豪雨に負けない
ベルリンに戻ってもう1ヶ月半経ってしまった。
前回の帰国の目的、森の視察の覚書を少し。
前回そこを訪れたのは冬の終わりだった。
夏の植物の様子や梅雨にさらされた土地の様子を確認しておきたかったのだ。新緑のもみじが森の入り口にアーチを作っていた。冬に来た時にはそこにもみじがあることに気づかなかった。
前日に大雨が降っており、森の中は体感湿度100%。
風通しなど、課題の発見もあった。
実はこの帰国中、線状降水帯が猛威を振るい、お隣の久留米市田主丸では大きな土砂災害、うきはも一部浸水などの被害があった。
この様な大規模な災害はこれまではなかったそう。
土砂崩れや浸水には、土中環境の悪化が大きく影響していると言われている。
山は手入れが行き届かず、植林が密集し大きく育ちきれず根が深くまで伸びない。もしくは、以前も少し書いたけど、メガソーラーや廃棄物処理場設置の為の大規模な伐採やそこにアクセスする為の道を無闇に造成したりすることで、地盤が乾燥したり弱くなる。この様なことが山の保水力を低下させ、土砂崩れの原因になり、保水できない水が街へと流れて行くことになる。
街は、道路も側溝もすでにコンクリートで舗装してあることで雨水は土中に浸透せず表層に溢れる。舗装されていなくとも、長年車や人の行き来で踏みつけられた場所の地面は硬く、水は浸透しない。
もちろん、これだけが原因ではないし、何十年に一度の大雨みたいな、異常気象によって引き起こされる災害もある。でも高度経済成長期から現在に至るまで、利便性ばかり考えて生きてきた私達にしっぺ返しが来ているのも事実なのだ。
私の森は無事だったけど、自然の脅威にはこれからも向き合うことになると思う。自分達で改善できることはしていかなければいけない。同じ事が繰り返されない様に、学ばなければいけない。
有りの儘でもとても良い森だけど、より強く美しく、森が杜になる様に。