ベクタ形式とラスタ形式
ベクタ形式は図形の組み合わせで印象をかたどってくれる.
ラスタ形式はピクセルの集合体で印象をかたどってくれる.
ベクタ形式は意図のかたまりでラフタッチを許してくれなくて意識の上で成り立っている.ラスタ形式はペンタブレットで描くときとか無意識なラフタッチでもピクセルの範疇で許してくれる.
もしベクタによるラスタの表現が技術的にできるようになればどうなるだろうと考える.
均一な工業製品をピクセルで置き換える.
例えば写真.
写真で工業製品を撮ってみる.
工業製品の素材はどの部分も均一なはず.
あたっている光も一様なはず.
だったらピクセルは同じ16進数のカラーを拾ってくるはず.せめて隣接するピクセルくらいは.でも写真というピクセル補完機は同じカラーを拾ってこず,アトムの再現を目論んでわずかにずらしてくる.
これがラスタ形式の特徴でベクタ形式の諸刃部分だと思う.
濃淡の表現をベクタ形式でしようと思うとグラデーションツールになって変化が均一になってしまう.そこをたくさんのグラデーションをかけて均一にみせないようにする努力をしないといけない.そう思うとひとの分解能を誤魔化すためのランダム性は異常に要求されることになる.
(下図は黒のグラデーション)
僕はベクタ形式で最大限のラスタ形式を再現をしてみたいと考えている.あくまでそれは技術部分の話でみるときには印象としてパッケージされるけど,まだ知らない表現と見方がそこにあると思うから.
上図はベクタ形式でカメラを作ってみたけどまだまだだなって思う.
現実のものの光が回り込んだり吸ったりしている複雑なさまが見劣りでわかる.
それでもピクセルまでのエントロピーをベクタで拾ってみたいなってぼんやーり考える.
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のらりくるりと芸術大学中退. 1998年製.
空気を画素におとしこもうと風景をパシャり.二次元(平面)と三次元(立体)の次元間の往来を主題に作品を制作しています.また言語バイアスによる対象からの各個人の情緒レンダリングを試行しております.