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村のヒヨッコだった私たちにとって親鶏的存在の羽田さんが本物のヒヨコを飼い始めた。

私たち親子は羽田さんが好きだ。
村に来て、子どもたちのやりたいことを一番初めに「やろうよ」といって実現してくれた人だから。

「この村では『やりたい』と言ったら受け入れてもらえて、本当にやってくれるんだ!」と、移住してすぐの子どもたちに刷り込まれた。
我が子のチャレンジを応援してくれるだけではなく、羽田さん自身も多くのチャレンジをしている。
それを見ることで、「ああ、大人になってもやりたいことをどんどんやっていいんだな」とまた刷り込みが行われる。
我が子が村で色んな人に声をかけ、チャレンジするハードルが低いのは羽田さんの刷り込みのおかげだ。

刷り込み(すりこみ、imprinting)とは、動物生活史のある時期に、特定の物事がごく短時間で覚え込まれ、それが長時間持続する学習現象の一種。

Wikipediaより

村歴が浅く、ヒヨッコだった私たちは羽田さんを親鶏だと密かに慕っていた。そんな羽田さんが本物のヒヨコを育て始めた。
中山間地の未利用資源を飼料化する資源循環型の平飼い養鶏に取り組んでいくという。
『調理で発生する野菜くず、草刈りで切り捨てられた青草、出荷できない規格外の米や野菜、コイン精米機に溜まった米糠。これらはすべて鶏の餌になります。地域で利用できていなかったものが餌となり、餌を食べた鶏が味わい深いたまごを産む。鶏糞は田畑の肥やしになる。田畑で育てた米や野菜のうち規格外となるものはふたたび鶏の餌になる。』とのこと。

平飼いの養鶏所が地域にあるとゴミが循環する?!めっちゃくちゃ面白そうやん!ということで早速、羽田さんにお願いをして養鶏所を見学させてもらった。

12月の雪が降る寒い日
羽田さんの養鶏所まで案内してもらった
村の規格外野菜などを餌にしている。パクパク食べる鶏たち。
たまごを回収するシステムを説明を聞く
野菜をまくと、すごい勢いで食べにくるニワトリたち
広いスペースで平飼いされている
収穫した卵を大きさに分けて、梱包するスペース
早速購入し、双子たまごで卵かけご飯!
うまい!!!!
うまい!!

私はこの村を教育移住という観点で選んだ。
私が求める教育環境の中で一番優先順位が高かったのは「一次産業に近い」だった。
どんなに教科書や動画でSDGsを学んでも、一次産業から離れた場所でリアルを感じることはできない。自然の中にいて、その循環の一部であることを感じてこそ、人と生き物や自然環境の関係に頭を抱えることができる。

村で捨てられるものを飼料にして、鶏を育て、卵を販売し、さらにふ化させた卵を育て、成長したら肉として食べる。
このリアルな循環の中にいることができている幸せ。

当然、ゲージ飼いによって大量に育てることができるから、スーパーの卵の方が安い。
でも、羽田さんの卵は食べて美味しいだけでなく、教材になる。
羽田さんの卵は語れる卵なのだ。思わず語りたくなる卵なのだ。
ぜひ、たまごに隠されたストーリーを読んでほしい。
そして、顔と景色のみえる卵をぜひ一度味わってほしい。

最後に。
羽田さんは狩猟も行っている。
息子はインターンしている森林管理会社で羽田さんにインタビューした記事があるので、合わせてぜひ読んでいただきたい。

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