保険が必要な理由(社会論)①
両学長や中田敦彦などYouTuberの影響もあってか、保険は不要なのではないか、という風潮が強まっている。
そこで保険がどういった時に必要とされているか、業界を広く見つつ、ポイントを説明していきたい。
融資と保険
銀行が大きな金額を融資する際、借り手に保険に加入してもらうことが多い。
これは企業で言えば設備投資の際、個人で言えば住宅ローンを組む際に活用される。
融資先の社長や一家の大黒柱に万一の際あった場合、保険金がおりるため、それで貸付金をそのお金で返済してもらう目処が立つということだ。
いくら融資先の企業や個人が盤石な経済基盤がある場合でも、銀行は信用や感情、馴れ合いで融資するのではなく、
厳格な回収目処が立つ根拠を書面で整え、組織内で稟議を回した上で、初めて貸し付けのシステムが発動するのだ。
特に担保となるような物的資産がない場合は、保険に加入してもらうこということがある。
住宅ローンであれば、団体信用保険というものが有名で、昨今はがんになると住宅ローンがチャラになるものもある。
また借り手からしても、大きな病気をして仕事や事業が立ち行かなくなった時に、巨額な負債を返済し続けないといけないのは酷な話しだ。
法人の借入金は、通常社長個人が連帯保証人になっているケースも多い。自身が死亡した際、相続する親族が、会社資産である株式とともに借入金までがふりかからないよう手立てを考える上でも、法人加入の生命保険に加入していたりする。
年収や年商の10倍から40倍もする資産、前倒しして現時点で取得して利用するという経済活動を人々は行っている。
これは貸し手借り手ともに、万一の際ひとつの企業ひとりの個人では対処しきれないリスクをはらむ。
こういった他人間の大きな資金移動の際に、人々が安心して融通しあうために、保険が機能している。
実際、万一というぐらいなのだから、その事態が発生する確率は極めて低い。ただ銀行など高度に組織化、システム化され、法令遵守など厳格さが求められる現代にあっては、その厳格さの要望に保険が当てがいやすいのだと思う。
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