005. 戦化粧
こんばんは。
猫と暮らしし女、あなぐま すみです。
会社を辞め、現在、シナリオスクールに通いし38歳の女武者なり。
自己紹介note
本日、執筆作業の合間を縫い、所用のWEB会議がいくつか設定されていた。
それ以外に外に出かける用事もなかったため、「簡素なメイクでも大丈夫かな」、なんて浅はかなことを考えて、時短メイクで臨もうとしたのだが、接続テストで画面越しの自分と目が合ったとき、慄然として、思わず「ギャアッ」と悲鳴が出た(ねこは逃げた)。
鏡の中に、お化けが立っていたのだ。
まあわたしなんだけど。
わたしは昔から目の下のクマが濃くて、これがもう、本ッ当~~~~にコンプレックス。
不摂生の蓄積でそうなった、というより、子どものときから色素沈着しちゃってる上に、目周りの皮膚が薄くて平べったい造形(きゅるきゅるの涙袋とかがない)をしてるから、極端に陰影が目立ちやすいのだという。
アイマッサージャーとか、冷やすとかあたためるとか、セルフケアでできることはたいてい全部試したけどだめで、エステに通ったりもしたけどだめで、とうとう思いつめて美容医療カウンセリングまで受けたこともあるが、「きみのクマのタイプだと、たとえ手術しても消えないや、アッハッハ」って笑われて、あなぐまがあんまり落ち込むから、「半額でいいよ……」って慰めのビタミン点滴で終わったことさえある。
20代の頃に勤務していた会社のおじさまから、「あなぐまくん、タヌキみたいなクマしてるなあ」と言われたときなんか、もう本当にめちゃめちゃショックだった。(令和ならアウトだと思うから、ルッキズムに関する発言はお控えいただきますよう……)
まああなぐまはそこで泣き寝入りをするタイプではないので、ばりばり仕事を終わらせて「絶対にクマを消せるというエステ予約したんで、お先に失礼しまあああああす!!!!!!!」ってそのおじさまの席まで宣言しに行き、華麗に退勤しましたが。
結局やっぱりその名うてのエステでもクマは消えなかったし、翌日おじさまからは、「なんかぼく、悪いこと言っちゃったみたいで……」って、ポッキーもらったな。
ポッキー美味しかった。
話を戻そう。
クマが濃くて消せない、ということは、つまりメイクの際にコンシーラーが欠かせないということで(あなぐまは、NARSとザ・セムとセザンヌの3個使い。部位ごとに色分けして使ってる)、そもそものくすみや色ムラをなくす下地も、顔色を良く見せるためのコントロールカラーも、いくらWEB会議とはいえ、当たり前にひとつでも欠かしたら駄目な工程だったのね。
学校がお休みになって、フルメイクする毎日が少しなくなったというだけで、こんな大前提を省けると勘違いするだなんて……だめだ……だめだよひととして……
いやひととしては言いすぎ、すっぴんがお化けのにんげんとして、だめ。
でもメイクって、わたしにとっては結構、なんていうのか、『戦化粧』という言葉が、そのまま合ってる感じがしていまして。メイクしているとしていないとでは、パフォーマンスに如実に違いが出るのがわかるのだ。
例えばむかし、働きながら同人創作活動していたときは、家に帰ってメイクを落としてしまうと、疲れて座り込んでしまったり、すぐにでもお風呂に入りたくなったり、そしたらどうしようもなく眠たくなったりして、その状態で机に向かっても、絶対に生産効率がよろしくない。それがわかっていたわたしは、その日のノルマを終わらせるまで、意地でもメイクを落とさなかったりしたものだ。なんなら部屋着にも着替えなかったし、ストッキングも脱がなかった。ちなみに、これは今でもそうだ。
なお休日も、ノーメイクのままだとスイッチが入りきらないので、わざわざきっちり化粧をしてから、外用の服に着替えて、結局家でひとりでカタカタやったりしていたものだ。
もちろん、そういう余計な工程を踏まずに、モチベーションをコントロールして、さらさら書けるようになってこそプロなのだとは重々承知なのだけれども、ざっと調べたかぎり、今から900年くらい前の平安時代から、武士は戦化粧を施して戦に出ていたというので、やっぱりこう、気合を入れるためのジンクス的には、そんなにDNAから遠いことはしてないんだと思……思いたい、今日この頃。
文字を書かれることを日課にされていらっしゃる皆さんは、なにかかならずジンクスにしていること、執筆環境として絶対に欠かさずに準備するようなものって、なにかあったりしますか?(コメントで教えてくれたらめっちゃうれしい!)
いつか文章でお仕事がもらえるようになって、いろいろな作家さんやライターさんとお知り合いになれたら、いつかざっくばらんに、伺ってみたいことのひとつでもあるのです。
とりあえずあなぐまは、明日から、家から出なかろうがなんだろうが、フルメイク、再開します。
メイクに力入れる時間だって、執筆作業に充てたいくらいなんだけどね……
ほんと、変なジンクスを構築してしまったものでござる。