フタハナハロウィン・診療録

この記事は定期ゲAdventCalendar2019 裏12月10日のものとなっております。

大学生活の傍らで書いたもの故に、至らぬ点はあるかと思いますが、容赦とかしなくていいので俺を甘やかしてください。



▼参加前とか


まずはネバーカムというキャラクターが生まれた経緯をば。

あまり物覚えがいいほうではないので、曖昧にしか語れないのですが、
彼女は、“外見”が一番最初出来上がったキャラクターです。

看護師とシスターの中間くらいの衣装を見に纏う、どこか不機嫌そうな顔の、胡乱な瞳の少女。

描き上がったとき、私はただ
「これならきっとステルス成功するぞ!」という確信めいた何かを感じていた気がします。

なお。

あどちゃんそれでステルスしてるつもりだったの?     ───あどのフォロワーより引用

まあ、そんなことはおいといて。

黒死病を、何らかの方法で身体に閉じ込めている看護師という設定が二番目について。

白衣の天使が如く、命の救済をただひたすらに望む精神性を三番目に。


そして四番目に、私はほとんど悩まず彼女の名前を決めた気がします。

医者も、病も、二度と来ない方が良い。
だから、ネバーカム、と名付けました。


思えば、それほどフタハナというゲームに対して強い気持ちで持って参加していなかったかもしれません。


初日から最終日までずっとぶっ通しで命を救うことに命を賭けられたのは、覚悟でも決意でも何でもなく、

PLとして命を与えた彼女の精神性。
私たちはただ、お互いにそれに背かないように動いただけ。

たったそれだけだったと思います。



▼二度と来ない彼女の、一度目


Eno.21番、ネバーカム。

序盤はそりゃもう鬼のように喧嘩売ったり命を救うことの何たるかを説いていました。場合によっては、右手には医療に関係する資料を開きながら左手でフタハナでの処理を行なっていたほどです。

Code:Lさんや姉妹のお二人とプロレスしたり、アンナ・ルーデルさんや白いお化けちゃんと周囲会話で軽く遊んだかと思えばフタハナチャンネルで救急車を拾ったことを大声で叫んだり。

「仕方ないのでその辺りで拾ったスポーツカーに乗るしかありませんね」──コルトアナコンダと救急車を合体させて粗大ゴミにした看護師より。

初日最後、殺人鬼の子に喧嘩をふっかけて相討ちしちゃったとき、めちゃくちゃ死を悼んでもらったのは嬉しかったです。(でもその相手にかなり申し訳ない)

私としましては、最初っから最後までソロでキラーを抑制し、蘇生行為をして回る予定でした。
今思えばかなり無謀な行為だとは思います。だけど、そもそもネバーカムという者自体が無謀なことをするひとでしたので、その果てが味気ない脱落でも仕方ないのかなという気持ちでした。


二日目、クリソベリルさんラブドレトさんのお二人と関わり、愛される病のことを知ったりして。

マカロニスタン陣営に顔を出して、毒にかかった者の元へ解毒をしにいったり、自分のための解毒薬を誰かに使ってしまったことで医者の不養生を体現してしまったり。

そしてその二日目終了直後、なんてことなく、戦闘を仕掛けられころっと死んでしまいました。完全に記憶が曖昧ですけど、覚えてないということはそれほど本筋に絡まなかったということだと思います。

本当にありがたいことに、その時は色々な方面から蘇生の申し出を送ってもらえたのですが。どの手を取ろうかと思った時、一番、対話において個人的に好印象であったメルシアさんを選ぼうとしました。

しかし、私はそのすぐ次に来たリーリアさんを見て、あることを思い出したのです。

「私には武器は扱えなくて。良い品を拾ったのだけれど誰にあげたらいいのかしら……(意訳)」──脳裏に駆け抜ける言葉

そう。このPLはあろうことか物欲に釣られて蘇生相手にリーリアさんを選んだのです。

いや、言い訳をさせてください。

彼女と明確に絡んだのはその、遡って二日目半ばの強い武器を手に入れて困ってるといった話のあたりでした。ネバーカムは「信頼できる人に渡すか、いなければ泥でも混ぜて捨てておきなさい」と堅実なアドバイスを送って、なあなあに終わったのですが。

そんな相手からの蘇生の申し出は、抑止力として、救済者として動く上で心の底からありがたいものでした。蓋を開けてみればそれは、死んだことでなくしてしまったラプターだったわけでしたし。

誘い文句も、「道半ばで倒れた貴女は、命の摂理を無視してでも叶えたい願いはありますか?」と……とても“アツイ”ものだったのです。

無償で蘇生してくれて、何も言われなければさっさと礼を言って離れようと思ってました。本当です。だけど彼女、リーリアさんは自ら装備の援助まで申し出てくれました。断るわけにはもちろんいけませんね。

そこまでしてくれて、じゃあさよなら……とするわけにもいかず、彼女も二人で事をなそうとしていたので、ネバーカムとリーリアは、ここで恒久的なバディ関係となったわけです。

薔薇派の私は濃厚な百合に気が狂ったりしていたんですが、それはまた別のお話。

「たすけて!!!!!!!!!!!!!俺は男の情緒を焦がす方が得意なんだ!!!!!!!!!!!」──心の叫び。


▼愛は誰のために?


三日目。

イブキくんシロナちゃんの二人が青い花と引き換えに禍々しい双剣を交換してくれるとのことでしたので、ネバーカム的には献身に、自身はまた物欲のために適当に水場を歩いて……なんと数歩で見つけるという豪運をかましたりして。

スノウさんに、蘇生の申し出をしてくれた人のうちの一人である彼女に殺され、バディの花を一つ散らしました。

聞けば、ネバーカムが不治の病に苦しんでいるように、彼女も永遠に痛む呪いに侵されているようで。ネバーカムはこの島で初めて、“患者のために、患者を殺す”という選択をとったのでした。

後々に蘇生してちゃんと生き延びてくれていたときは私とネバーカム共々安堵の息を吐いてた覚えがあります。


この辺りで302号室の患者さんが衝突しに来たわけなんですが。

302号室の患者 ネバーカム    LIFE:0/10000 LIFE:55/10000

生きた心地がしなかったです、マジで。

決着はまた後ほどに語るとして、更にこの次に、ようやく彼女が動き始めました。

そう、ラブフォーユーさん。

中盤からどんどんと動きが怪しくなってきた彼女に、ネバーカムは当然忠告をして、非難して、やがて治療対象と定めました。

全てを救おうとするネバーカムと、全てを貪り食うラブフォーユーは根本的に相容れず。

POWAGI型(緑一色)とPOWDEF型(対物ライフルに2ブロッキング)という対面を二度も制して、それでも追いかけてくる彼女から逃げて……愛を求めるなら、と、さっきまで殺し合っていた相手にバディ申請を飛ばして、“抱きしめて”。

それでも尚、彼女はネバーカムの救いの手をとることはありませんでした。

彼女の在り方は、理不尽ながらも芯が通っていて、思えばあの島で二人目の救えない存在に直面した私はかなり苦しんでたのかもしれません。

終わり際に、思いが少しでも伝わったのか、全てを放棄して脱落圏内にどんどん落ちていく彼女を、私たちは複雑な気持ちで見つめていました。

「ねえ、ラブ。あなた、今から人を救うのよ。」

ネバーカムののような存在になりたかった。

あのフタハナ島での戦いが終わってから、思ってる以上にそんな言葉を言われた気がします。

私と彼女は、いつだって変わらず、「狂ってなければこんな所業はできない」と返していました。

今でも、そう思います。


▼302号室には三人の少女


ネバーカムとミヤのやりとりはここで書くにはあまりにも胡乱で、曖昧で、けれどシビアな話でした。

命を救う為に命を奪う看護師と、命を守る為に命を奪った病。その本質は似通っていて。だからこそ、ネバーカムにとって救いたくとも救えない存在だった。

結論から言えば、戦闘において傷一つさえつけることもできず、あろうことか病に蘇生されて、色々な物資を与えられ生かされたりして。

そうして生きながらえた命で、クリソベリルさんの元でラブドレトという“病”を救ったものだから皮肉な話です。

病に生かされた命で、病を生かしたのです。

「愛された命が失われるなど──決して、あってはならないのです!」

そしてその辺りで302号室の患者は想い人も救う為に脱落していき、病室から去って、ネバーカムという看護師は消えない烙印を押されたわけでした。

星の使いちゃんに悩みを打ち明けられ、治療をもとめられたときは、スノウさんやラブフォーユーさんに感じてた息苦しさなんかとっくのとうになくなっていました。


▼カルビ肉・ウェスタン


終盤に差し掛かってきて、キラー勢の姉妹が離脱する前、一度だけ対話をする機会を得られました。ラブフォーユー打倒の為にラプターをくれたCode:L、もといルーク氏を見送ったのはいつの日だったか。

お互いに「最終日まで残るようなら殺す」というスタンスで、けれど在り方には触れず、曖昧な態度を取って。

シャーミェちゃんの処置への反応を見る限り、分かり合えなくても“仲良くすることはできる”と思ったんでしょうかね、ネバーカムも。

続々と脱出していく姿を、特に何も思うこともなく静かに眺めていました。


そしてそこからラスト、六日目の最後にかけて本格的にマカロニスタンとの連絡を利用し、花を集めたり、治療に専念したりしていました。

あわよくば組織内で使う予定だった花を外部の人に分け与えにいったりもしました。なくなったらまた探して拾えばいいし。

「ネバーカムは、頭(チブル)おかしいナー」──知り合いのウミウシより引用

頭おかしいPCは頭おかしいPLから!

けれど、結局、ネバーカムはギリギリ力及ばず、七日目に残ることはできませんでした。

脱落が決まった時、ハロハナが始まってから、初めて涙を流しました。色々な人が助けてくれて、それがなかったらそもそもここまで生き残ることすらできなくて、それに報いることができなかった不甲斐なさに、酷く悔しさを感じました。

更新時間間近、脱落予定者の画面をひたすら呆然と眺めて、メンテナンスの間、寮暮らしだったからずっと嗚咽を噛み殺して。

その間、私は、ネバーカムは、何が出来るんだろうと考えて。

手に持っていた二つの花束。

事前にみあちゃんが、“脱落間際で使えば、脱落する人が一人減るから!”と預けてくれた一つと、更にもう一つ。

組織にあげる分とは別に作っていたリーリアちゃんへの花束が、手元に残っていました。

みあちゃんも、リーリアちゃんも花束を受け取る気は無かったらしいので、そのままデータのゴミになるのはもったいなかったので、必要としていた人に差し上げたのです。

「医者が、看護師が。誰かの命を救うのに、理由が必要ですか?」──六日目の最後、蘇生に戸惑うノーラちゃんに対して。

それから、ただの命を救う者がたった一人だけ居なくなった後の話は、みんなご存知の通り、ということで。


ここから先はフタハナで人に話しかけられない人向けなので熟練者の方は読み飛ばすといいかもしれません。見当違いだったら私が恥ずかしいので。


▼蛇足、というか、人見知り向けに


今回でフタハナは4回目になりますが、“リスクを背負う”ということの、ロールにおいてのアドバンテージはとてつもなく大きなものだと知りました。

自分かキャラクターに話しかけることができない!本当に、とても根深い悩みだと思います。私も普通の定期ゲームではそういった悩みを抱える者の一員です。つらいよね、リプライって。

そこで今回、役に立つ情報として……かなりの荒っぽい方法ですが、誰でもいいから交友関係を広げたい!という方のために、現地妻を見つけるのが大得意なあどのソロ参加のキャラの共通点をお見せしましょう。


エイプリルフタハナにて、コンスタントにキルを繰り返し、昼から夜までずっと胡乱な言葉と奇妙な善悪観でフタハナチャンネルを賑わせたXX。

「お兄さんのことはエックスエックスでもXXでも、豚野郎でも、好きに呼んでくれて構わないよ!」


ハロウィンフタハナにて、キルの多い相手の抑止力となり、自身は蘇生の手伝いに回ることを決め、いつまでもずっと救命に対する持論を語り、フタハナチャンネルに波紋を生んだネバーカム

「全ての命を奪う病を殺します。命を救う為に、私は必ずやり遂げなければなりません!」


そう、二人とも頭がおかしい、ということです。

言い方が悪いかもしれません。つまり、“リスクを背負うキャラは話しかけられやすい”ということですね。

基本的に、ロールに相手のリスクとは攻め手側、つまり、話しかける側が背負う者です。気を悪くさせないかどうか気になって、話しかけられない。

ならば、“受け手側が最初からリスクを背負ってしまおう”という訳です。極端な思想を持たせたり、イジリやすいポイント──いい塩梅の変態とかバーサーカー看護師であることとか──、があったりすると尚いいです。

ネバーカムが声高らかに救命を唄えば、それに賛同する人、反発をする人が現れ。彼女が死ねば、それを悼み蘇生をする人が現れる。

XXがニヤけながら悪役について語れば、皆不思議と己の善悪感を話し始め。彼が俺と一緒に遊ばないかと問えば面白そうだと力を貸す者が現れる。

全体チャットで話題性をかっさらう人たちはどこか、頭のネジが飛んでたり、もしくはラッキースケベとかツッコミ役とかで極度の弄られ体質だったりすることが多いと思いませんか?

自分が動かしたい、と思ったキャラであることは大前提ですし、

全体チャットで話題に合わせて“リスクを抱えていることによる持ち味”を見せていくといったちょっとした努力は勿論必要です。

「恋愛、ですか。恋の病とも古来から言われますね。精神からくる身体の不調は意外と馬鹿にできないものです。不整脈に呼吸不全、身体の発熱……もしかしたら治療が必要かもしれませんね」──一例。

攻め手になることと、受け手である強みを見せること。どっちが楽かを機会があればやってみて、比べてみてくださいね。

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