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夢見りあむから紐解くサンプリングの魅力

サンプリング

作編曲の技法で、ほかの曲の印象深いメロディや歌詞・フレーズを真似る、もしくはそのまま使う「サンプリング」というものがある。(作編曲に関してはド素人なのでこの表現が合ってるかは不明...)

特にHip-Hopのジャンルにおいてはこの「サンプリング」がかなり多用され、というかカルチャーの根幹にある。
例えば、有名なNotorious B.I.Gのほとんどの曲をプロデュースしていたPuff Daddyは「サンプリング」によって彼のクラシックソングを作っていたりする。

しかしそんな「サンプリング」はサングラスをかけてバギージーンズを履いた怖い人たち特有の文化ではなく、
今や(二次元の)アイドルも駆使する。

夢見りあむ

は「アイドルマスター」シリーズのアイドルの1人。
ビビッドな髪色が特徴で、常時エゴサのためにTwitterに張り付いているオタク、という異色のアイドル。
このアイドルの最大の魅力は先述の通り「サンプリング」の使い手であるというところ。

この通り、1つのセリフ枠の中で2つのコンテンツを「サンプリング」する偉業を成している。

※こじつけかもしれないが、
・「キメ顔でぼくはそう言った」
偽物語:斧乃木余接
・「〜なくなくなくない?」
小沢健二:今夜はブギーバック

ほかに「君の名は」のキービジュアルを模倣した立ち絵や、ソロ曲である「OTAHENアンセム」ではシリーズの看板曲の歌詞を文字っていたりかなり数が多い。

サンプリングの魅力

とは?

を説明するにはまず「サンプリングの難点」から。
「サンプリング」と言えば響きはよいものの、オリジナルの許可を得ていなかったりやり口が悪質だとただのパクり行為となってしまう。
実際、ラッパーのLupe FiascoはPete Rock & C.L. Smoothの「They Reminisce Over You」という曲のメロディをそのまま無断で使用して曲を作った挙句本人たちからお叱りを受けたという。

なのでやはり最低限の礼儀とモラルを踏まえた上で正式な「サンプリング」が成り立つ。
だがそれと同時に、この点が最大の魅力でもある。
逆に言えば「最低限の礼儀とモラルに抵触するライン」を探るスリルを味わえる。
どこまでやったら怒られるか?
どこまでなら許される?
日本ではこの礼儀・モラルの敷居が他国より高く、遵守する風潮があるためそれに伴って比例したスリルを味わえる。

夢見りあむはこのスリルの部分をゲーム内で「炎上」という誰にもでも分かる言葉によって表現して、
「サンプリング」の魅力をオタクたちに伝えている。

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