【全頭所見】

①コントレイル 福永

無敗の2歳王者に輝いてからの皐月賞直行は、昨年の勝ち馬と同じローテーション。
アーモンドアイはじめ、超高速馬場だった秋の府中で結果出した馬が、パワーを要する年末年始の中山で沈むことが散見されたが、当馬に関してはどちらも最高の結果を出している。最上位かはともかく、力上位はまず間違いない。
26年勝利のない最内枠と鞍上が不安視されているようだが、矢作調教師はこの馬でこの枠ならばおそらくある程度積極的に位置を取りにいくよう指示を出すのではないだろうか。福永騎手も良くも悪くも指示には忠実。今回は包まれたり前が塞がれたりするリスクはそこまで高くはないと踏んでいる。

ただ、何気に不気味なのが隣に入ったレクセランス。シルクレーシング・池添兄・北村友一……いかにも同牧場・同クラブの有力馬のアシストしそうな顔ぶれに見えてしまうのはタチの悪い妄想に過ぎないだろうか。
普通に出ればコントレイルより後ろからになる筈の同枠の馬が、スタートでぐいぐい押してでも並びかけてきた時には『やりやがったな!』とテレビの前で叫ぶことにしよう。

重馬場は未経験。


②レクセランス 北村友

コントレイルやサリオスと同様、こちらも3戦3勝のれっきとした無敗馬であるが、その全てが2着馬とクビ差かアタマ差の同時計。さほど卓越してるわけではないと見るか、勝負強いと見るかは人それぞれかもしれないが、3戦とも騎乗した川田騎手がサトノフラッグに色気を見せ、結果こちらも降りたか降ろされたかして裏開催にまわったことが何かを物語っているのではないだろうか。
今回のメンバー相手でも互角に渡り合ってしまう究極の相手なり馬という可能性もなくはないが、おそらく厳しいと見ている。
初の関東輸送。新馬戦は稍重で勝利している。


③コルテジア 松山

きさらぎ賞で重賞ウイナーとなったが、レースレベルには疑問があり、ほとんど差のなかった2着馬は次の毎日杯で大敗。当馬についてもシンザン記念とデイリー杯2歳Sは結構な着差で負けており、あの勝ち鞍をもって世代上位とみなすことは難しい。
一方で、負けているのはすべて1600以下で、1800走った2戦は2勝している。更に距離が伸びる今回は更に良くなる可能性もあるかもしれない。
鞍上の充実ぶりは言わずもがな。シンザン記念で負けて1800の重賞で勝って出てくるあたりアルアインと重なるところもある。
初の関東輸送。中京での新馬戦は重馬場で大敗。


④テンピン 中井

1戦1勝馬がクラシックに乗るという、(おそらく)前代未聞の存在。新馬戦の勝ち方は特に突き抜けることもなく、かと言ってこれが底だろうと決めつけられるほどいっぱいでもなく『ひょっとしたら……』と思わせる不気味な存在ではある。
とはいえ、もし本気でクラシックで勝ち負けを狙える馬であれば、12月の新馬戦の後、トライアルなり条件戦なりもう1戦して権利を獲るか賞金を上乗せするかを目指していた筈。ワーケア、オーソリティ、アドマイヤビルゴ、サクセッション、サトノインプレッサなどの権利持ちや重賞ウイナーの多数が他路線に向かったため、たまたま出ることができたが、初めからここが大目標であったことはまず無いだろう。
こういう馬にこそ浪漫を感じる方はいるかもしれないが、自分は哲学上買うことはできない。

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