『バーフバリ』をまだ観ていない人へ

まず、『バーフバリ』を評することは難しい。なぜなら「最高」以外の言葉が見つからないからである。そしてこの映画についてあれこれと尋ねられても答えられることは「とにかく観ろ」しかない。この映画を観るにあたって余計な御託はいらない。本能が刺激されたらすぐに観るべき映画なのだ。

それでも一歩踏み出せない人の役に立てればいいと思いこのエントリーを書く。

『バーフバリ』とはインドの叙事詩的映画。ストーリは単純。英雄がバッサバッサと敵をなぎ倒し暴君を退治する話。猛烈な音楽、勇猛果敢な英雄、極悪な暴君、これらの要素がミックスされ至高の作品となっている。

全ての感覚器を虜にする演出に「最高」以外の言葉は浮かばない。高まる鼓動に血湧き肉躍る。これほどまでダイレクトに魂を響かせる映画を挙げることはできるだろうか。この映画に詰まっているものを列挙することは不可能。なぜならこの世の「全て」が詰まっているからである。

ネットの評判に臆する人もいるかもしれない。どのサイト、SNSを覗いても高評価ばかり……。私も最初は躊躇した。「どうせネタにして盛り上がっているだけだろう」とか「踊り狂ってる演出を笑い物にしてるだけだろう」とか。第一印象は決して良いものではなかった。

そんな私がなぜ『バーフバリ』を観ることになったのか。これには理由など存在しない。「とにかく本能が求めたから」としか言えない。気づけば購入し観ていたのだ。そして涙を流した。この映画を疑っていた時の私をシバきたい。なんと素晴らしい映画なのか。バーフバリを前にしたら今まで見聞きしてきたどんな甘美なものも薄らいだ。

おそらくこのエントリーを読んでいる人は「どういうストーリーなのか」とか「どういうところが凄いのか」とか「なにが面白いのか」ということを聞きたいのだろう。しかしそれらの問いは野暮にすぎない。過剰な事前情報ありきで『バーフバリ』を観てはいけない。知っておいて良い情報は「最高」のみ。本能が刺激されたと思ったら即視聴すべきだ。それはDVDでもBlu-rayでも劇場でも、媒体は問わない。この映画を観たとき、全てを知ることになるだろう。頭に降ってきたものが「正解」だ。決して気楽に観ていい映画ではないので覚悟をするように。

それにしても主役のプラバースと悪役のラーナー・ダッグバーティ。彼らの一瞬たりとも油断のない演技。CGを多用したアクション映画にはどうしても俳優が浮き出ているような薄っぺらさが垣間みえてしまう。しかし彼らはその違和感を無くし、演技に全く甘さがない完璧な役を熟した。精一杯の拍手を送りたい。

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