『宇津保物語』休憩時間に読む古典対策策!大人の方は珈琲ブレイクのながら学び直しにご活用ください☕
『宇津保物語』休憩時間に読む古典対策!
🌟🌟🌟🌟🌟
🦉🌳「物語文は、あらすじをしっておくことが読み解きの大きなヒントになりますぞ。
とくに王朝期の文体は、とても長いうえに省略も多いことから難解になることもあります。
宇津保物語は、『芸術の永遠性』をテーマとしていると言われており、幻想的です。
しかし同時に
写実的でもあります。
世界最古の長編小説は『源氏物語』と言われていますが、
宇津保物語が実はそれより少し前で、
こちらこそが最古です。
紫式部も読んでいたことが知られています。
写実的な描写は、宇津保物語の影響でしょう。
同世代ですからね、
清少納言も読んでいたことが知られています。
「仲忠がいいわよね」
「わたしは源涼の方が素敵だと思うわ」
など語り合っていたそうです。
枕草子にもどちらの殿方派か語り合う場面があります。
因みに清少納言は仲忠派。
あらすじはまるで少女漫画やらドラマのそれです」
宇津保物語のあらすじです。
漫画から入って原文挑戦もよきかな~。
🌟🌟🌟🌟🌟
<登場人物>
●主人公:藤原仲忠(ふじわらのなかただ)
母と北山の大杉の空洞に住んでいる
●登場人物⓵清原俊蔭(きよはらのとしかげ)
主人公のおじいちゃん。
遣唐使となるも遭難し、ペルシャ(波斯国)に到着。そこで、秘琴と秘琴の技を授かり、
帰国後主人公の母となる娘に伝授して死去。
● 登場人物⓶藤原兼雅(ふじわらかねまさ)
幼少名は、若小君(わかこぎみ)。
俊蔭の娘と恋をし、主人公の仲忠の生みの父となる。
●登場人物⓷貴宮(あてみや)
多くの求婚者がいたかぐや姫のような存在。
●登場人物④源涼(みなもとのすずし)
主人公の好敵手で、涼も名琴を持っている。
🌟🌟🌟🌟🌟
時は、平安王朝期、
清原俊蔭は、王族出身の秀才であり、
若くして遣唐使の一人となりました。
しかし難航、
幸いにも陸に漂着したものの、
そこは唐の国ではなく波斯(はし)国。
そこで、俊蔭は琴の秘琴と秘曲の伝授を受けて23年越しに帰国。
娘に琴を伝授します。
娘は、藤原兼雅と恋におち主人公である仲忠を生むも兼雅に子ができていることを認知されないまま、
貧しさから北山の空洞で主人公である息子に琴を伝授して過ごします。仲忠の孝養とそれに感じ入った猿が援助してどうにか命をつないでいました。
やがて、藤原兼雅の認知するところとなりひきとられて貴人としての生活がはじまります。
🌟🌟🌟🌟🌟
さて、
主人公の仲忠がお年頃になったころに現れたのは、
当時のかぐや姫的存在の貴宮。
左大臣源正頼の娘であり、身分も高けりゃ美しく、まさに貴な女性。
当然求婚者が殺到しました。
主人公の仲忠もそのうちのひとりです。
源涼とは、恋だけではなく琴の引手としても良きライバルであり、
当時の天皇など高い身分の人たちの前で腕を披露し競い合いもしました。
神泉苑(しんせんえん)の紅葉賀(もみじのが)の際には、琴を競演し、
天人が舞い降りると言う奇瑞を巻き起こします🎶
そこで帝は禄として源涼にあて宮を、
仲忠に女一宮を与える宣旨(せんじ)を下しましたが、
結局、
あて宮は父の正頼のはからいにより東宮妃に迎えられます。
🌟
あて宮は寵愛を受け(よかったよかった)、
東宮が即位すると、
”藤壺”となり2人の子を産みますが、
皇位継承闘争の心労をおうこととなります
(結果はあて宮の勝利)
仲忠はというと、
ペルシアに漂着したおじいちゃん俊蔭の旧邸跡に新築した豪邸楼上に籠り、
娘である犬宮ちゃんに琴を伝授し、
以降、
音楽一家として繁栄していきますのでござんすよーかん(完)チャンチャン
🌟🌟🌟🌟🌟
源氏物語のあて宮は藤壺さんを連想されるかもしれませんが、
玉鬘のモデルではないかとも言われています。