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避雷針ってどういう仕組みなん?

最近の仕事に関連して、電気、落雷や避雷針について少しだけ勉強したので記事にまとめます。深めると専門的になってしまって、とっつきにくくなってしまうのでなるべく短く簡単に書いていきます。前半は基礎編ということで電気の性質について記事を書きました。後半ではそれを拡張して落雷や避雷針の仕組みへと説明範囲を広げています。一部僕の仮説に基づいて話しているパートがあります。電気工学に関しては新参者なので、指摘事項とかがあれば教えていただきたいです。

電気の仕組み

ここでは高校化学でもやった電気の仕組みについて下記の構成で軽くおさらいします

・電流について
・電圧について
・抵抗について

電流について 

電流(アンペア)とは、電子の流れる量のことで、電流が高いほど電気の流れが速いことになります。転じて、一度に流れる電気の量とも捉えることができます。電流は並列する回路が増えるほど上昇します。よく言うブレーカーという器具は、制限するアンペアを決めてそれ以上の電流が通らないよう、回路を遮断する機能を持っています。だから一度にたくさんの家電を使用するとブレーカーが落ちていくんですね。

また、電力会社が行う「電気容量変更」というのは、この制限を変更して一度に使える電気の量を変更することになります。

電圧について

電圧(ボルト)は電子の流れる強さのことで、高いほど強いエネルギーを持った電気が流れていることになります。電気は+極からー極に流れる性質があり、厳密に言うとボルトというのはこの+からーの落差のことを言います。この落差を電位差といい、電圧と同義です。

12Vの+極から0Vのー極へ電気が流れることによって12Vの電気が流れたことになります。

海外に行くときにたまに変圧器を持っていけと言われるのは、日本の100V用(日本の電源はほぼ100V)の機器を海外の200Vの電源を使って使用すると想定よりも強い電気が流れて機器が故障する可能性があるからです。

※ ちなみに未だに100Vの電気を使用しているのは日本か北朝鮮くらいらしいです笑

抵抗について

抵抗(オーム)とは、ある物体に電気が流れたとき、どのくらい電気を通さないのかを数値化したものです。抵抗が大きいほど電気を通しにくい性質があります。仮説なのですが、ゴムが電気を通さないのは電気抵抗が非常に高い物質(調べたら10の14乗とかでした)なので、たとえ10万V(ピカ!)の電気が流れても、その回路に流れる電流はほぼ0Aに近いので、電気を通さないというロジックなのかなと思いました。が、どうでしょうか?詳しい人教えてください。

式と回路で表すと多分こんな感じ

これを見ると「え?じゃあゴム製の帽子をかぶっておけば落雷直撃しても大丈夫なんじゃね?」と思ってしまいますよね?私は思いました。
でもこの理論は雷の“なるべく抵抗が少なくなるルートで流れる“という性質によって打ち負かされます。つまり、ゴム製の帽子を通らないように迂回したルートで電気が流れてしまうのです。絵で描くとこんな感じ

そう、雷は実は地表のある地点に完全にランダムに落ちるのではなく、所定の範囲内で抵抗がなるべく少ない地点(電流が流れやすいルート)を通過するように流れるため、落ちる前にある程度のポイントは決まっているのです。

これは万年文系の勉強しかしてこなかった僕にとっては衝撃の事実でした。ここで先人達の長年に渡る研究によって積み上げられていった科学の力を改めて実感しました。
さぁ、ここらで基礎編は終了として、雷やそれを活用した避雷針の仕組みについて説明していこうと思います。

落雷の仕組み

さっきも話したのでここは簡潔に説明します。あとちょっととっつきにくさもあるので飛ばして絵だけ見てもおけです。雷は、マイナス20度くらいの空中で氷の粒が擦れ合うことで静電気が発生し、マイナス電荷とプラス電荷に分離します。積乱雲など地表に近い部分で分離が起きると、雲の上よりも地表の方が近くなり、地表のプラス電荷に向かって電流が流れていきます(電気はマイナスからプラスへ流れるので)。これが「落雷」です。こっちも絵で描きました。

避雷針の役割

先ほどの雷の性質を聞いて、じゃあ雷はどうやって回避するんだ!!
と思った方へ、今は街の至る所に「避雷針」と呼ばれるものがあります。避雷針はこれを逆手にとって、接地抵抗と呼ばれる抵抗を極限までに下げた突針を高い位置(日本の建築法では21m以上の建築物への設置は義務化されている)に雷を集め、被害を最小限に抑える技術です。

避雷針に落ちた雷は、地中に埋められた銅板を通じて地表へ流れ、建物や人体への放電を防ぐようになっております。

以下ちょっと専門的になります。飛ばしてもOK
避雷針を置く接地工事にはJIS規格という基準に則って格付けされているのですが、避雷針で使われている最高ランクのA種の設置工事では接地抵抗(地表との回路の抵抗)が10Ω以下になるように工事が施されるので、接地抵抗が10Ω以下の物体がない限りは避雷針に雷が落ちるようになっています。これは地下に超絶でっっかい銅板と自分を繋げて待機でもしていないと実現不可能な数値なので、基本的にはあり得ないでしょう。

ただ、避雷針には保護角というものがあって、突針の先端から35°の範囲に当たる地表しかカバーできていないです。ゴルフ場や海辺など、周囲に何もない環境では周囲で一番背の高い物体へ落雷する可能性が高いので、注意してください。
余談ですが、金属で覆われた車の中は電磁工学的に安全とされているらしいのです。最悪は車内で待機しましょう。

思ったこと

普段何も気にせずに見ていた現象を片っぱしから調べてみたのですが、とても楽しいし勉強になるなと思いました。単に雷の仕組みを理解しただけでなく、付録として家庭用電源の容量変更や、変圧器について詳しくなりました。それともし万が一ゴルフ場でゲリラ豪雨に襲われた時はこの知識が役立ちますね。

まずはゴルフを始めるところからですね。

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