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「かげろう」「荒野ロイヤル」の強さから学ぶ「暗黒降誕」+「ウマ娘」環境の上位デッキに求められる条件

関東圏で「シャドウバースエボルヴ」をプレイしているばっふぁろんと申します。今回がnoteでの初めての投稿となります。
今回は第12弾カードパック「黒鉄の侵略者」環境の大型大会GrandChampionShip千葉(※以降GCS千葉)が開催され第13弾カードパック「暗黒降誕」の発売まで期間が空いてしまったため、「黒鉄の侵略者」環境の中心デッキだった「かげろう」「荒野ロイヤル」についてGCS千葉の結果とそれぞれのデッキの特徴を振り返ることで、来月発売の「暗黒降誕」さらにその翌月にリリースされるコラボパック「出走ウマ娘」が舞台となる1月18日開催の「GP京都」環境での上位デッキに求められる条件を考えること目的とした記事になります。

※今回の記事は筆者の主観的な意見が多く含まれる内容になっております。ご了承いただける方のみ拝読いただければと思います。

※だらだら記事を書いていたら、2024年12月5日の公式の告知により「リザードランナー アンドゥー」の禁止が発表されました。今回の記事の内容には一部関わる内容があり没にしようかと思いましたがせっかくある程度の期間をもって記事を作成いたしましたのでこのまま投稿しますので軽い追悼式感覚でご覧いただければと思います。


1.GrandChampionShip千葉の振り返り

2024年10月18日第12弾カードパック「黒鉄の侵略者」が発売され、第7弾カードパック「森羅鋼鉄」にて登場した「機械」「自然」タイプのデッキが大幅な強化を受けることになりました。
「森羅鋼鉄」環境で登場したアーキタイプは人気も高かったため、発売日当初は多くのプレイヤーが強化された様々な「機械」「自然」デッキで大会に参加し結果を残しました。

「鋼鉄と大地の神」による安定感の向上と
「紅のワルツ」による上振れを獲得した機械ナイトメア
「波濤のプレシオサウルス」により明確なキルターンの
確立に成功した「自然ドラゴン」

しかし発売から日にちが経過し「機械」「自然」をテーマとするデッキは徐々にCS大会等での入賞数を減らし、コラボパック「カードファイトヴァンガード」で登場後、今日まで環境の王として君臨している「かげろう」と第11弾カードパック「宿命の弾丸」から新しく登場した「荒野ロイヤル」がCS入賞数を増やし「宿命の弾丸」環境と同じような環境に戻ることになりました。
(関西では「荒野ロイヤル」とほぼ同数で「自然スパルタクスロイヤル」も流行していたため地域によってはその限りではないと思っています)

前環境と類似した環境が続いた中「黒鉄の侵略者」発売から約1か月後、今環境の大型大会であるGCS千葉は3人チーム戦で開催されました。

Shadowvers公式Youtubeチャンネル「Shadowverse EVOLVE Channel」より拝借しました。
上位にすすむにつれ「ヴァンガード」「ロイヤル」の使用率はより密度の濃い結果に

開催後に公式より発表されたチーム内クラス使用率はカードファイトヴァンガードが84.0% (TOP32 93.8%) 、ロイヤルが使用率68.6% (TOP32 81.3%) という結果になりロイヤルのアーキタイプは異なれど多くのチームが「かげろう」「ロイヤル」を持ち込む結果となり、「機械」「自然」強化で影響をうけた「ナイトメア」「ドラゴン」などのクラスの使用率は3位~5位、さらにその使用率の差は2位のロイヤルから40%もかけ離れる結果となりました。

2.何故「かげろう」と「荒野ロイヤル」は人気だったのか

では今回の新弾で強化された「機械」「自然」テーマ、前弾から引き続き活躍しているテーマを差し置き何故「かげろう」「荒野ロイヤル」が人気だったのでしょうか。私は両デッキに持っている共通の強みに対して他のデッキが対策しきれないことにあると思います。

(1)両デッキの強さの共通点

「かげろう」と「荒野ロイヤル」は両デッキともにビートダウンデッキではあるものの特徴は異なります。しかし「序盤の壊し能力」は両デッキ共に他デッキと比較しても高いと思っています
その強さを構成する要素は大きく分けて2つです。

①「スタッツ上昇の容易さ」によるコスト無視した盤面形成
②(①)に追い打ちをかけるパワーカードの豊富さ

今回の記事では①と②を構成する要素を両デッキ毎にもう少し深掘りしていきます。

かげろうの「序盤の壊し」を構成する要素

①「リザードランナー•アンドゥー」によるマナを無視したスタッツ上昇

このカードの登場でエボルヴのゲームバランスのネジは一つ外れました。
12月5日に発表された制限改定により無事ネジが取り付け直されました。
ゲーム開始時から使用できる条件もコストも必要のない+1/+1のスタッツ上昇は「カードファイト!ヴァンガード」リリース以前では想定出来なかった1コスト3/3フォロワーなどの高スタッツフォロワーを最序盤から押し付けることを可能にしました。
このカードの最大の長所は発動に条件のないの自由度の高さにあり対面の行動に合わせた効果使用で突破不可能な盤面を押し付け一方的なゲームを作ることができます。

②「バーサーク ドラゴン」「ドラゴンナイト アリフ」(勝利の化身 アリフ)による柔軟性の高さ

かげろうは序盤の除去を1枚で完結させてしまう「バーサーク・ドラゴン」や強力な踏み倒し能力を持ち序盤の展開を担う「ドラゴンナイト アリフ」等、序盤のあらゆる展開にも対応が可能なドライブフォロワーが充実しており、この2種を含めた全てのかげろうフォロワーをサーチすることの出来る「従者レアス」の存在がかげろうの立ち回りをより柔軟にしています。
特に踏み倒すコスト量が異常かつ自動進化能力で進化フォロワーまでアクティブ状態でプレイ出来る「ドラゴンナイト・アリフ」は序盤を壊す性能としては破格であり、上述した「リザードランナー・アンドゥー」の相手を後手に回らせる性能にさらに追い打ちをかけ序盤の優位性に一層拍車をかけることになりました。

荒野ロイヤル「序盤の壊し」を構成する要素

①「ラディカルガンスリンガー」、「アウトローガンナー」などの序盤の盤面、ライフレースを共に優位にするオーバースペックな乗物生成

第11弾「宿命の弾丸」でスタッツ上昇や「突進」「守護」を与える乗物カードを生成する荒野フォロワーが登場しました。その中でもファンファーレで唯一1コストで「従順なる駿馬」を場に置くことができ、盤面の乗り物2つのアクトという緩い条件で盤面、リーダーに2点ダメージを与える効果を持つ「ラディカルガンスリンガー」や破壊されるだけで相手リーダー体力を削る「機動二輪車」生成の「アウトローガンナー」などオーバースペックな乗物生成フォロワーをロイヤルは獲得しました。
特に「ラディカルガンスリンガー」の存在で最序盤から乗物の恩恵を受けやすいことからニュートラルの1コスト荒野フォロワーと相性が良く、「自由なる冒険者」と合わせた最速2ターン目の4/3スタッツを押し付けや、疾走と盤面除去を同時にこなす「レヴィールの無法者」を最速3ターン目から最大バリューで発揮することが出来たりなど、他のデッキとは比較にならない程の速さと強力な攻撃性能を獲得しました。

②「カースドクイーン•ナハトナハト」と「従順なる駿馬」の相性の良さ

「カースドクイーン・ナハト・ナハト」はファンファーレ効果でリソース確保を行いながら、起動効果でフォロワー1体を箱詰めで機能停止にする能力を持ち、場に残り続ける限り一方的なゲームを展開し続ける強力なフォロワーです。
単体のステータスも3/5と高水準ですが自身が荒野フォロワーであるため上述の「ラディカルガンスリンガー」やニュートラルの荒野フォロワーから生成される「従順なる駿馬」によるスタッツ上昇により単体の時よりも強力な押し付け性能を発揮します。

多くある要素のなかで代表的な部分のみを深堀りしていきましたが、特にスタッツ上昇による序盤の押し付けは除去ラインのインフレが遅いエボルヴでは対処が困難であり押し付けられる側は盤面か体力で負債を背負うことになります。
「かげろう」と「荒野ロイヤル」はその序盤の押し付けを条件なしのスタートアミュレット、強力な効果を持った荒野フォロワーのおまけで実現し、それにより発生した理不尽と追い打ち適性の高いパワーカード群を的確に対処することのできるデッキは現状少なく、他デッキより一つ抜けた序盤の強さを持ち合わせています。

(2)両デッキの特徴

前述の章で両デッキとも「序盤の壊し能力」が秀でていることを解説していきましたが、序盤に限らない「一方的にゲームを進行する能力」も両デッキの特徴です。ただし前述した能力は「かげろう」と「荒野ロイヤル」では性質がやや異なります。この章ではその性質の違いに加え、それに付け入る各デッキの弱点について整理していきたいと思います。

かげろうの特徴

かげろうの最大の特徴は相手の盤面を一方的に破壊する除去性能の高さだと思います。前述の「バーサーク・ドラゴン」に加え、中盤の面形成を無力化し6/6という高スタッツを押し付ける「ボーテックス・ドラゴン」や終盤以降の盤面全てを破壊する疾走守護をもつ「ドラゴニックオーバーロード・ジエンド」など一方的に相手の盤面を破壊するカードの豊富さから前述の壊しも相乗し盤面勝負においてかげろうの右に並ぶデッキは存在しないです。

かげろうの弱点

盤面勝負で右に並ぶものがいないかげろうも疾走や直接打点を出せるカードは覚醒時から疾走をする「ドラゴニックオーバーロード」と「ドラゴニック・オーバーロード・ジ・エンド」の2種類しかないため、序中盤は盤面からしか打点を捻出することができず、ターン毎に想定される打点の可視化はしやすいです
そのため盤面の戦いを放棄しコンシードによる勝利を目指すデッキや明確なキルターンが存在する特殊勝利デッキの場合、序盤の盤面を耐え凌ぐことが出来れば相手の可視化されている打点をケアすればいいだけなのでゴールターンを迎えやすいです。

荒野ロイヤルの特徴

「かげろう」が強力な除去性能による最強の地上戦性能を持つ一方で荒野ロイヤルは他デッキと比べても除去性能が秀でているわけではありません。
「荒野ロイヤル」は序盤で得た有利状況を継続するリソース確保能力の高さに長けています。
「ファントムデュオ・バニー&バロン」はそれを象徴する存在であり自身の有利状況で進化を切ることでリソースと打点の継続を担保する「魔導四輪車V」を登場させ有利状況をより盤石なものへと変貌させます。
上述した「カースドクイーンナハトナハト」も能力で持ってくる「ナハトの私兵」や「タイラントオーダー」でリソースと盤面の優位状況の継続に貢献します。
継続的な攻撃性能はいままでのアグロデッキを過去のものとし受けのみの耐久を許さず盤面の逆転も相手へ要求することになりました。

荒野ロイヤルの弱点

リソース能力に長けていても所詮はアグロデッキであるため相手に盤面の主導権を握られると逆転の手段は乏しく一方的にゲームを進められてしまいます。
「荒野ロイヤル」側は序盤で得たライフ優位と豊富なリソースを活かし相手の盤面をある程度無視し残りライフを詰める逃げ切り戦法で押し切りますが序盤で強い動きを通すことが出来なかったり、相手に先に盤面をつくられライフ差がつかない状態で盤面を五分以上に持っていかれると逆転は難しく押し切られる展開に作りやすいです。

3.「かげろう」「荒野ロイヤル」に立ち向かうには

長々と「かげろう」「荒野ロイヤル」について書いていきましたが私は

  1. 序盤の壊しに負けない耐久性能

  2. 自身の強力な動きを容易に押し通せる再現性

この2点が両デッキに立ち向かうのは必要だと思います。

①「序盤の壊し能力」に対しての耐久性能

大前提として「かげろう」と「荒野ロイヤル」で共通する「序盤の壊し能力」に対抗できないと話が始まりません。上述した通り両デッキは序盤から高スタッツを押し付けてきますので除去能力が飛び抜けた進化フォロワーの存在や負債を取り返す強力な回復パッケージがあることが望ましいです。

コスト以上のダメージを与えつつコスト軽減で除去を強要する「魔術の始祖マナリア」のような進化フォロワー
回復と盤面一層をこなす「アーティストメイジ」+「エレメントシャーマンライリー」の回復パッケージ

②自身の強力な動きを容易に押し通せる再現性の高さ

両デッキの弱点を振り返ると
かげろう⇒盤面勝負を放棄したコンシード、ゴールターンまでの耐久
ロイヤル⇒受けまわしと盤面の逆転
とメタの性質が真逆であり、一方を対策することでもう一方に不利を取ることになり両デッキを対策するのは困難です。
そのためメタには回らず自身の強力な動きを押し付け一方的なゲームを仕掛ける側に回る方が勝ちに向かいやすいと思っています。

千葉GCS環境で3rdデッキとして使用されていた「機械ナイトメア」や「死者ナイトメア」は「ファーストワン」や「ヴォイドリアライズ」等の自身の強い動きを通すことで「かげろう」「荒野ロイヤル」を超えるデッキパワーを引き出すことが可能でした。
実際は「再現性の低さ」や序盤を準備ターンに消費する都合、序盤の壊しを越えることが出来ない等の課題があったため上位デッキに食い込むことはなかったですが
・準備ターンと除去の両立
・デッキパワーを引き出すまでの要求値の高さ
克服できれば「かげろう」「荒野ロイヤル」を超える押し付けデッキとして頭角を現すと思います。現環境で上記の条件を満たすようなデッキは存在しなかったので来期(特にウマ娘)には上記の要件を満たしたパワーデッキの登場に期待したいです。
(それが出来たのが「かげろう」と「荒野ロイヤル」です)

最後に

今回の記事の投稿日前日に「リザードランナー アンドゥー」「スターダストトランペッター」の禁止が発表され「かげろう」の序盤の壊し性能が弱体化され壊しにより貫通していた不利デッキにより勝ちづらくなると予想されます。
無敵デッキだった「かげろう」が数を減らし「荒野ロイヤル」は環境に残ることになるので、来期は「いかに荒野ロイヤルに勝てるデッキを作るか」が最初の課題になります。
私自身は今期から「荒野ロイヤル」を使用し始めたのですがトレードの仕方や打点の通し方を学べることが多いデッキだったので来期も引き続き使用できればいいなと思っています。

ここまでの長文に付き合っていただきありがとうございました。

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