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ヴァイキング旅行2019年イギリス④〜マン島前編〜

ヴァイキングの日ということで、一年ぶりに続きを書きます。
今年の夏にノルウェーに行く予定を立てました。無事いけるといいな

マン島のシンボル、トリスケリオン

マン島編を始める前にマン島と、ヴァイキングとの関係について触れておきます。

グレートブリテン島とアイルランド島の中間のアイリッシュ海に浮かぶマン島は紀元前6500年ごろから人が住んでいたことが確認されています。
様々な文化の担い手たちが島に渡ってきたことがわかっており、いわゆる巨石文化の巨石記念物も島内に残されています。
時代は下り、5世紀頃に移住してきたアイルランド人からの影響を大きく受けマン島語などの文化が醸成されていきました。
9世紀に入るとノルウェー系ヴァイキングが略奪の為に現れるようになり、872年のハーラル美髪王によるノルウェー沿岸部の征服を前後して彼への臣従を拒否したノルウェーの有力者たちがアイスランドを始め各島嶼部に逃れ、マン島も同じくしてノルウェー人(ヴァイキング)の入植が始まり、以後、長きにわたってその支配を受けるようになります。
その結果、アイルランド系の文化とノルウェーのヴァイキング文化が隣り合い、融合した痕跡が多数残っています。
つまり最高ということです。おわかりになりましたでしょうか。

リパプールからマン島へ

リバプールのフェリーターミナルにて、手荷物検査やパスポートのチェック等の手続きを終えて18時すぎにフェリーに搭乗しました。

船内で写真を撮ってなかったので昔の写真です

それから船内で軽食をとったりとぐだぐだしながら揺られて22時にマン島の主都、ダグラスに到着しました。
実はマン島に来るのは今回二度目です。前回回れなかったスポットを目当てにまたやってきたのでした。

夜のダグラスのプロムナード

さすがに22時を回ると暗くなっていました。
フェリーを降り、シーターミナルからダグラスの市街へ出ます。
二度目の旅行なので若干土地勘があります。そのまま海岸沿いのプロムナードを通ってまっすぐ宿泊予定のホテルへ。
無事、チェックインできました。
バスタブのある部屋を取っていたのでお風呂に浸かってゆっくり疲れを癒せました。お風呂のある宿大事!

ダグラスの街中&マン島博物館へ

翌朝、目が覚めると小雨が降るあいにくの空模様でしが、買い物がてらにダグラスの散策へ出かけます。

St Thomas教会
メソジスト教会

なんてかっこいいレンガ造りの教会……
町の中心部に歴史的な建造物が当たり前のように立っている様はやはり圧巻です。
軽く買い物を済ませて、そのままマン島博物館へ足を延ばします。

マン島博物館。街中のちょっと小高いところにあります
マン島ざっくり観光地図

歴史的な収蔵品のギャラリーではオガム文字が刻まれた石やマンクスクロスなど、重要なものがたくさん見られます。一部を紹介。

オガム文字の石碑。この刻まれた線が文字
ルーン文字が刻まれたマンクスクロス
こちらもマンクスクロス。ラグナロクでフェンリルに飲まれるオーディンが描かれてます

聖コルンバやアイオナ修道院などに代表される島嶼キリスト教※がマン島でも信仰されており、島嶼キリスト教の記念碑として有名なハイクロスと入植したヴァイキングがもたらしたルーン石碑の文化が融合したとされる独自の十字架、マンクスクロスが多く残されています。
すげえよ。
※ケルト系キリスト教と呼ばれることが多いですが、最近ではInsular Christianityと改める動きがあるのでここでは島嶼キリスト教と呼称します。

他にもヴァイキング関連の出土物がたくさん展示されています。

銀貨と銀の腕輪など
複数の剣が展示されていました
有名なPagan Ladyのネックレス
Balladooleのヴァイキング船葬墓の再現モデル
船葬されたヴァイキングの再現。そして私のアイコン

この他に美術館も併設されており、見どころがたっぷりあります。
マン島旅行に行かれた際にはぜひ訪問を!

マン島博物館を後にしてホテルに帰り、買ってきたサンドイッチなどを食べて午後の出発にむけて軽く休みます。
昼を過ぎると雨が上がっていました。

バス停近くの市街の様子
イカすオブジェ
海は荒れ気味。海岸線がきれい

Balladoole Chapel Hill へ

一休みした後は今回のマン島旅行の目的の一つである Balladoole Chapel Hill へ出発します。
こちらは複数の時代にわたる遺跡とヴァイキングの船葬墓があります。さっきのヴァイキングが眠っていた墓ですね。
Balladoole へはカッスルタウンに行くバスに乗ってそこから徒歩で向かいます。

Google Mapより
素敵な車窓

ダグラスのバス停からバスに乗り、揺られること30分足らずでカッスルタウンに着きました。
カッスルタウンはもともとマン島の首都であり、王の居城があった町です。
名前の由来でもあるランドマークのルシェン城が出迎えてくれます。

ルシェン城。美しいぜ……

ルシェン城観光に時間を使いたいのを我慢しつつ、徒歩で Balladoole へ。
のどかな景色を楽しみながら30分ほど歩きます。

こんな景色が広がってます
麦畑!
道のあちらこちらで咲くノアザミにマルハナバチが蜜を吸いにきていました。もふもふ
素敵なお庭に放し飼いのにわとり
到着。 Chapel Hill, Balladoole.

景色を楽しみながらもちょっと疲れてきた頃に Balladoole Chapel Hill に到着しました。
この先はけっこう傾斜のある丘になっています。

ふうふう言いながら登ります

登りきると周囲を海まで一望できるほど高くなっていて、だいぶ見晴らしがよいです。
ここはもともと鉄器時代の丘の上に築かれた砦でした。
さらに古くは中石器時代から活動の痕跡が残っています。
その後、この丘にキリスト教徒の墓やマン島における礼拝堂のキールが建てられたりと複数の時代にわたって利用された遺構が残っています。
チャペルヒルの名前はこのキールにちなんでいます。
目当てのヴァイキングの船葬墓はというと……

草茫々
案内もあるよ

ありました。草でだいぶ隠れてしまってはいますが、埋葬された船の形に添って石が積まれています。
ここには全長11mの船と共に島の有力者が埋葬されたと考えられています。
副葬品として盾や、精巧に作られた馬具が見つかりそれらも博物館で展示されていました。(盾は金属部しか残ってない)
また、この船葬墓の下には古い時代のキリスト教徒の墓があり、ヴァイキングによる支配の顕示のために恣意的にその上に埋葬したものだと推測されています。

キール跡
鉄器時代の丘陵要塞……跡地?
青銅器時代の石棺……らしい
見晴らし最高

チャペルヒルの遺跡を堪能した後、丘を降ります。
坂道はキイチゴ(Bramble)に囲まれていて、おいしそうな実がなっていたのですこし摘まんだり。

Bramble わりとおいしい

海が見えていたので海岸に寄り道して帰ります。

薄曇りのもとに見える遠景が美しい
ド干潮。これ全部海藻です

海岸で犬を遊ばせているおばさまがいたので、飼い犬の話題で少し談笑したあとカッスルタウンへと帰路につきます。

ただいま、カッスルタウン
ルシェン城ちら見せ
リメンブランス。戦没者追悼の碑
船着き場も潮が完全に引いてしまっていた

カッスルタウンのパブに突撃して地元のおじさまに交じってビールをひっかけていきました。
パブにいた客のおじさんが連れてきていたワンちゃんと遊ばせてもらったりと、すこし仲良くなれた気がする……!

スタイルはビターやペールエールなど。全部飲みたい

パブを出たあとはバスでダグラスに帰り、晩御飯を食べにホテル近くのレストランでまたビールを飲んだりしていました。
思ったより疲れていたらしく食事中に睡魔に襲われたので体を引きずってホテルに帰りこの日はそのまま寝ました。

わーい
うまそう(味は覚えていない)
青い夜の帳

翌日も他の遺跡を回るためマン島内を駆けずり回ります。
続きはまた気が向いたときに。