馬楽の時間 108

馬術部物語
 2023年、今、ミューゼラーを読んでみた。最初の数行で嫌になる。読みにくい。50年以上前、良く読んだものだ。我ながら感心する。
 意味が分かろうが分かるまいが、とにかく通読すると決めた。途中で止まらない。止まって考えたってどうせ分からない。まだ馬歴は1年。外国語を辞書なしで読むようなものだ。
 3か月はかかったと思う。まず1回通読した。中身は分からないが通読したことは事実。3か月間乗馬練習もしていた。2年生の初夏を迎えようとしていた。
 学生運動はますます盛んだったんだろうが覚えていない。授業もあったのかなかったのか。
 2回目のミューゼラー。1回目と何かが違う。文章が気になる。
 pー3 1.騎手は如何にして姿勢をならうか?
 練習ではほとんど姿勢の注意終始する。「拳を下げろ」「体を起こせ」「脚を引け」「下を見るな」 おまけに「脚を使え」「腹を蹴れ」
 ところがミューゼラーは、「教官が騎手に型にはまった姿勢をとるように仕向けるのは間違いだ」と言っている。そして次の3つが重要だと。
1.凝ることなく自由に馬上にあること
2.ただ平衡のみによって鞍上の坐すること
3.人馬一体の運動を会得していること
 よくわからないが、どうも大学でやっていることは間違っているかも知れないと、疑問を持ち始めた。ミューゼラーが急に親しくなりだした。
 あらゆる面で自我の目覚めが始まる兆し。二十歳も越えてやっとだ。
 

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