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知床観光船の水難事故 事故原因について

事故の直接原因推定パターン

まず、浸水があったことが原因であることが分かっている。

その原因は岩礁にぶつかったからなのか、同業者のコメントからもともとあった傷が波風で船体が打ち付けられて広がったからなのか、などが議論されていた。

また、浸水時にエンジンストップしていると連絡があったが、沈没直前に船体が大きく傾いて浸水があっことが原因なのか、あるいは浸水のかなり前から徐々にエンジンがストップしかかっていたのか。

当時の波は3メートル以上、16メートル以上の強風が吹き荒れていたが、その風波の影響で操縦が効かなくなっていたのか、帰路は沖合から帰るが風であおられ、岩礁の多い岸で走行していたのか。

こういった議論がなされていた。
複合的に要因が重なっているかもしれないが、出来るだけ分けて、以下パターンごとに分けてみた。

◯波に叩きつけられることで亀裂が悪化

同業者によると、もともと亀裂が入っていたようだ。

材質的に鉄だったらそうそう浸水しないが、FRPという強化プラスチックであったため、荒い波風で亀裂が広がり船首から浸水したのではないかとの見解があった。

◯より岸の方へ風にあおられ、岩礁にぶつかった

観光船は行きは知床の自然が良く見える岸辺側、帰る際は沖合から高速で帰るというルートを取る。

横殴りの風で、岸の方へ船体があおられた結果、岩礁にぶつかったのではないかという見解もあった。

特に、観光船はより見晴らしをよくするため、座高が高くなっている。つまり横殴りの風にあおられやすい特徴もあるとのことだ。

◯雪溶けでエンジンに水が入り込んでいた

船に積雪があり、それが溶け出してエンジンに染み込んでた可能性も指摘されていた。

これも徐々にエンジンが駆動しなくなることがあるようだ。
船の構造上、走行時に波を乗り越える縦の動きには強いが、走行不能で波によって横にグラグラ揺れることには弱いとの見解もあった。

横にグラグラ動いている中、横転しかかったりしたのではないか。特に甲板だけでなく、客室にまで水が入ってくると沈むリスクも増すとのことだ。

◯3メートルの波で航行不能となった

あるニュース番組では、ミニチュアを用いて2.5メートル時の走行の具合を試験していたが、すでにその段階で走行不能な結果になっていた。

操縦、走行不能が原因となって、船が激しく揺られて浸水があった可能性もありうる。

船の仕様を見ると9トンで12メートルという、小型船舶のものである。
他の観光船のプロからすると、通常は2メートルの波が予想されると、船を出さないのが通常とのこと。
また仕様からして、沖合に出て航行する様な外洋向けではなく、内港向けの船舶という印象とのことである。

この事故をした観光会社も当初はしていなかった、知床岬までのルートを2年前から走行を始めたとのことだ。

したがって、高い波や遠いルートに耐えうる仕様になっていないという見解もあった。

他の観光船
今回の事故船


◯観覧のため岸に近づき過ぎて座礁した

行きルート、帰りルートどちらで沈没したのか、という判断もある。

この事故原因は、行きルートで事故にあったという分析である。
特にホームページでの観光案内では、他社より近くの岸辺で自然環境が観覧できることを売りとしていた。

ただし、時間帯から推定するに、すでに寄港の時間帯である1時過ぎに、連絡があったとのことなので、帰りルートで事故にあったとひとまず推定がなされている。

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