腎臓の代わり『透析膜』。
ばじる🍃です。よろしくおねがいいたします。
今回からは、『 透析 』について、です。
透析の中でも、大きく知識・技術・コミュニケーションにわけて、さまざまな点からまとめていきたいと思います。
それでは早速いきましょう🎵
今回からのテーマは、
透析施行のためのデバイス…透析膜・透析液・穿刺針について、
です。その中から、今回は・・・
🍃透析膜
についてまとめてみます。
透析膜について、もうすでにご存じのあなた。ごめんなさい、スルーしちゃってください🙇。
・・・
透析膜とは。
透析をする上で最もなくてはならないものです。
ダイアライザーといわれているものです。
透析膜には、さまざまな種類のもの、さまざまな大きさのものがあります。
ここでは主に、中空糸膜のことについてまとめていきます。
まず、透析膜に求められるものとしては、以下にあげることが言われております。
💛透析膜に求められるもの
❤高い溶質透過性
❤高い透水性
❤高い機械的強度
❤生体適合性
・・・と、一般的にいわれております。確かに、より溶質の透過が良いものが良いですし、よく水をとおすものが良いですし、強度だって、丈夫なものが良い。そして、身体にやさしいものが良いですよね。
次に機能分類についてです。
💛機能分類について。
β2-MGのクリアランスとアルブミンのふるい係数によって、主にⅠa、Ⅰb、Ⅱa、Ⅱb、そしてS型といったものに分けられます。
Ⅰ型とⅡ型の違いは、β2-MGのクリアランスで決まります。その境は70ml/minとされています。さらに、アルブミンのふるい係数の違いで、a型とb型にわけられます。こちらは0.03が境となっています。
そして、もうひとつ。S型とよばれるものがあります。こちらは、生体適合性に優れており、吸着により溶質除去ができる。抗炎症作用、抗酸化作用を持っているものとされております。こちらはPMMA膜とEVAL膜が該当します。
❤Ⅰa
❤Ⅰb
❤Ⅱa
❤Ⅱb
❤S
💛仕様について
まず、透析膜の仕様についておさらいしましょう。まず、中空糸と呼ばれる細い糸状のものが約15000本入っており、その中空糸1本あたりの内径は約200 μm、膜厚もそれぞれですが約10~50 μm程度、有効長は約30㎝のものが多いです。
また、プライミングボリューム(PV)については、こちらも大きさにもよりけりですが、30~160mlほどといわれております。
中空糸はただの筒ではありません。透析をするために、不要なものは除去し、必要なものは取り込めるように、小さな穴があいています。その穴は、ポアといわれており、ポアサイズは大きければ大きいほど、さまざまな物質が抜けるは抜けるのですが、その場合は体にとって必要なアルブミンなども抜けすぎてしまうため、患者さん個々によって、適度なサイズのものを選択すると良いとされています。標準的にはだいたい10nm程度とされております。
💛透析膜の種類と素材について。
まず、大きく分けて、合成高分子系膜とトリアセテート系のものにわけられます。
❶合成高分子系膜について。
近年開発されたもので、低分子蛋白の除去に優れているといわれており、補体活性や一過性の白血球減少が軽微であるといわれています。合成高分子系膜の中には、ポリスルホン(PS)・ポリエーテルスルホン(PES)・ポリエステル系ポリマーアロイ(PEPA)・エチレンビニルアルコール共重合体(EVAL)・ポリメチルメタクリレート(PMMA)・ポリアクリロニトリル共重合体(PAN)などがあります。
❤ポリスルホン(PS):おそらく最も多く使われているものかとおもいます。小分子物質から低分子蛋白領域まで、幅広い除去能を有しているとされております。もちろんβ2-MGも。その分アルブミン漏出も多いとされております。
❤ポリエーテルスルホン(PES):名からしてもその特徴は、ほぼPSに近いものがあります。PS膜に比べ、血小板の変動や補体活性が少ないとされておりますが、アルブミン漏出はPS膜同様、多いとされています。
❤ポリエステル系ポリマーアロイ(PEPA):PS膜同様、分子物質から低分子蛋白領域まで、幅広い除去能を有しているとされております。もちろんβ2-MGも。そして、なんとアルブミン漏出は少ないとされています。
❤エチレンビニルアルコール共重合体(EVAL):こちらの膜は、とにかく抗血栓性に強い膜といわれております。抗凝固剤の調整をしたいときに仕様するといいといわれております。
❤ポリメチルメタクリレート(PMMA):とにかく生体適合性に優れ、炎症性サイトカインの除去に優れる膜といわれております。
❤ポリアクリロニトリル共重合体(PAN):パン膜、と呼ばれているものです、こちらの膜は透析中の白血球一過性減少が抑えられたり、補体活性が少なく生体適合性に優れているといわれております。ただし、ACE阻害薬仕様中にこの膜を使用するとショックを起こすとされています。ナファモスタットは膜に吸着されます。
❷セルロース系膜について。
大別して、再生セルロース(RC)といわれているものと、セルローストリアセテート(CTA)に分けられます。
❤セルロース系:小分子物質の除去に優れているとされていますが、低分子蛋白領域の除去にはちょっと劣るものがあります。生体適合性の面では保体活性作用が強く、白血球減少の作用もあり現在ではほとんど製造されていません。
❤セルローストリアセテート:上記再生セルロースを改善したもので、抗血栓性には優れますが、低分子蛋白の除去には少し劣ってしまうとされています。
💛白血球一過性現象とは。
よく、セルロース系膜使用では、治療開始から15分ほどすると、白血球の一過性現象がおこる。。。と聞かれたことはありませんか?
このとき、どのようなことがおこっているのでしょう。
末梢血中の白血球数が、急激に減少を示すものです。
透析膜は生体にとっては異物ですので、その透析膜と接触することで、さまざまな生体反応が起きます。その中で、白血球が活性化されることで、生体内の血管に入っていきます。ほかにもさまざまなことが起こっているらしく、奥深いことが生体内で起きているとのことです、、、
これらのことで補体活性作用が増強され、活性酵素が産生されやすい状態となり、酸素飽和度の低下ももたらしてしまうこともあるとか。。。
今回は、透析膜についてざっとまとめてみました。
透析膜ひとつとってもとても奥深く、こうやってまとめてみると、改めていろいろと勉強になります。
透析膜の種類だけではなく、生体適合性や身体の中での反応についてなど・・・ほんとに幅広いですね。
さて、次は透析液についてまとめてみようと思います。
次回もよろしくお願いいたします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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