒パネルを作っておくと、倒せずともHP1の相手の動きを制限したり、パニシュで1まで削って毒パネルに押し込んで倒すなんてこともあり、地味に役立つこともある。

短所
■インビジ状態、カワリミの解除はできるが時間がかかる
 長所と同じ内容だが場合によっては短所にもなりうる。
 「藁人形を投げる→着地させる→Bミニボムを投げる」手順を踏む必要があるので隙が大きく、チャージ時間も長いのでアンインをくらっていると仰け反って人形を投げさせてもらえないこともある。

■ショートインビジを与える
 人形を投げて、Bミニボム等で削りを入れようとすると、僅か50ダメージでショートインビジを与えてしまうことになるため、無暗に削りを入れるのは避けたい。削りを入れるのは、基本は防御を構えられているときのみにしたり等、相手に有利な状況を作らないよう意識する。

■とどめを刺しにくい
 上のショートインビジを与えることにも関わるが、アンダーシャツとチップリカバリーによって耐えられているときの詰めがしにくいのが人形構築の大きな弱点になっている。そのため、複数ヒットするチップ(ダブルビースト等)はとどめ用に極力1枚は手元に残しておきたい。

■ダストクロスに弱い
 人形を投げる度に吸われて200ダメージチャンスを献上することになるため、全力でマグナム等で剥がしに行きたい(剥がせても勝てることは稀)
 ちなみに人形が空中にある状態でも吸い込める。

■バリア系、オーラに弱い
 オーラはともかくバリア系に関しては人形が直撃しても10ダメージにしかならないのでチップでの対処をせざるを得ない。
 また、修正バスター等のダストクロスファーストバリアが辛く、耐久10のバリアでさえ厳しい。人形を投げても即吸われてしまう。

■穴に弱い
 人形が置けなくなるので、改造カード「プラネットマン」のBクラックが非常につらく、その場合は最後列に置くしかなくなる。
 人形を相手エリア最前列の穴パネルに投げておいて、着地直前にエレメント氷で即席でパネルを敷くことで人形を置くことができる。ゴレパンやムラマサを強引に通したいときなどに役立つ。何より意表を突けてお洒落。

2.2 移動バグについて

「端まで移動バグ」の仕様としては、その名の通り、移動時に間のパネルを飛ばして端まで移動してしまうというものになります。間に置物や穴(エア無し)があっても無視して端まで移動します。

一般的な構築であれば、基本的に中央段に立てなくなるのが一番キツイ点かと思います。ワラニンギョウ構築の場合は、そのデメリットがあっても問題なく戦うことができます。ワラニンギョウ構築を使う上での移動バグの長所と短所は下記になっています。

長所
■人形を攻撃すればダメージを取れる
 3マス前に投げて設置された人形にチップを当てるだけで、相手の位置に関係なくダメージを与えることができるので、移動バグでも問題なく戦うことができる。
 上のワラニンギョウの長所でも書いたように、相手の誘導もできるので移動が制限されていてもそこまで不自由は無い。

■エリアスチールの妨害
 最後列にいても前一歩で防ぎに行ける。
 スラッシュクロスに一方的に殴られ続けるような状況を避けるために小まめに前移動をいれておくとよい。1マスでも残っていれば多少は前後移動で避けることができる。

■前後移動による回避
 アンインを食らうとチャージ時間が長い人形は厳しいので、アンインは極力避けたい。その中でも、アンインを付加されることも多いマシンガンやドラゴン系のチップは前後移動で避けやすいので、アンインが来そうだと感じたら多めの前後移動を意識したい。
 また、ワイドショット等の3列全体を攻撃できるようなチップでもタイミングを合わせて前移動することで避けることができるので覚えておきたい。特に実戦的なテクニックとして、ラケットの風判定も回避可能なのでオーラやバリアを張っているときは前後移動しておくと稀に避けられる。風エフェクトは見えないので感覚で避ける。 

■上下移動による回避
 特に修正バスター相手を上下に振ることができ、自分は一歩、相手は二歩、上下の移動に必要になるので、うまく誘導すれば被弾回数を大幅に減らせる。もちろん構築パワーの差があるのでキツイことに変わりは無いが、勝ちにつながるよう細かな気配りも意識できるとよい。
 同様に、相手の直線系CSに対しても上下段に振らせることができるが、考え方によっては短所にもなりうる場合もあるため、詳細は短所の方に記載する。

短所
■直線系CSの被弾が実質1/2
 長所の方の上下移動による回避でも書いたように、直線系CSの相手を上下に振れる利点はあるが、逆に考えると上段か下段のどちらかで打たれると当たってしまうことになる。
 移動バグが無い場合は、単純に考えると上中下段の3パターンがあるため被弾確率は1/3となる。相手の立ち回りの上手さにもよるが、不利な面も持ち合わせていることは理解しておく。

■とどめを刺しにくい
 人形の性能とも被る短所になるが、チップを使わないと倒しきることが厳しいため、移動バグでも当てられて複数ヒットするチップを温存しておきたい。ダブルビーストをはじめとして、テングマンやハクシャク、メテオナックル等の他、状況によってはスチールパニシュもとどめになることがあるので、終盤の詰め方も意識して試合を運べるとよい。

■中央段がフリー
 パネスチやエリスチに対して、自分エリアの最前列中央段は確定で奪われてしまうため、スラッシュ等に一方的に殴られるエリア状況になってしまう。ただ、最前列を1マスでも残しておけると、前後移動で多少は避けることもできるので、エリスチで1列全てを取られないよう立ち回りたい。
 また、最奥でなくても中央段にオウエンカ等を置かれてしまうと、チップを使わないと破壊できない状況になる。


3. 構築

3.1 採用候補チップ

マグナム W L
 役割多めの個人的最重要チップで基本3枚積み。
 バリア系やオーラと最低限1:1交換したいので、なるべくココロバグ2倍を狙う。インビジやオーラ等に防がれたときは人形を置く位置を破壊しないように注意する。
 <他役割>
 ①罠解除
  ノロイで剥がせるが手間がかかるので即剥がしたいときに便利。
 ②人形との同時当てによる火力源
  インビジでカットインされても人形に当てれば即解除できる。
 ③穴による妨害
  ・グランドマン
   カットインで横割りすれば、攻撃と無効を同時にできる(最前列以外)
  ・カーネルフォース
   使うのが見えた瞬間横割りすれば前列の1体のみで済む。
   ターン終了時に上段か下段を横割りして次ターンに備えるのも良い。
 ④天敵のダストクロス解除
  相手がダストクロスである限り人形を投げられないので、マグナムを複数枚重ねたり、ダブビを囮にしてでも剥がしに行く。
 ⑤サンクチュアリ対策
  エレメントが引けないときの臨時のパネル破壊要因。
  角マスは人形設置時の毒沼で消せはするので、中央段、中央列はマグナムで破壊したい。

ゴーレムパンチ3 M
 非暗転奇襲とスラッシュ対策が主な役割。
 相手エリア最前列に人形を投げて着地と同時に殴る。相手が体で防ぎに来たら直接殴る。発生が早いので先走らないように注意。
 相手がグレイガ版と判明している場合はスラッシュが見えるまで可能な限り温存したい(ココロバグ2倍でスラッシュに1000ダメ入る)

ムラマサブレード M
 一発逆転も狙える火力源、及びテング対策が役割。
 使い方はゴーレムパンチと同様。1枚でココロバグ2倍込みで1000ダメージ狙えるので、使うタイミングは慎重に選びたい。
 終盤かつ人形が置けそうになかったら、獣化から強引に当てに行くことも視野に入れる。

スチールパニシュ M
 エリア返し枠。基本3積みすることが多い(+ジャッジ*とで計4枚)
 ゴレパンやムラマサとコードが合う。また、人形を投げて、着地するまでの間にパニシュを当てて吹き飛ばし、硬直中にゴレパンやムラマサで人形を攻撃するコンボが優秀で割と通りやすい(エリアを取られている必要はある)
 獣化して、パニシュの硬直中に即ムラマサを当てに行けるのを覚えておくと役に立つかも(※パニシュヒット時の相手は非インビジ状態の必要あり)

ドラゴン系(エレキ L、ヒート G、ウッド G、アクア H)
 移動バグでも関係なく使用でき、人形と巻き込んで2倍ダメージも狙える。エレキ、ヒート、ウッドはアンインとも合わせることができ、アクアは人形を無敵で破壊できるチャージクロス対策になる。エレキはマグナムともコードを合わせられる。

センシャホウ3 M
 最後列に人形を投げて、相手を誘導するか直接当てる。
 Bクラック相手で人形を最前列に置けない場合は、ゴレパンよりセンシャホウの方が役立つ場面もある。

メガブーメラン3 M W、ハイブーメラン L
 相手と人形を巻き込んで2倍ダメージを狙いやすい。完全ではないが草パネル生成によるサンク対策にもなる。ハイブーメランはアンインと合わせることができる。
 
ネオバリアブル N
 最前列に投げた人形を中心にクロスソード(コマンド:↓→↑)で斬れれば440ダメージ出せる。ワンチャン相手も巻き込んで更なるダメージも狙える。
 最後列に人形を投げて手前に相手がいるときにスーパーソニック(コマンド:←→←B)でも良い。
 後述のメテオナックルとコードを合わせられる。
 あと使えるとかっこいい。

バンブーランス *
 最後列に人形を投げて誘導したところを攻撃できる。そこで誘導して押し出したところをムラマサで斬るテクニカルコンボもできるので、ネタ成分は強いが決まったら気持ちいい。
 コードがアスタリスクなので突然の竹槍アンインストールもできる。
 (余談)
 上記コンボと同じ発想で、最前列に人形を投げて相手を誘導し、エアシュートで1マス押して、ムラマサで人形と相手を同時斬りするコンボもいつか決めてみたい。

ヒートマンSP H、ハクシャクSP H
 ヒートマンは範囲攻撃なので、相手と人形を巻き込んで当てやすい。移動バグでもそこまで気にせずに使える。単純にエレメントから草焼きを狙ってもいい。
 ハクシャクは複数ヒットで、人形構築が苦手なとどめに使いやすいので可能なら終盤まで温存しておきたい。エリア不利だと当たらない位置ができるが、固定範囲の攻撃のため移動バグでも関係なく使える。
 後述のギガントフック Hとコードを合わせられるので主にグレイガ版での採用。

ダストマンSP D、ダイブマンSP D
 ダストマンは置物を吸い込んで攻撃回数を増やせるので、人形を投げておいて、着地点に防ぎに来た相手に使えればそれだけで2ヒットが狙える。
 ダイブマンは最前列に人形を投げて相手を誘導して当てる。人形と巻き込んで2倍ダメージを狙うこともできる。波発生位置が穴だったり置物があると波が出ないので仕様はしっかり把握しておく。
 後述のクロスディバイド Dとコードが合わせられるので主にファルザー版での採用。

ジャンゴV3 D (及びV1、V2)
 人形を投げて正面に誘導して当てに行くことができる。人形と同じ段に並んだときに使えば2ヒットも狙える。コマンド(LLLA)で追加攻撃もできるので外しても最低限カワリミを剥がす程度の仕事はできる。
 ジャンゴとジャンゴV2も採用することで、P.A「クロスオーバー」を使うことができ、人形で相手を最前列に誘導できればフルヒットも狙える。

ダブルビースト W
 移動バグでも関係なく使える火力チップ。
 マグナムともコードを合わせられ、複数ヒットなのでとどめにも最適。

グレイガ X、ギガントフック H (フォルテ F、デルタレイエッジ Z)
 グレイガ版でのギガ枠候補はこの2枚。
 グレイガは移動バグだと多少ブレスを当てにくくはなるがそれでも十分仕事を期待できるので1番採用。人形で相手を誘導することもできるので当てずらさはそこまで気にならない(人形は消える)
 2番目の候補はギガントフック。エリアを取らないカネフォや、使える状況が限られるデルタと比べて、ヒートマンやハクシャクとコードが合わせられ、ダメージの期待値も高いので割と妥当な選択。2ヒット+ノロイをココロバグ2倍で打てれば最大1440ダメージを出せて芸術性もある。ワラニンギョウ構築ぐらいでしか効果的に使える場面が無いので活躍させたい。
 2枠目は正直好みなので、複数ヒットのフォルテやテング対策にもなるデルタでももちろん問題ない。

クロスディバイド D、ファルザー X、メテオナックル N
 ファルザー版でのギガ枠は基本この3枚から2枚選択。
 クロスディバイドはダストマンやダイブマンとコードが合っていて、いずれかを囮にして、後ろのチップを当てに行くこともできるので相性が良い。選び順は状況をみて判断する。このDコード3枚があったとしたら、基本ダイブ囮で、2ヒット(人形とゴミ)のダストか高火力のクロスディバイドのどちらかを狙うことが多い。クロスディバイドは基本3マス前を攻撃するが正面に相手がいると相手中心に斬るので、どこを斬るのか仕様を把握しておく。
 ファルザーは移動バグだと当てにくいが、複数ヒットの利点もあるので人形で誘導して当てに行く。オーラが突破できないので、基本ココロバグ2倍を狙いたい。
 メテオナックルは移動バグでも関係なく使うことができ、スラッシュ対策にもなる。また、複数ヒットでとどめにも使える。ただ、ヒット数はあまり見込めない。
 サイトバッチについては、使ったところで移動バグだと全く意味がないので不採用。アンインを食らおうが火力を押し付けて勝ち切る方針。

3.2 ワラニンギョウのお供(Bボタンの改造)

ミニボム(ボンビートル)
 エリア状況によらず人形が置ければ同じマスに投げ込めるため、一番オーソドックスで使いやすい。火力は50と低めのためダメージ源としては考えない方がいい。

ソード(ダークシャドー) ※大会等で規定により禁止の場合もあるので注意
 移動バグで斬りに行きやすいのでミニボムの次に使いやすい。ただ、エリアを取られていると人形に届かないのでその点ではミニボムに劣る。
 相手エリア最前列に投げて体で防ぎに来たところを斬って、ショートインビジ中に着地した人形を斬ることで80×2で160ダメージとれる。

使うなら上の2つが安定で、ここからはネタ要素が強め

■クラックシュート(プラネットマン)
 穴自体が人形と相性が悪いのでアンチシナジーではあるが、移動バグでも無理なく使えるサモンブラックを採用できるのが利点。
 相手エリアの最前列のマスは、本当に必要にならない限り、穴を開けないように立ち回る必要がある。
 容量が大きいこともあり、チップリカバリーを付けにくい。

■10バスター(スナームやジーラ等)
 バスターを相手に直接当ててもカワリミを剥がせる。
 選択肢としてあるだけで優位性や差別化点はそこまでない。
 グレイガ版ならキラビのAため等で移動バグを気にせず攻撃できるが、構築上飛ばせる無属性チップが少なくなりがちなのであまり生かせないかも。

■100暴発バスター(同上)
 バスター空撃ちバグLv3で暴発チャージショット(3/16の確率、通常バスターは出ない)の100ダメージを出す。
 単純火力なら一番高いがインビジカワリミを剥がす際に、人形前で特大の隙を晒してカチカチすることになる。
 バグシュウセイ採用で修正バスターへの切り替えをすることができるので10バスターよりは優位性があると思う。

■メテオ(メテファイア)
 さすがに作ったことが無い。
 ダークマンとメテファイアは「端まで移動バグ」を共通して持っているので親和性はある。
 唯一直接相手を狙うことができるのが差別化ポイント(差別化できるだけ)

3.3 立ち回り

改めて、ワラニンギョウを使ったダメージの取り方は主に以下2つ。
 ・ワラニンギョウにチップを当てて、ノロイのダメージで削る
 ・相手がワラニンギョウの設置を防ぎに来たところにチップを当てる
上記を狙いつつ、移動バグで相手の攻撃を避けながら、ココロバグ2倍でのチップ使用を織り交ぜてダメージレースを有利に戦っていく。基本的には後手に回るよりかはやりたいことを先に通すようなイメージで立ち回る。

以上に加え、対戦時に個人的に意識していることを挙げていく。

■移動の意識
 移動バグにより移動パターンが少ないので、上下上下…のように単調な動きは読まれやすい。そのため、前後移動を混ぜたり、適度に立ち止まったりする。
 エリスチで1列全て取られるのを防ぐため、ターン開始時や暗転明け等、エリスチが打たれそうなタイミングでは意識して前移動を入れておく。エリアを取ってくる構築が相手の場合は特に多めに。前に張り付きすぎるとキラーやエレメントで狩られて、アンインにつなげられたりするので、適度に下がる。バランスが重要。

■人形を投げるタイミング
 人形を投げる(チャージをためる)のはなるべく防御で待っているときやオーラ等を纏っているときにしたい。
 適当に投げてもノロイでショートインビジを与えることになるので、防御があるから削りをするだったり、人形との巻き込みを狙いに行くだったり等、目的をもって投げるタイミングを見定められるとよい。
 B左シールド等を付けておいて、防御に徹してもいい。

■ターン終了直前に人形を投げておく
 次ターン開始時の相手の動きを誘導することができ、こちらはそれを考慮した上でチップ選択ができるので、非暗転チップの奇襲がしやすかったり等、次ターンを有利に進められる。もし、誘導できなかったとしても、人形を置けたら人形を攻撃すればいい。
 また、他の構築にもあてはまるが、ショートインビジでターンを跨がせないよう意識する。

■非暗転チップによる奇襲は先出し
 ノロイの暗転にはカットインができないので、非暗転チップで人形を攻撃すれば、一方的にダメージを与えられる。
 もちろん非暗転チップでは暗転チップにカットインできないので、狙っている間に相手のココロバグ2倍を抵抗できずに食らってしまうこともある。そのため、なるべく非暗転を狙う時間は短くできるよう心掛ける。

■お互い待ち状況での立ち回り
 CSでの殴り合いになった場合、人形では全く圧をかけられず、長引けば長引くほどダメージレースが不利になっていくため、必然的にこちらからチップを先出しせざるを得なくなる。そのため、そもそも待ちの状況は作らないよう立ち回りたい。
 攻撃チップは確実にココロバグ2倍や人形との巻き込みを狙って、相手が攻撃チップで返すにしろ防御チップで防いでくるにしろ、アドバンテージ的に最低限1:1交換になるよう意識する。
 防御チップはターン終了時にショートインビジを敢えてもらって安全に使ったり等、次ターンにつなげる使い方ができるとよい。

3.4 相手にしたときの対策

ワラニンギョウ構築を相手にした時の対処の仕方、また、逆に自分が使っているときにされたら嫌な動きが主に下記。

■人形の設置を防ぐ
 ①直接体で当たりに行く
  ・本体10ダメージだけで抑えられる
  ・誘導され非暗転チップによる奇襲を受ける可能性が高い
 ②置かれた後にバスターで消す
  ・ノロイが発生するがアタックが9以下ならカワリミは発動しない
  ・ショートインビジが貰える
 ③着地寸前にバスターで消す
  ・ノロイも発生させずに消せるタイミングが存在する
  ・できる人は対処方法を大分熟知してる
  ・一番されたくないムーブ
 ④ファルザー版に限り、ダストクロスのB左スイコミ
  ・マグナムが3枚見えた後にダストになれると完封できる

■人形が置かれる角マスに穴を開ける
 Bクラックが使えるステガパネスチ等の構築なら大分有利に戦える。
 人形側はさらにその対策として、エレメント氷で即席で足場を作り、人形を置いてムラマサで斬る等が可能なので覚えておくとたまに使える。

■ヘビゲ下で防御で待ちつつ溜めうちで殴る
 非暗転の奇襲は防げないが、人形側は溜めうちでの殴り合いができないのでチップを先出しさせる状況を作りつつ、こちらはダメージを稼ぐのが単純に強い。
 人形側はアクアクロスやエレキクロス等の直線系CSで殴られ続けるだけで普通にキツイ。

■アンインストールを当てる
 人形構築に限らないが、人形は特にチャージ時間も長いので、仰け反らせてチャージをキャンセルさせれば人形を投げることができなくなりダメージ量を大幅に減らせる。
 特に、アンインを確実に当てるために前に選ぶことが多いキラーマンに関しては、移動バグで角しか立てない関係上(3列:3列想定)、角の4マスのうち3マスをカバーできる位置でキラーマンを打てることを知っておくと非常に当てやすくなる。

3.5 相性

有利
・アドコレ環境以前では明確に有利と言える構築はほぼほぼ無い
 やられる前にやりたいことを通す構築なので細かいことは気にせず使いたいから使うという意志を持つ。

・アドコレ環境では、強いてあげるならBためインビジ?
 ワラニンギョウ構築で相手にしたことが数回しか無く、一見これ以上ないくらいのメタ対象には見えるが、明確に有利かは微妙なところ。こちらのコンセプトが通せないことはないが、B左防御やバリア系を多く積んだ逃げ型だと多分キツイ。

不利> ※移動バグを受け入れる以上仕方ない部分は多い
・初手ダスト(主に修正バスターやバグデス構築)
 バリアを纏ってダストを維持されると人形を投げられない。
 そもそもの構築パワー自体が違いすぎるので早めの解除が必須。

・Bためサークルガン
 移動バグのため穴の上にいない限りは必中になる。
 B左シールド等で防ぐかショートインビジをもらってこちらのチップを通す立ち回りで対抗する。

・ステガパネスチ
 中央段の進軍が止められないので、最奥オウエンカやエアホノイズが素通しになる(オウエンカはそもそも最奥でなくてもチップ無しで破壊できない)
 中央分断されても上下に移動できるのは移動バグの数少ない利点。
 また、Bクラックによる穴も人形を置けなくなるため苦戦を強いられる。

・その他、2100スラッシュやBためラケット等、エリア系多めの構築
 明確に不利というわけではなく、エリアを取り切られるとほぼ何もできないだけで、エリスチを防ぐ立ち回りをすれば十分戦える。前後移動やエリア返しを使うタイミングを意識する。

4. 構築紹介

基本的にカジュアル寄りの構築であるため、修正バスター等のメジャー構築に勝つのは相当厳しいが、クイックゲージを採用した逃げ型であればまだ戦える可能性は秘めていると思う。

ここではグレイガ版の逃げ構築とファルザー版のカジュアル向けの構築を紹介する。

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