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メーテルの青い鳥
今から45年前、私が幼稚園の年長の時の話。ある日、パーマ頭に黒縁眼鏡の田中先生が「青い鳥の本を持っている人、誰かいませんか?」と松組の全員に聞きました。
すかさず「家にあるで!」と私は手を挙げました。「明日持ってきてね」と先生に言われ、元氣よく「はい!」。
家に帰って母親に「青い鳥の本ってあったよな」と聞くと、「そんな本ないで」とバッサリ。「いや、あるはずや」と家にあった小さな本棚をくまなく探したけど見つからない。あれ、変やな・・本のイメージが残っているのに。クリーム色で表紙に兄妹(チルチルとミチル)の並んだ絵がある本。
翌日、田中先生に「探したけど、なかったわ・・」と言うと、そうかそうかと。しばらくして先生はどこで手に入れたのか、青い鳥の本を手にしていました。そうこれ!この本。家にあったのと同じやつ。あれ、変やな・・
その青い鳥の本をもとに、クラスで劇をすることになり、私は主人公のチルチル役(複数人で代わる代わる役をこなす)で劇の冒頭に出演しました。並んで寝ている兄妹。チルチル役の私が布団からすっと目を覚まして起き上がり「あれ、変だな?」のセリフで劇が始まりました。
あらすじを簡単にいうと、貧乏な兄妹が魔法使いのおばあさんから頼まれた幸せの青い鳥を探しに、願い事をかなえてくれるダイヤのついた魔法の帽子を使っていろんな国へと旅するのですが、どうしても青い鳥が見つからず、諦めて家に帰るとそこに青い鳥がいたという話。作者はベルギー人のメーテルリンクです。
劇が終わってしばらくしたある日、家に帰ってみるとその青い鳥の本が家の本棚にあるのです。「やっぱりあったやん!」。もしやおかんが田中先生に直接渡して、その後田中先生がおかんに返してくれたんやろか・・なんでそんな邪魔くさいことするんやろか、変やな。
そして、この事件は人生の七大不思議の一つとなりました。
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それはちょうどいい!いきあたりバッチリ!が場活の合言葉。 日常を楽しく生きるために必要なメソッドを数千人との対話の中から導きました。いまも…
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