Supercellはいいぞ(1/2 経営編)
こんにちは、バケホクです。
みなさんはどのデベロッパーのゲームをプレイされてますか?
Epic Games, Riot Games ,ニンテンドー, カプコンそれともバンダイナムコ?
今回皆さんにお伝えしたいのはSupercell(スーパーセル)についてです。
聞いたことがないかもしれませんが、クラッシュオブクラン、通称クラクラなら聞いたことがあるんじゃないでしょうか?そのクラクラを開発・運営しているのがSupercellです。
今回ゲームタイトルではなくデベロッパーをおすすめしているのはこのSupercell独自の文化をお伝えしたいからです。もちろんスーパーセルのタイトルごとにも魅力をお伝えします。
1. プロジェクトを容赦なく切り落とす
まず、Supercell一番の特徴はリリースタイトルがとにかく少ないことです。
2010年:Supercell創業
2012年:Hay Day(ヘイデイ)リリース
2012年:Clash of Clans(クラクラ)リリース
2014年:Boom Beach(ブームビーチ)リリース
2016年:Clash Royale(クラロワ)リリース
2018年:Brawl Stars(ブロスタ)リリース
創業から約11年でなんと5タイトルしかリリースしていません。
といっても、この言い方には一つ裏があります。リリースはリリースでもグローバルリリースしたものを上記に挙げています。
Gunshine.net (later known as Zombies Online) (2011年)
Pets vs Orcs(2012年)
Battle Buddies(2012年)
Spooky Pop(2014年)
Smash Land(2015年)
Rush Wars(2019年)
Hay Day Pop(2020年)
実はベータ版はリリースしたもののグローバルリリースせず、プロジェクトを終了したものがこれだけあります。最近のものでいうとRush Warsは約2か月、Hay Day Popは約半年でベータ版が終了しました。さらに何年も開発したにも関わらずベータ版にさえたどり着かなかったタイトルがあると言われています。
これにはSupercellのCEOイルッカ・パーナネン氏の考えが大きく影響しています。それは、
"THINK GAMES AS SERVICE THAT WILL LAST FOR TENS OF YEARS"「何十年も続くゲームを考える」
モバイルゲーム市場では移り変わりが激しくヒット作が数か月で消えてしまってもおかしくないです。しかし、そんな中でも何年も遊ばれるゲームを目指しています。
また、Supercellには失敗を祝う文化があります。これは失敗そのものを祝うのではなく、失敗から学べることを祝おうという考えから行われるもので、プロジェクトを失敗し、終了したチームにシャンパンを振舞っているそうです。
2. コミュニティに寄り添う組織モデル
Supercellが何年も続くゲームを運営し続けられた要因はSupercellの組織体系にあります。一般的な企業はいわゆるトップダウン形式という上司が権限を持ち、部下が指示のもと活動します。
しかし、Supercellはその真逆の体系をなしています。本来組織としては一番下にあたる、小規模な開発チームが最も権限を持っており、チームごとで独立して活動しています。このチームをセルと呼び、それらの集合体(スーパーセル)というのが、スーパーセルの由来でもあります
イルッカ・パーナネン氏はこのように語っています。
「重要なのは、決断をする部分はエンドユーザーにもっとも近いところで行われる必要があるということです。ですから、我々の場合、各ディベロッパーがかなりの権限をもって仕事をしています。マネジメント側の仕事というのはディベロッパの人たちが最大限力を発揮する環境を作ることだと思っています」
必要な権限はユーザーに最も近い開発チームに任せ、上司は開発チームがより活動しやすくなるよう環境づくりをしています。理想はCEOを社内で最も弱い立場にすることです。
(ここからの話は私の学生なりの憶測が含まれます。事実と乖離している場合、ご指摘していただけると幸いです。)
この組織モデルの良さが出ているのが、コミュニティマネージャーのTwitterアカウントだと思います。一般的なゲームタイトルでは公式のアカウントから情報を発信していきますが、Supercell は一味違います。
ブロスタは公式アカウントはもちろん、コミュニティマネージャーのFrank氏、Dani氏の個人アカウントからも時折情報が発信されています。ツイートのリプライに答えたり、過去にはコンテンツクリエイター(Supercellの公認実況者やデザイナーなど)の動画に出演し、実況者や視聴者からの質問に答えたこともありました。時には、アンケートを実施し、結果を参考にアップデート内容を調整したりします。
クラクラやクラロワでもよく似たことをしており、これがユーザーからの信頼を獲得している要因の一つだと考えています。
【参考記事】
(後編へ続く)
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