
「勝てる手法」はないという真実
有料で手法を販売しておきながら、こんなことを言うのはいったいなんだという話なんですが、最後までお読みいただければご理解いただけると思います。
私の教材や電子書籍を購入された方からは、次のような感想をいただくことがあります。
「なんと今日全勝でした!びっくりです!」
「勝率85%を達成しました!」
「ちょっと調子が悪かったですが、60%でなんとか勝ち越しです。」
こういった嬉しい報告はありがたいものですが、当然ながら負け越して「だめだこりゃ」と思った方も中にはいらっしゃるはずです。ただ、そうした方は、無料の記事や教材の中でその理由を詳しく説明しているにもかかわらず、おそらく私に連絡をいただくことはないでしょう。
このように、「勝つ確率が高い手法」を理解できても必ず勝てるわけではありません。それでは「手法」には意味がないのかというと、そうではありません。手法はあくまでも「自分の中の基準」を作るための道具です。
手法には必ず、「その手法が向いている相場の状態」があります。例えば私の手法は、それなりに振り幅のあるレンジや緩やかに一方に動くトレンドにはめっぽう強く(その場面でトレードされる場合は高い勝率報告がいただけていると思います)、振り幅の少ないレンジや極端に角度をつけて一方に動くトレンドには弱いです。
そういう向き不向きを別にしても、手法は、全くのアナーキーな世界であるチャートの中で、一つの基準を作ってくれます。
「結局、手法ではない」という事実
私自身、独学で相場と向き合ってきました。「独学」といっても、決まった師匠がいないということで、様々な方の教材等で学習してきました。これまでに購入した教材は数百個、数十万の高額塾にも参加し、さらには個別コンサルを受けるなど、あらゆる学びの機会を取り入れてきました。その過程で、多くの「偽物」にも出会いましたが、本当に勝っている人たちの姿を目にする機会もありました。
彼らの姿を見ていてわかったのは、結局「手法ではない」という衝撃的な事実です。勝ち続けている人たちは、「手法なんてなんでもいい」という共通点を持っているのです。
たとえば、個別コンサルでリアルタイムに相場を見せてくれたトレーダーたちは、こんな場面を何度も見せてくれました。
「え?そこで入るの?あなたが教えてくれたエントリーポイントと違いますけど」
そのことを指摘したとき、返ってきた答えはどの方も同じでした。
「手法は手法ですけど、チャートの動きは一瞬一瞬生き物のように変わるので、感覚で行けると思ったら入ります。」
この説明は、初心者にとっては到底納得できるものではありませんでした。しかし、これこそが相場の本質でもあります。最終的には、言葉で説明することが難しい領域なのです。
手法はあくまでも「考え方の基準となるツール」であり、「手法通りにトレードし続ける」ことはリアルタイムのチャートでは非常に高い難易度を伴います。
手法を入り口に、相場の感覚を磨く

私はこれまで、ありとあらゆる手法を学び、それらを検証してきました。そのうえで、最も基準にしやすく、かつ本当に勝てるようになるための実力を養えるチャートの見方をまとめたものが、私の有料記事です。
手法を学ぶだけで勝てるようになるのは難しいかもしれません。しかし、手法を「入り口」として相場の感覚を磨いていくことで、いずれ「あ、これだ」という気づきを得られる瞬間が訪れるのです。
手法は万能な答えではありません。
しかし、手法を学び、それを通じて自分の基準や相場感覚を磨いていくことが、トレードで成功するための第一歩です。
そして、どんな状況でも諦めずに取り組み続けることこそが、相場の世界で勝ち続けるための唯一の秘訣だと私は考えています。
相場は一瞬一瞬、生き物のように変わります。だからこそ、手法を基準にしつつ、柔軟に対応する力を身につけていくことが大切です。
相場で勝ち続けることができる、相場人口の1割弱の勝ち組に入れるかどうかはすべてそこに集約すると思うのです。