二輪(ふたわ)という技【OROCHI】
前回OROCHIについて下地ができたのどうのと戯言を抜かした挙句に、読み物として引くほどつまらない記事を書いた。
そもそもが僕の記事なんてちょっとでもOROCHIに触れた人間しか読みはしないのだから、もっと開き直って「OROCHIの一番面白い所」について触れるべきだった。いくら言葉で語ろうとも基本は日々の稽古の上でしか身につかない。大いに反省すべき点でった。という訳で今回は読者のニーズに即してお手軽な『ライバルに差をつけろ』的技術をお伝えしよう。その技の名前は二輪(ふわた)と云う。
具体的な話に進む前に皆さんには先ずオロチとは何か、ひいてはアタマとは何かについて学んで貰う事になる。暫しお付き合い戴きたい。
赤い竜、そして大蛇
みなさんはご存じないかもしれないが、七対子というのはそもそも新約聖書に起源を持つ役である。先ず、7という数字が洋の東西を問わず宗教的な数字であることは言うまでもないだろう。そして発祥はアメリカ。それをわざわざ役に配置しているのだ、勘の良い方ならもう何も言わなくても判るだろう。
麻雀の和了形は鳳凰になぞられられる。頭、両翼、胴、そして尾。鳳凰は不老長寿の象徴であり、繁栄を寿ぐ霊獣である。翻って七対子は7つの頭のみで成立する和了だ。これはつまり赤い竜、黙示録の破滅の獣を示すものであるに他ならないのである。
アタマとは、この破滅の赤い竜と立ち向かい、御し、そして我が物とするゲームだ。覚悟の無い者、知恵の無い者、そしてただ弱い者は竜の咢(あぎと)に魂と現金を砕かれる。
と、いう話を5年程前にさせて貰った。詳しくは以下の記事にあるのでお時間にゆとりのある時に是非ご一読戴きたい。
では、オロチとは何の象形であろうか?察しの良い読者の皆様ならばもうお分かりだろう。七対子に7と7とを内包する事で七つの頭を持つ赤い龍を超える八ツ首の巨竜、それを卓上に描き出さんが為の呪術である。
様々な麻雀の持つルールの名称は『この麻雀は一体何をするものか』を数秘学によって暗示してある場合が多い。リーチ麻雀は『立直をするもの』だし、出目金は『出目を出すもの』。スーパービンゴは『7を揃えるもの』である。であればオロチが『オロチをするもの』であるのはもはや自明ではないだろうか?
では、その『オロチをするため』に作られた遊技でオロチに立ち向かうならばどうすれば良いだろうか?実践風の何かでその機微を説明していきたい。
緊急事態は突然に
ある時、ある場所で。幾たびか分からない繰り返しの中で河をドラムに落とし、そして山と手牌とが上がり局が始まる。
僕は一瞥して「ああ、オロチの5シャンテンか」と判断する(*)と、その手にまあまあの満足をする。緩く理牌を入れながら下家の親の手元にそれとなく目をやると、まあまあ手が動いていて(**)「あーこれは面前っぽいな、面倒だな(***)」という意識が頭の片隅に生まれる。
*ざっとみて手がまとまっていないならば面子手のシャンテン数がどうかとか役牌の西が対子だとかを判断材料にすることはない。ざっとどの役満に行けるかを考える。
**理牌で完全に読み切る事など到底できない。が、拾える情報は拾うに越した事はない。
***ここからよく鳴く予定なのでツモ番の増える親の面前が間に合ってしまう可能性が高く、また7が複数枚ある事が面前進行での必要充分条件(スーパービンゴはその特性上、7が多ければその分手が良い)なのでオロチの聴牌は薄い7待ちになりやすい為。
親が第一打南。鳴ける牌だ。半呼吸分の息を吸い込みながらサイコロボックス周辺に目をやっている(****)と上家から勢いよく「アタマ」の掛け声がかかる。まごう事なき緊急事態である。
****叩ける牌が出た時に肩が動いたり目線が手牌に落ちたりすると持っている牌を抜かれる(二人にバレる)ので、本気でアタマに取り組んでいる場合は半眼のまま虚空をにらみ続けるか、色の濃いサングラスが有効。
鳴いた上家から赤5sが放たれるがこれは当然のスルー(*****)。そして自ヅモに力を籠めると望外の7p。準備は完全に整った。
*****ここからハダカに飛びついて間に合う訳がない。
ここから何を切るのか、もう皆さんはお分かりだろうか?アンケートを取ってみたい所だが無意味な時間なので先へ進もう。そうここで切るのは
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