【小説】ウソ発見機
刑事「どうだい?そろそろ吐く気になったか?」
俺「だから何も知らねえって言ってんだろ!何時間も拘束しやがって!」
刑事「・・・しょうがない。じゃあ、これを付けた状態で質問に答えたら、解放してやるよ」
俺「なんだそれ?」
刑事「嘘発見器ってやつさ。テレビとかで見たことあるだろ?あんたがウソを付いてたら、この針がクイッと動いて教えてくれるのさ」
俺「なんでそんな物を着けなきゃ・・・」
刑事「正直に答えてくれたらいいんだよ、これまでみたいに。それとも何か?やましいことでもあるのか?」
俺「・・・わかったよ!とっとと着けろ!」
刑事「じゃあ、着けさせてもらうよ。・・・よし、じゃあ俺が今からいくつか質問するから、全部『いいえ』で答えてくれ」
俺「いいえ」
刑事「次の質問からだ。まず、お前はあの日の夜、被害者である女性の家にいた?」
俺「いいえ」
針「・・・」
刑事「じゃああの日の別の時間帯に彼女と出会った?」
俺「いいえ」
針「・・・」
刑事「彼女に殺意を抱いたことがある?」
俺「・・・いいえ」
針「クイッ」
刑事「ほう…、じゃあ彼女の殺害現場に置いてあった包丁、これはあなたが買ったもの?」
俺「いいえ」
針「クイッ、クイッ」
刑事「なるほど・・・、あなたは彼女の浮気を許していな…」
俺「ちょっと待て!刑事さん!」
刑事「なんだ!いいえとだけ言えって言ったはずだぞ!」
俺「それはそうなんだけど、それよりさっきからクイクイ言ってるこのおじさん誰だ?!」
刑事「その人は君の表情の変化を描いて記録してくれる記録員さんだ。ほらっ、見せてやるよ」
俺「この絵、もしかしてあなたは…!?」
針「どうも、針すな男です。ごめんね、最近しゃっくりが酷くて、クイッ!もしかして私、退室した方がいいですか?」
俺「・・・いいえ」
いつもキレイに使っていただき、ありがとうございます。