馬楽の時間 22

推進について
 例えば、障害を飛んでくれるのは前進気勢があるからです。スムーズに飛べたら、ちょうどいい前進姿勢だったと考えましょう。騎手が何もしなくとも、助走、飛越態勢、着地がうまくできたなら、理想的な推進だったと言うことです。障害練習のとき、助走で「追うな」と言うと、学生がびっくりしました。「何故追わないのですか?」。馬が飛ぼうとして向かっているのだから余計なことはしない方がいい。馬は見事に飛越しました。
「何もしない」に秘密がありそうです。きっと柔らかく付いていったのでしょう。馬は障害に集中できた。騎手と馬とが互いに信頼しあっていた。これが一番強い推進ですね。ただし助走で前進気勢が足りないと感じたら追います。その過不足を感じ判断するための練習です。

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