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PACUサイコー 医療者向け
以下の文章は架空の著者という設定で書かれた、医療の内容を含む文章です。本文の内容を臨床応用する場合には、各医療者の判断と責任の下で行ってください。記載をしている本当の著者及び、その関連団体は一切の責任を負いません。ご理解の上、よくできたフィクションとしてお楽しみください。
PACU再考
日本では医師の働き方改革や不足する外科医、団塊の世代が後期高齢者となる医療需要の増加、破綻間近とも言われる保険医療制度など、様々な社会問題に直面している。限られた医療者と財源で、現状の高水準の医療を維持するには、変革が必要だ。
海外の手術室で仕事をしていて日本と大きく違うと感じたのは、PACU(Post Anesthesia Care Unit)の使い方の違いだ。
私が医師になったばかりの頃は、日本でもPACUを良く使っていたが、手術室からPACUを経ずに病室へ帰室するようになった。その1番の理由はレミフェンタニルの普及だろう。その他にも、PACU用の人材や設備おかなければならないことや、スペースの有効活用、保険点数の算定も影響している。
それ以降もレミフェンタニル、ロクロニウム、スガマデクス、デスフルラン、レミマゾラムも新たな薬剤が出で、麻酔からの覚醒は非常に早くなった。
日本の手術室では、これらの薬をかなり使う。たとえば手術時間が30分程度の子宮鏡手術でも、声門上器具、レミフェンタニル、デスフルラン、ロクロニウムとスガマデクスでリバース、レミフェンタニルの総投与量が0.15mgで、残りの1.85mgを破棄する全身麻酔の掛け方をするのを良く見る。
海外では、未だPACUを使う施設が多い。国によっては、全身麻酔後、PACUで1時間以上観察しなければならないところもある。理由は、上記のような日本では非常に良く使用する薬剤が、高価だからということであまり使用しないこともあるし、単にそういうルールだからというところもある。
実際に海外のPACUを使ういくつかの施設で働いてみて、今では日本では使われなくなってしまったPACUをもう一度考え直してみたい。
PACU最高
私は今、レミフェンタニルも、ロクロニウムも、スガマデクスも、デスフルランもレミマゾラムは普段使わない施設で働いている。フェンタニル、スフェンタニル、モルヒネ、笑気、セボフルラン、プロポフォール、アトラクロニウムはある。
手術室で覚醒、抜管させることは、全身麻酔症例の5%以下だ。手術が終わり、創部ドレッシングが済むと挿管したままPACUに運ぶ。手術室エリアの一角にPACUがあり、そこには、PACU専属のスタッフがいる。
PACUでは以下のような仕事をする。
1,覚醒と抜管
2,状態の観察
3,手術麻酔直後の合併症への対応
4,PACU退出前評価
5,病棟への引き渡し
とこれらの記録だ。
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