【短編小説】お見合い
男「どうも、こんにちは。なんか、緊張しますね」
女「そうですね。こんな時代にお見合いなんて、少し恥ずかしいです」
男「とりあえず自己紹介しますか。僕の名前は海藤正治といいます。現在は中学の教員として働いています。あなたは?」
女「江見たか子、教師・社会教科」
男「え!同じ教師なんですね。それは話が合いそうだ。まず、お趣味を伺ってもよろしいですか」
女「寿司・観光、ひとり花見・短歌」
男「え?」
女「え?」
男「いや、なんか急に畳み掛けてきたので・・・。寿司っていうのはお寿司屋さんによく行かれる、ということですか?」
女「はい」
男「好きな寿司ネタとかあるんですか?」
女「エビ・玉子、さより・はまち・こはだ」
男「え?」
女「え?」
男「す、すいません。テンポよく寿司ネタを言ってきたので。他の趣味でいうと、観光もお好きなんですか?」
女「はい。海外とかではなく、日本国内の各地を巡るのが好きなんです」
男「どちらによく行かれるんですか?」
女「三重・香川、高知・愛媛・香川」
男「え?」
女「え?」
男「すいません、思ったより四国だったもので。観光では、さっき仰っていたひとり花見もされるんですか?」
女「はい、特に好きな花が、ユリ・スモモ、ツクシ・ケヤキ・サクラ」
男「え?」
女「え?」
男「ごめんなさい、どうしてもリズムが引っかかって。最後の趣味である短歌も聞かせてもらっていいですか?」
女「セミ・卵、見たり・やはり・夏か」
男「5・7・5・7・7じゃなくて2・3・3・3・3!もしかして、ひとつ趣味を隠してないですか?」
女「実はアイドル鑑賞、特にももクロが大好きで・・・」
男「やはりそうですか。隠さなくていいですよ、僕も実はももクロ大好きなんです。ちなみに推しメンはどなたですか?」
女「れに・かなこ、しおり・ささきあやか」
男「・・・これは箱推しってことでよろしいですか?」