まいにちグライム/230530
まえがき
本日は少し嗜好を変えて、曲ではなく、日々僕がグライムを掘っているメディアを紹介したいと思います。
これからグライムをディグしたいという方がいらっしゃればぜひ参考にしてみてください。
RiskyRoadz
Roony 'RSKY' Keefeと、伝説のレコードショップ『Rhythm Division』の店員だったSparkieが2003年に立ち上げたグライムメディア。
元々はグライムMCたちのセッションやフリースタイル、インタビュー、ドキュメンタリーを収めた『F**K RADIO』や『THE MOVEMENT DOCUMENTARY』などのDVDが起源。
現在はYouTubeチャンネルにて、Roony Keefeの実の祖母であるMargie KeefeがグライムMCをゲスト迎えて会話するグライム版『徹子の部屋』の『GRIME GRAN』や、全世界のグライムMCのスピットを取り上げた『Grime Worldwide』を展開しています。
おそらくグライムのメディアの中で最古参かつ最大規模と言っても過言ではないでしょう。
※ちなみに、日本のグライムMC・Catarrh Nisin氏がGrime Worldwideにて取り上げられておりますのでグライムヘッズはこちらもチェックマストでございます。
TimWestwoodTV
UKの大ベテランDJ・Tim Westwoodがホストを務めるフリースタイル特化のYouTubeチャンネル。
元々ヒップホップメインのDJのため、グライムオンリーではなくUSのアーティストのフリースタイルが多いですが、SkeptaやWiley、Chip、Giggsなど大御所グライムMCのかなりクオリティーの高いフリースタイルが聴けます。
個人的にはChipがまだティーンエイジャーだった頃のフリースタイルや、ThrowbackとしてまとめられているUSの大御所のフリースタイルが聴けるのでグライム・ヒップホップまとめてチェックできてオススメです。
Link Up TV
Rashid Kasirye氏とEnea Tanku氏が2008年に立ち上げた、まだレーベル契約していないアップカミングなアーティストの楽曲やミックステープ、MVを取り上げるウェブサイトおよびYouTubeチャンネル。
最近はやはりドリル率が高めではありますが、
グライムの歴史を語るにはかかせないTV番組『Channel U』のドキュメンタリー、『The Story of Chennel U』をアップ。
おそらくChannel Uのきちんとまとまったドキュメンタリーはこれだけかと思いますので、グライムの歴史を学びたい方はぜひチェックを。
SB TV
『エスビー、ティビーイィ〜♪』でお馴染み、
去年2022年に亡くなったJamal Edwards aka SmokeyBarzが2006年に立ち上げたYouTubeチャンネル。
Link Up TV同様にアップカミングなアーティストの楽曲やMVを取り上げてキャリアを支援していたようです。
中でもEd Sheeran・Jessie J、StormzyはSB TVにお世話になって今に至るらしい。
※それぞれの動画を貼っておきます
Ed SheeranとDevin
Jessie J - Price Tag(アカペラ)
Stormzy
フリースタイル・セッションをまとまた『Warm Up Sessions』が有名ですが、個人的にはプロデューサーのお家を紹介する『The Producers House』がオススメです。
BBC Radio 1Xtra
知らない人はいないでしょう、イギリス国営放送局BBC。
その中でヒップホップやR&Bの音楽を扱うRadio 1で、特にグライムやガラージ、ダブステップ、ドラムンベース、ハウスなどを扱う番組がBBC Radio1Xtra。
やはり国営放送が親元なので機材のクオリティが高く、音・映像を高品質で楽しめるのが利点でしょうか。
グライムプロデューサー・Sir SpyroのDJでMCがスピットする『Sounds of the Verse』やフリースタイル企画『Fire In The Booth』が特に有名ですね。
「ラジオでリアルタイムで聴きたいけどイギリスの放送ってどうやって聴くの?」という方はウェブサイトの方から過去のアーカイブ(どこまで遡れるかは不明ですが)も聴けますのでそちらも併せてぜひ。
BGMedia
イギリスのブラックプール発祥のYouTubeチャンネルで、やはり他メディア同様に水面下にアーティストたちの楽曲・MVを取り扱っています。
※「ブラックプールってどこやねん!」という方、NOISEYがブラックプールのグライムシーンについてドキュメンタリーをアップしているのでチェックしてみてください。
で、このBGMediaですが、誰が設立して誰が運営しているのかナゾなのですが、↑のドキュメンタリーで出てくる中心人物・Afghan Danなのではと個人的に踏んでいたりいなかったり。
Grime Forum
元々はグライムについて語り合う掲示板のようなウェブサイト。
YouTubeチャンネルにアップされているのはかなーーりマニアックなリミックス・楽曲、セッションばかりなので「もっと地下の地下までグライムを掘りたい」という方がいらっしゃればぜひチェックしてみてください。
Rinse FM
UKベースミュージックの歴史を語るうえで欠かせない超・超・超老舗放送局。
DJ GeeneusとDJ Slimzeeが1994年にパイレーツラジオの放送局として設立し、2010年に正式に放送権を取得。
パイレーツラジオ期にはDizzee Rascal・WileyのMCが放送され、彼らのキャリアの基盤を築いた重要なメディアです。
Kool FMが当時ジャングルをかけまくってパイレーツラジオの放送局として名を馳せていましたが、Rinse FMはガラージを投入。
そこからよりダークなサウンドが主流になり、グライムの誕生という流れになってます。
YouTubeチャンネルではDJセットをメインに聴くことができますが、グライムの歴史を重要人物が語る『Grime History Lesson』や、MCたちによるセッション『The Grime Show』なども必見。
BBC Radio 1Xtra同様、ウェブサイトの方でラジオ放送を聴けます。
GRIMEREPORTTV
Lordie Lordが2010年に設立したグライム・UKヒップホップ特化のメディア。
が、何らかの理由でYouTubeチャンネルが消されるハメに。現在は無事復活しております。
先述のメディア同様にアーティストの楽曲やMVを取り扱ってはいるものの、GRIMEREPORTTVは少し違い、よりエンターテイメント性が強いメディアです。
グライムの知識クイズ企画『The Grime Challenge』、そしてやはり最も有名なのが5ポンド(=現在約870円)を渡してグライムMCにコンビニで買い物をしてもらう『The Five Pound Munch』。
そして何とこのThe Five Pound Muchに日本のグライムMC・Pakin氏が出演しておりますのでこちらもチェックイットです。
TM TV PR
イギリス・プレストン発祥のグライム・ドリル特化のメディア。
アンダーグラウンドなアーティストのみを取り上げているメディアのため、まだ世に出ていない未開の地を欲している方は必見です。
楽曲・MV・セッション・フリースタイル・DJセットを網羅しております。
Lord of the Mics
言わずと知れたJammer主催のMCクラッシュ。
元々はRiskyRoadz同様にDVDが発売されておりました。
1つのインストを1ラウンドとし、計3ラウンドでバトルする方式で、記念すべき第一回はWiley VS Kano。
日本のヒップホップの聖地といえばシスコ坂が有名ですが、グライムの聖地はLOTMのJammers basementでしょう。
1年前に更新が止まっておりますが、これまでのクラッシュをほぼすべて観ることができると同時に、MCたちの若かりし頃を確認することもできます。
ちなみに個人的に好きなクラッシュは3期のKozzie VS SOXです。
Kozzieが強過ぎてSOXが2ラウンド目から「もういいッス…」と打ちひしがれているのが印象的ですね。
GRIME NATION
グライム特化、かつ楽曲・インストの紹介に特化したYouTubeチャンネル。
中でもインストの数がかなり多いので、インストグライムを掘るのには打ってつけかと思います。
※あと心なしかWileyの楽曲も多めなのでWileyファンの方もチェックしてみてください。
PAKIRADI
先ほど記載させていただいたPAKIN氏によるグライム特化のラジオ番組。
BS0radioにて毎月放送されており、日本のグライムから世界のグライムまで幅広く紹介されております。
日本のMCの方が自身で日本のグライムについてリアルタイムで話されているのを聴けるのは現状#pakiradiのみかと思いますので、ぜひともチェックしてください。
BS0radioのウェブサイトで過去2回のアーカイブを聴けます。(第1回・第2回)
Flush Media
こちらも割と古くからある老舗的なメディア。
アンダーグラウンドのグライムアーティストのMVを主に取り上げるYouTubeチャンネルです。
とはいいつつもSkeptaのパーティーの動画やFriscoのフリースタイルもアップされています。
10年前で更新が止まっているので、どちらかというとMCたちの昔の姿を見るのに使えますね。
例えばJaykaeやC4など、「うわ若っ!」ってなります。
あとがき
計14個のメディアを紹介させていただきました。
もちろんこれがすべてではなく他にもたくさんグライムの事を様々な形で発信しているメディアがあると思いますので、気になるものがあったらぜひチェックしてみてください!
元々この『まいにちグライム』も上記のメディアに影響を受けて始めました。
周りにグライムはおろかUKのベースミュージックを聴いている連中が1人もおらず、ひたすら自分だけで無我夢中にディグしておりましたが、やはり心のどこかでそういった情報を常にキャッチできるメディアがあればな、と思ってました。
もし最近グライムを知って気になっている、もしくはどこで曲を探せばいいかわかんない!
という方がいらっしゃれば、拙い文章かつ大して多くない情報量かつまいにちグライムと言いながらたまに更新しない日があったりしますが、参考にしていただけますと幸いです。
それでは。TRKでした。