【エビ中】ボクコネ、1年後の考察【舞台】
2020年4月にオンライン配信された私立恵比寿中学主演舞台
『ボクコネ~ぼくはテクノカットよりコネチカット(以下ボクコネ)』
を今更考察します。
もちろんネタバレありなので、これからブルーレイで見ようとしている人はここで止めてください。
覚えていない人のためにざっくりあらすじを言うと、
あるアパートが宇宙旅行プレゼントに当選し、アパートごと宇宙へ飛び立つ
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宇宙に飛び立った途端に地球が消滅
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なんとか宇宙で生き延びる方法をアパートの住人と宇宙旅行のツアーコンダクター達で模索
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いろいろとトラブルがあってアパート内の生存者が二人に
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一人はコールドスリープし、もうひとりは宇宙を眺めて終わり
今回はこの物語から
① 宇宙少女は実在するのか?
② なぜ宇宙少女は柚子からしか見えないのか?
③ 宇宙少女の目的
の点について考察します。
まず最初の考察は、
① 宇宙少女は実在するのか?
です。
この物語では小林歌穂さんが黄色い被り物で扮した 宇宙人の女の子 宇宙少女 が登場します。しかしこの宇宙少女、中山莉子さん演じる田中柚子以外から認識されていません。柚子ちゃんが宇宙少女を皆に紹介するシーンがあるのですが、周りからは冷たい反応をされます。
左が宇宙少女、右が柚子ちゃん。
柚子ちゃんはアパートの住人と会話が成立していないシーンも多く、物事を思い出せないシーンもあり、認知症をほのめかすシーンが多いです。また、柚子は過去に生き別れた家族と会えていないため、柚子が現実逃避のために作ったイマジナリーフレンド(想像上の友達)にも見えます。
しかし、宇宙少女は実在する物体に干渉しています。
例えば、柚子ちゃんに危害を加えようとした男に対し
「いでよ、コスモの力~!」
と言い、相手を気絶させるシーンがあります。おばあちゃんである柚子が男を武器もなしに気絶させるのは不自然なため、宇宙少女が手を下したと考えるのが自然です。また、宇宙少女が灰皿などの物体を移動させているシーンもあります。宇宙少女は他の人には見えない形ですが、間違いなく実在はしているはずです。
では次の考察ですが、
② なぜ宇宙少女は柚子からしか見えないのか?
です。
これに関しては、少し怖いですが宇宙少女 寄生虫説を推したいと思います。ロイコクロリディウム をご存知でしょうか?知らなかったとしても、検索は推奨しません(見た目がグロテスクなので)。
ロイコクロリディウムは寄生虫の一種で、主にカタツムリに寄生します。寄生されたカタツムリは、目が肥大化しイモムシのような形状になります。カタツムリの目をイモムシと勘違いした鳥に食べられ、その鳥の糞を別のカタツムリが食べることでまた寄生します。
寄生されている間のカタツムリは通常好まない明るい場所に移動するようになり、わざと鳥に食べられに行きます。先述したように目の形状が変化するため、視覚が遮られることによって光がある方に移動する説もあるそうです。
ここでボクコネに話をもどしますが、宇宙少女が周りから見えないのは、柚子の体内に寄生されているから、という説を私は唱えたいです。宇宙少女は地球外知的生命体であり、柚子に寄生して自分の星に戻ろうとしていたのです。宇宙少女が柚子からしか見えないのは、ロイコクロリディウムと同様に視覚を操作されていたから、かもしれません。
そういえば、そうやってヒトに寄生する別の生物が作中に登場しましたね。
宇宙少女が寄生虫であることを暗示している?
また、宇宙少女は拾った後に膨らんだ、と柚子が言っているので、本来は小さい生命体の可能性もあります。アンモナイトの写真を見て、宇宙少女が「お母さんにそっくり」というシーンもあります。視聴者、そして柚子からは宇宙少女が人の形に見えますが、虫的な見た目の生物であると考えられます。
そして、
・この宇宙旅行プレゼントに応募したのが柚子ちゃんであること
・応募のためにベルマークを集めたのが約1年前であること
・宇宙少女と出会ったのも1年前であること
を考えると、柚子は宇宙に導くための宿主である可能性が高いです。
ちなみに、宇宙少女が相手を気絶させた方法は、何か超能力的なものによるかもしれませんね。
そして最後の考察ですが、
③ 宇宙少女の目的
です。
目的はシンプルに、地球を飛び立って仲間と再開する、だと思います。
物語の冒頭で、
「全てをお話します、この船で何が起こったのか」
と宇宙少女がひとり語りするシーンがあるので、柚子がコールドスリープのボタンを押した後、宇宙少女は仲間と再開できたのかもしれません。
再開するということは、宇宙少女は仲間からはぐれ、地球に漂着していた、ということになります。もしかしたらトラブルが起きて地球に間違って落ちたのかもしれませんし、もしかしたら地球の科学研究所的なところで捕獲されていたかもしれません。
捕獲されていた場合、あるシーンの辻褄が合います。それは、地球が消滅したシーンです。この物語では、アパートが宇宙船として地球を飛び立った直後に地球が真っ二つに割れて消滅します。隕石が衝突して消滅するにしては、不自然な壊れ方です。まるで、何かから攻撃を受けたような・・・。
地球から飛び立ったシーン。
もし、宇宙少女がその種における重要な存在(王族など)の場合、そして宇宙少女が捕獲して様々な実験に巻き込まれていたため、その地球が報復にあったのかもしれません。そして報復による破壊だったからこそ、宇宙少女が宿主と共に地球を飛び立った直後に地球が消滅したのです。
ちなみに、どうやって地球を破壊させたかというと、何か超能力的なものかもしれませんね・・・。
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以上が1年越しのボクコネの考察です。
最後に、この作品を考察することへの考察です。
昨年の舞台配信の際、購入者への特典として、出演したエビ中メンバーと脚本家の高羽彩さんによるアフタートーク配信もありました。
そこで高羽彩さんが『ボクコネ』というタイトルの由来について、
「タイトルについて色々考察がある中申し訳ないのですが、特に意味はないです」とおっしゃっていました。
つまり、この物語自体も高羽さんの中でも正しい答えがなく、見る人によって色々と考察を楽める作品、という可能性もあります・・・。
なので、ボクコネを見るときは人の考察にとらわれず、自分の好きなように考察するのが正解だと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。