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和痛分娩(旧無痛分娩)と回旋異常と難産と

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〜2月21日 01:30

以下の文章は架空の著者という設定で書かれた、医療の内容を含む文章です。本文の内容を臨床応用する場合には、各医療者の判断と責任の下で行ってください。記載をしている本当の著者及び、その関連団体は一切の責任を負いません。ご理解の上、よくできたフィクションとしてお楽しみください。

世の中で、無痛分娩が広まってくると急に和痛分娩(旧無痛分娩)のマイナス面が語られなくなってきている。提供する医療者側もだし、和痛分娩(旧無痛分娩)を選択した本人もやってよかったという方向に思うようになる。この自己正当化は、認知的不協和軽減とか、確証バイアス、サンクコスト効果などと言われることもある。

以前から硬膜外麻酔麻酔分娩(一般で考えられている無痛分娩)は、分娩時間の延長と器械分娩の増加が言われているが、緊急帝王切開に移行しやすくなるわけではないということになっている。

分娩時間の延長と器械分娩の増加は、硬膜外麻酔の影響でいきむタイミングが取りづらくなったり、筋力が弱まることと関連があるが、このような状態が見られたのなら、硬膜外麻酔薬の濃度を薄くしたり、投与流量を減らすことで、いきむタイミングや筋力低下に悪影響がない程度に調節できる。一方で痛みは増すかもしれない。

分娩が遷延するのと、器械分娩が増えるのは、押し出す力が弱くなるだけでなく、硬膜外麻酔麻酔分娩(一般で考えられている無痛分娩)が回旋異常を増やすからだという可能性が議論されている。

赤ちゃんが、母親の体内から出てくる過程で、頭や肩の位置を少しずつ変え回りながら降りてくるのたが、硬膜外麻酔分娩を受けていると、この回り方が変になる回旋異常という状態が起きて、なかなか赤ちゃんが出てこれなくなり、これ”も”分娩時間の延長や、器械分娩の増加に繋がっている可能性あると考えられている。

なお、この現象は医学的には、「そうだ」という研究と「そうでない」という研究があり、論争中である。

硬膜外麻酔分娩は緊急帝王切開への移行を増やすという話も、増やさないという話もある。

以下は、個人的な意見であり、医学的な研究で確証が得られたわけではないので、参考程度にしてほしいが、これまで安全だという意見によって世界中に広がってきた和痛分娩(旧無痛分娩)によって、本当は回旋異常が増加し、帝王切開も増加していたとするととてもショックキングで、社会的な影響が大きい。もちろん経膣分娩よりも帝王切開を好む妊婦が多い国もあり、帝王切開が悪いわけではないのだが、硬膜外麻酔分娩には大きな悪影響はないといったデータを出せるような施設というのは、大病院で、硬膜外麻酔分娩の管理にも慣れているため、悪影響を最小化するように管理できている可能性がある。日本から出ている論文でも硬膜外麻酔が回旋異常を増やし、器械分娩を増加させ、帝王切開率はきちんと回旋異常に対応すれば増加しないという論文が出ている。逆に、回旋異常にきちんと対応できない施設では、帝王切開率が増えうるとも解釈できる。

SNSなどで無痛分娩体験などをみると、どうも帝王切開になってしまったという話が目立つ。そもそも無痛分娩をしていなくても帝王切開になったのかもしれないし、ただ、特殊な出来事は報告されやすいという現象を見てしまっているだけかもしれないが、無痛分娩をやっていると帝王切開になりやすいのかなぁという印象をもつ。

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