孤独の『バーフバリ 王の凱旋』〜初めての絶叫上映〜

最強のインド映画『バーフバリ』の絶叫上映がスゴいというので行ってきた。あらゆる媒体で『バーフバリ』を視聴してきたが劇場は初めて。今回激戦を勝ち抜きなんとかチケットを手に入れることができた。シヴァ神に誓った甲斐があった。

 

きたる3月19日。朝、闘志を高めるためにサントラを脳に注入。エンドルフィン、アドレナリン、ドーパミンを大量放出させる。そして映画本編を鑑賞。う〜んエクセレント。何回観ても同じところで笑うし涙するんだよな。映画を2回鑑賞しいざ出撃。

 

まずは山手線で新宿へGO。上映時間が20時20分からというのに15時に着いてしまいました。早とちりにもほどがある。これにはアマレンドラも苦笑い。

 

特になにをすることもなく新宿界隈を彷徨っていたが、その間ずっとサントラを聞いていた。闘志を絶やしてはいけないので。

 

18時に友人と食事をする約束していたので店へGO。もちろんインド料理。もともと1人で食事をする予定だったのが、急遽友人が日本にきたので無理やり誘った。新宿にある「グランドダージリン」だ。ここで闘志を摂取。

壮大なダージリン……。いいセンスだ。

こんな顔の人、EXILEにいた気がする。

 

さて店に入るとさっそくマサラの香りがする。さすがはインド料理屋。こうこなくっちゃ。インドには行ったことがないけれどインドにいる気分。デリーあたりかな。店内にデカいモニターがあって普通に日本のテレビ番組を流していた。そこはインドの映画とかじゃないんかい。

 

メニューをざっとみると聞いたことのあるインド料理がずらり。カレー、ナン、シークカバブ、タンドリーチキン、チキンティッカ、etc……。残念ながら『バーフバリ』の主役を演じたプラバースさんが好きだというビリヤニはなかった。

 

ラッシー(380円)、マトンマサラ(1300円)、チーズナン(580円)を注文。料理が出来上がるまで友人にバーフバリを伝授。猛烈に推した。ただ貧弱な表現力ゆえに「マジで最高だから」の連呼。だって最高なんだもん。

 

しばらくしたら料理がやってきた。注文してからすぐきたので嬉しい。

ラッシー。ヨーグルトと牛乳をミックスさせたもの。飲むヨーグルトはもっと甘くした飲み物。甘いものは大好きなのでめっちゃおいしい。おいしすぎてあまり飲みたくなかった。惜しいから。

マトンマサラ。マトンの野獣臭が好物。そんな好物のマトンがゴロゴロ入っていて、これはもうパラダイス! バランスも良くてナンやライスがなくてもたくさん食べれちゃう。う〜んデリシャス。

 チーズナン。ナンの中でもチーズナンが一番好き。インド料理屋さんはサービス精神旺盛でチーズがたっぷり入っていて良い。ここのお店もチーズたっぷり。もちろんおいしいっす。

 

店を後にして友人と解散したところでいよいよ劇場へ。場所は新宿ピカデリー。雨がしとしと降っていて良い気分。雷が鳴っていればもっとエモーショナルになっていたことだろう。

映画館のロビーを見て吃驚仰天。歴戦とも言うべき観客で溢れていた。コスプレにオリジナルグッズに団扇にペンライト……! そんな私はグッズなどなにも持っていない。裸一貫。

「これはコンサートではないかッ!」

コンサート的催しは2015年にアイドルマスターの10周年ライブに行ったきりだ。その時は運良くアリーナ席だった。憧れの声優さんが目の前にいて気が気でなく意識を失いそうだった。私は言葉を発することなく地蔵を決め込み、声優さんを見上げひたすら「すげえなあ」と感心していた。それぐらいの感想しか出ないくらい圧巻だった。


さて今回上映が行われたのは新宿ピカデリーの中でも一番大きいシアター1。すわ、女性が非常に多く四方八方女性で埋め尽くされており、しかも手の込んだ自作グッズを手にしている人が多い印象。男かつ裸一貫の私は戦々恐々としてしまった。女性は強い。

 

さて運営様から色々な説明を受けて上映へ。もちろん上映中は撮影禁止なので以下は全て文章。ネタバレを多く含む。




上映が始まり配給会社の「TWIN」が出て「お、始まった始まった」と思いきや「ありがとー!」の歓声。思わず「マジか」と呟いた。この感じ、2015年のアイマスライブと一緒だ。あの時もライブの主催にみんな感謝していたな。感慨に耽った。

「俺が求めていたのはこれよ!」

私の直感が叫んだ。綺麗に光るペンライトはまるで蛍の光のようで美しい。しかし蛍のように儚いのではなく力強い。ペンライトの集合体のパワーたるや聳え立つ山をも軽々と持ち上げそうだ。それでいて推しキャラ(好きなキャラ)になると各々が握っているペンライトの色が変わる! これには度肝を抜かされた。観るだけでも精一杯な私なのに歴戦の方々の機動力たるやラーマ神のよう。私はシヴァガミのように目を皿にするしかなかった。

 

さて最初の悪魔祓いのシーン。象が人を吹っ飛ばしたかと思えば今度はアマレンドラが象を吹っ飛ばしてターメリックまみれにするところから大歓声。続いて流れる『サホレ バーフバリ』でタンバリンの嵐。良い。

 

アマレンドラがデーヴァセーナに惚れるところで「whooooooooooo!!!!!!」の喝采。流石のアマレンドラも思わず口元が緩んでいた。甘美甘美。

 

それからピンダリが襲ってきて1人で対処していたデーヴァセーナのもとに颯爽と現れたアマレンドラが、大量に矢を消費するも全く減らない無限弓矢に1人で爆笑。

 

ピンダリを退治したあとにやってくる伝書鳩のような鳥、あれが鷹だったと知る。鳴き声で気づけよって話なんだが。十数回『バーフバリ』を観てようやく知った。

 

そして戴冠式。アマレンドラを称えるところは満場一致で万歳コール。バラーラデーヴァもニヤつくしか術がないッ! 狼狽えるビッジャラデーヴァにシヴァガミ。民衆の歓声に毅然としているアマレンドラ。全てが黄金比すぎて悶えますわ。

 

最高潮はまだ続く。デーヴァセーナがシヴァ寺院へと参詣しようとしていると、小悪党セートゥパティが女性の体を撫で回しているではないかッ! 激怒したデーヴァセーナはセートゥパティの指を切り落とす。これには否応なく拍手の雨あられ。

 

まあそんなことをしたので当然デーヴァセーナは裁判にかけられてしまう。絶体絶命のデーヴァセーナのもとに現れたアマレンドラ。アマレンドラはデーヴァセーナから真実を聞き出す。そして小悪党セートゥパティの首を切り落とす。劇場内はこれでもかと大歓声で沸いた。思えば人が殺されてここまで盛り上がったのは、アメリカ人がビンラディン暗殺知ったときぐらいじゃないか。

 

宮殿を追放されたアマレンドラとデーヴァセーナ。それでも民から愛され、出産の祝いが行われるなか、クマラは短剣を持った怪しい男を目撃する。その怪しい男を追跡したところ衝撃の事実を知る。バラーラデーヴァがアマレンドラの暗殺を企てているではないかッ! ビッジャラデーヴァの言うことをうんうんと聞くクマラ。およよ、まさかあんなことになるなんて……。

 

クマラとビッジャラデーヴァは結託してバラーラデーヴァの寝首を掻こうとするも、これが罠だった! 「クマラ!今度は勝てよ!」という応援が劇場から木霊する。しかし応援虚しくクマラは切り捨てられてしまう。沈黙する劇場。遣る瀬なさが方々から漏れ出る。

 

沈黙の連続。シヴァガミからアマレンドラ暗殺の命を受けたカッタッパ。「カッタッパが処刑される」という報を聞いたアマレンドラはカッタッパの元に赴き救出するもカーラケーヤの襲撃に遭う。ひょっこり出てきやがって全滅したんじゃねえのか。

 

重傷を負いつつもなんとかカーラケーヤを退治したアマレンドラだが、ここでカッタッパに背中から刺され死亡する。やはり何度観てもこのシーンは泣く。もはやタンバリンもペンライトも姿を消し劇場は喪に服していた。

 

これらの話をカッタッパから聞いたマヘンドラ(シヴドゥ)は怒った怒った。母の御前にてバラーラデーヴァを業火に焼くことを決意。しかしトンデモ戦車でバッサバッサと敵兵を殺めていくバラーラデーヴァは余裕でデーヴァセーナを連れ去る。

 

激怒のマヘンドラ。怒りで行動しようとしたところカッタッパの諫言で我に帰る。名シーンであるヤシの木作戦のところは当然盛り上がった。あのシーンはどの映画にもないので絶対に観てほしい。もう何度見ても感服ですわ。

 

マヒシュマティ王国の本丸に攻め込んだマヘンドラ。ついにバラーラデーヴァと一騎打ち。両者譲らない手に汗握る展開に劇場は大興奮。熱気ムンムン。

 

ラストは完膚なきまでにボコボコにされたバラーラデーヴァが挙げ句の果てに剣でぶっ刺され業火に焼かれ死亡。マヘンドラがマヒシュマティ王国の王になって物語は集結。大勢の拍手で上映は終了した。




時はあっという間に過ぎ去っていた。2時間20分という時間は塵に等しかった。終始大興奮。自宅で十数回観ても1回の絶叫上映には敵わない。それだけ絶叫上映は特別な催しなのだ。安易な追随を許さない絶対的な存在。そんな催しに参加できただけでも大変ありがたい。もうね、好きなキャラクターが登場しただけで「ウヒョー!」って気分になるのよ。これは1人でこじんまり鑑賞していると味わえない感覚だ。

 

私が好きなキャラクターは、クマラ・ヴァルマ。「愚かな小心者とて必ずや勇者になれる」という助言を得て覚醒したクマラの姿がもうね、カッコいい。クマラ特有の豊かな表情もGOOD。なおクマラは吹き替え版のセリフ回しが秀逸なので、吹き替え版もおすすめ。

 

この映画は、とにかく「最高」なのでぜひ観てほしい。できれば劇場が最上だが、媒体は問わない。違法視聴さえしなければスマホでもタブレットでもPCでもTVでなんでもよい。このエントリーを見たあなたが1日でも早くマヒシュマティ王国民になることを願う。

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