バカ公園の漫才「女の子の紹介」
(著者 バカ公園・花)
「そういえばお前さ、彼女とかって居たっけ?」
『え?居ないよ彼女なんて!そもそも出会いが無いからな~』
「あ、なら丁度いいわ」
『丁度いいってなに?』
「お前のこと気になってるって言う女の子がいるんだけどさ」
『...え!?マジで!?』
「紹介しようか?」
『してして~!なんだよお前~!お前の相方でよかった~!』
「大袈裟だよ」
『で、その女の子はどんな子なのよ』
「まず...顔はほぼ橋本環奈ちゃん」
『マジ!?』
「ちょっと下品だけど...オッパイでかい」
『オホホ~!』
「趣味は...料理」
『最高じゃん!え!?そんな子めったに居ないって』
「そうなのよ、めったに居ないのよ」
『まずそんな子と知り合うこと自体レアだよ』
「そうなんだよ、めっちゃレア。 “関サバ”くらいレア」
『...“セキサバ”?』
「そう、関サバくらいレアだよね」
『え、関サバってなに?』
「大分県大分市にある佐賀関っていう地域でしか獲れないブランドサバだね」
『...それがレアなの?』
「すっごいレアだよ。普通のサバの相場が一尾200円とかなんだけど、関サバは一尾2,000円とか。中には5,000円するのもあったりするんだよ」
『へ、へ~。そうなんだ』
「しかも一尾ずつ一本釣りされてるからキズとかも少なくて」
『あ、関サバの話はもういいからさ、』
「すっごいキレイなんだよ」
『関サバの話やめろって言ってるだろ』
『すっごいキレイなのは女の子の話だよ』
「急に女の子の話になった」
『まあ関サバもキレイなんだけどね』
「知ったこっちゃねえよ。え?出身とかは?この辺の子?」
『瀬戸内海と太平洋の潮の流れがぶつかる海域に生息してて』
「それ関サバだろ」
『荒波に揉まれてる分、身が締まってるってワケ』
「早く女の子のこと教えてよ」
『泳ぐのも上手なんだよね』
「もうサバはいいから」
『元水泳部員なんだって』
「女の子の話だった。話題がシームレスすぎるって」
『身体の色がちょっと金色がかってて』
「また関サバの話してんじゃん」
『脂肪量の季節変化が少ないんだよね』
「あーはいはい。関サバは一年中脂が乗ってるってことね」
『お前、女の子に脂が乗ってるとか言うな!』
「女の子の紹介するときに“脂肪量の季節変化が少ない”とか言う?」
『で、決まった海域を好んで生息してて、回遊性が低いから寄生虫のリスクが低いとも言われていて』
「もうサバはいいからさ、名前とか教えてほしいのよ」
『アニサキスって言うんだけど』
「寄生虫の名前じゃなくて。女の子の名前」
『スイっていう名前だよ、純粋の粋っていう字』
「あ、スイさんっていうのね?今風なカッコイイ名前だなあ」
『昨今は水産業もね、輸入とか頼らざるを得ない状況で』
「スイさんから無理やり関サバの話しようとしてるじゃん」
『あ、そうそうそう、これは絶対ハズせない情報!』
「なに?」
『“関アジ”っていうのもあってさ』
「もういいわ。自分で連絡とって色々はなしたいからさ、その子の連絡先教えてよ」
『え?ホントにその子でいいの?』
「そんなレアな女の子逃すわけにはいかないでしょ」
『その子、身体の色、金色なんだよ?』
「それ関サバの話じゃなかったんかい」