馬楽の時間 87

 大学の2頭も丁寧にやってあげました。ハミを嫌わなくなりました。
 ここまでは常歩。
 さて速歩をしてみましょう。注意点は追わないこと。ハミを嫌ってイライラしていた馬は、ほとんどが勝手に前へ行きます。前へ出ているのに推進する必要はありません。何故?前へ出ているからです。
 ここでほとんどの騎手は「えっ?」となるようです。馬に乗って以来何年も「推進、推進」と言われていたのに、追うなと言われてもと言う顔です。
 推進は何のためにするのですか?前へ出すため。そうでしょう。だから前へ出ている馬は推進されていると考えます。一律に脚を使ってと考えるのは間違いです。必要な時必要なだけ使うのです。
 速歩しますよ。常歩に落ちないように気を付けます。出来るだけゆっくり。そして神のこぶし。口に柔らかく触り続けます。馬には興奮しなきゃならない理由がありません。追われてないし歩度もゆっくり。バランスを保つのが難しいですね。自転車もゆっくり走る方が難しい。ある程度スピードが出ている方がバランスを保ちやすいでしょう。同じです。
 細心の注意をはらってゆっくり。ゆっくりだから口を引かなきゃならない理由もない。馬は口を引かれないので、苦痛がなく安心しリラックスする。
と言うことは頭頸を高くする理由もない。頭頸を下げ、柔らかいハミ受け。体を固くする理由もない。どんどん体が解れ大きく動く準備が出来ました。ここでちょっと追ってあげると、待ってましたとばかりに動き出します。
 可動域を広げてあげると、全身を使い、柔らかく強い筋肉になります。

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