馬楽の時間 69

寄り道6 母校での指導
 一夜明けて。馬場状態はいくらか改善。学生さんの目に期待感。
「今日は障害姿勢をやります」
「馬場運動の時、鐙がうまく踏めなくて鐙がなくてもいいと思いませんか?」。鐙が無くても乗れる。でも馬術の長い歴史の中で鐙を取ってしまわなかった。それは何故?本に書きました。
「障害では鐙を短くしますが、何故?」。言葉にすると考え方が明確になります。また後輩たちへ伝えられます。障害飛越の動きは激しく、鞍に尻を付けておくのは得策ではない。鐙を短くしバランスを保ちやすくする。大昔は長かったが、イタリー式と言って、鐙を短くし大きな成果が得られた。競馬でも短い鐙で深く前傾して乗るジョッキーが現れ、猿みたいだと馬鹿にしていたが、誰もかなわなくなった。モンキー乗りの始まり。もっといいやり方がないかと研究することだ。
「馬場鐙から何穴つめる?」「2穴です」「私は4穴だった」
 昨日の練習が馬場運動だったとしたら、私には短く見えた。鐙が短いと下半身のリラックスは望めない。本に書きました。
 障害姿勢の説明はまだつづく。しっかりした理論を分かった上で乗った方が上手になれる。だから自分で勉強すべきだ。教えてくれるのを待っているだけじゃ何時までたっても上手にならないし、自分の馬術が出来ない。
 私は学生時代ミューゼラー著「乗馬教本」をまるまる暗記した。何処に何が書いてあるか全部分かった。ミューゼラーを根本に技術を追求し指導してきた。根っこがしっかりしていると他の考え方も受け入れられる。大嫌いな人にも頭を下げて教えてもらった。今は三木田オリジナルが多くなった。


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