オリンピック バスケ男子 分析レポート第一話
オリンピック男子バスケ。
五輪jpロボット実況でフルタイム動画が視聴できる。およそ3試合を2回見終わった感想は、自分でも意外なものだった。
スロベニア戦など25点差くらいボロ負けしたという記憶しかなかったが、終盤までまずまず互角に近い戦いができていた。
後半は4Qラスト5分まで14点差を行ったり来たり、スリー1本さえ決まれば勝負はまだ分からないという拮抗した戦いが続いていたのだ。
欧州勢にどういう差があったのか?
ひとまず何回かに分けて、チームとして日本に足りなかった点、選手の弱点や強化ポイントはどこなのか、これから何回かに分けて、レポートしていきたい。
第一話 ペイントタッチができていない
欧州勢どのチームもペイントタッチは徹底している。
スロベニア戦、最終5分間で、逆に詰め寄るどころか14点差から30点差近く引き離されてしまったのは、これが大きい。スロベニアは明らかにこれを意識していた。
終盤に近づくと、どうしても足が疲労してくる。相手はこの日本の弱さを逃さなかった。このタイミングでどんどんドライブを仕掛けてキックアウトを繰り返し、ワイドオープンのスリーを次々と繰り出したのだ。
逆に日本の場合どうしたか。
渡邊がスリーポイントライン外でピックプレーを使ってスペースを作り、スリーを打つなどしていた。
これは浅い位置でのツーメンゲームで、しかも相手を背負ってのシュートなので、ワイドオープンと比べて確率論的に大幅に決まりにくくなる。
上記のスロベニアと日本。どちらかチームとして大きな展開ができているだろうか?
スロベニアは人やパスの動きが中に外にダイナミックだが、日本は上でチョコチョコ2人がやりとりしているだけで、チームとして動きが感じられない印象を受けた。
スペインも同様だ。ルビオなどガード陣が、ペイントやエンドラインまでドライブで深く切り込み、中外に合わせるというものだった。
一方、日本はペイントタッチの絶対数が少なかったし、切り込んだとしても非常に浅かった。
そもそも各ポゼッションでそれを徹底していくという基本指針はなかったと言って間違いない。
個人的には、オフェンスは、最低でも以下の手順を踏まないとタフショットになってしまうと考える。
①デフェンスを撹乱させる
②空いたズレを利用してフィニッシュに持ち込む
スペインなどは、ガード陣が①を行い、そこからパスを供給された外の2番3番、もしくは中の4番5番が②フィニッシュをすると分業がなりなっていた。
これに対し、日本はオフェンスの分業が曖昧だ。田中大貴から八村らスコアラーにボールが渡り、また1on1に…
これではスコアラーが上記の①と②を1人で背負うことになってしまう。また、渡邊八村はスコアラーではあるが、デフェンスを撹乱するほどの俊敏な足は持ち合わせていない。
田中大貴としては、第一にスコアラーにボールを供給する事を意識していたと思う。
ただ、まずオフェンスの起点として、誰がディフェンスを撹乱できるか、ペイントタッチを誰が仕掛けられるかというステップを考えなければならない。
五輪のコート上では、ボール持つ選手が田中から外の誰かに移っただけという、単なるタイムロスになってしまうことが多かったように思えた。