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探究学習の研修をつくっていたら、自分の人生の謎を解き明かしてしまった(かもしれん)
「探究学習について高校の先生に研修をしてほしい」
そんな依頼をいただいた。
私は探究学習をしようと思って授業をつくったことがなく、自分らしく社会で生きるために必要な力を面白く学ぶ授業を作ったら、「結果的に探究学習になった」という感じなので、何をどう伝えたら良いのか分からず、改めて本を読み漁った。
そしたら、めっちゃ面白くて、研修終わっても、最近ずっと「問い」のことばかり考えている。知れば知るほど自分の人生の謎行動が解明されていく感じ。
特に「問いの編集力」は今の私にしっくり来た。
『内側の了解と外側の世界のずれから問いが生まれる』
『「不安と混沌」は「好奇心と問い」になる』
私はニ年おきに環境を変えたくなる。もう、変えずにはいられないのだ。それは本能や衝動に近い感覚。「なぜだろう」とずっと不思議に思っていた。
思い返すと、私の人生のターニングポイントは「不安と混沌」「不快と違和感」によって生まれた「問い」が大きく関わっている気がする。
野球を始めたのも「なぜ野球に女の選手がいないのか?」という問いからだった。
「女性と男性は何が違うのか?」「女性の方が適しているポジションはあるのか?」など色んな問いが溢れた結果、小学生から社会人2年目まで14年間も野球から離れられなかった。
学生時代にいじめられている時も「なぜ私はいじめられるのか?」を日記をトイレで書いているうちに「人はなぜ人をいじめるのか?」「大人になるといじめはなくなるのか?」「いじめがない世界はあるのか?」みたいに問いが増えてきて、それを論文にまとめたら県で優勝した。
「なぜうちの高校は校則でマフラーが禁止されているんだろう?」という問いから、先生に禁止の理由を聞き、リスクを感じていることが起こり得るのか?実験を重ね、他の高校にマフラー禁止項目があるのか?理由は何か?を聞きまくり、結果、校則を変えた。
全ては違和感から問いが生まれ、行動を起こしてきた。
外側の世界を知り、「不安と混沌」「怒りと違和感」を感じることで、問いが生まれること。
問いは私を突き動かすエネルギーに変わり、次の世界に連れて行ってくれること。
それらを学生時代の経験から動物的本能で理解していたのかも知れない。
だから、30歳になって二人の子育てで、一気に世界が閉ざされたと感じてしまった時「このままだと私のエネルギーがなくなるのではないか」と強い不安に襲われた。ゆえに、お笑い養成所に通ったり、公務員になったり、村に移住したり、とにかく今まで以上に外側の世界に飛び込むことを意図的に行ってきたように思う。
『人間には本来、知りたいという本能的欲求が生存戦略の中にある。』
『わからないでは問いにならない。わかりたいと思って始めて問いになり、鮮明な好奇心や情熱的な探究心は後から追ってやってくる。』
私は自分の中にある動物的な本能や衝動はかなり意識して守っている。
それは子どもの頃の好奇心を守り続けるということに似ている。
安定してくると不安になり、環境を変えたいと思えるのは、知らない世界をもっと知りたいという強い好奇心が消えていないという証で、まだ子どもの頃の自分を持ち続けられているということなのだろうか。
私は外側の世界に飛び込み、「問い」という薪をくべ、エネルギーを作り続けるというシステムを自然と生み出しているのかも知れない。
ずっと子どもの自分を守り続けるために。
この世界を面白がり続けるために。
※自分でもまだ整理しきれていないので、まとめきれていないので、一旦メモ的に残して、また修正していきます。
<参考>
研修では「探究の時間だけ、探究担当の先生だけが行うものではなく、すべての先生がすべての授業で探究する風土を作りたい」ということが校長先生の要望だったので、こんなワークショップを作りました。
【ワークショップ①】
自分の教科の単元を「謎解き形式」にタイトルを変えて見てください。
(例)
家庭科
▪️衣(衣服とファッション)
「洗濯表示の暗号を解読してください!服を長くさせる方法とは?」
数学
▪️二次関数
「二次関数が描く曲線の美しさはどこから来るのか?その謎を追う」
国語
▪️敬語の使い方
「敬語に隠された微妙な距離感!相手との関係を見抜く鍵とは?」
社会
▪️世界の地域構成
「なぜ国境線はあの場所に引かれたのか?地図に刻まれた歴史の謎」
英語
▪️仮定法の世界
「もし月が落ちてきたらどうなる? 仮定法が示す非現実の謎」
音楽
▪️音階の謎
「七つの音で無限のメロディを生み出す方法とは?音階の秘密を探る」
【ワークショップ②】
生徒の好きなキーワードを出し、それをテーマにして自分の教科の授業をつくってみてください。
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二つのワークショップを通して
①新しいことを学ぶことは探究の入口なので、単元のタイトルを変えるだけで生徒は授業を探究学習として捉えること。
②どんなテーマでも自分の教科に結びつけて授業を行えば探究になること。
を伝えました。
例は chatGPTにたくさん出してもらい提示しましたが、先生たちの出したアイデアの方が圧倒的に面白かったです。単元タイトルは漫才のネタみたいな面白いものがたくさんありましたし、「ダイエット」をテーマに数学と家庭科の先生たちが考えた授業もぶっ飛んでいて楽しかったです。
1時間では全く足りないほど、先生たちは非常に盛り上がってくれました。