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良い機会なので「黒」について考えてみた。

私たちが「色」として感じているのは発行体ならばそこから放たれる光の波長が、非発行体ならばその表面での反射光の波長が、およそ300nm~800nmだった場合の「電磁波」である。波長が短いほど紫に近く、長いほど赤に近く見える。虹🌈を思い浮かべてもらうと良いのだが、虹の紫側に行くほど波長は短く赤側に行くほど波長は長い。日中の空にたまに見ることができる虹は太陽光の内、この波長の電磁波(可視光線)が波長順に並んだものと言える。

自ら発光している物(例えば、太陽、LED、蛍)はその物が直接、可視光を放っているのでその光を完全に遮ればその発行体からの色は感じない。今ここに90%の可視光を遮ることの出来るカーテンがあるとする。このカーテンを2枚重ねで使用した場合、90%+(100-90)%×90%=99%の光を遮ることが出来る。3枚重ねで使用した場合は、99%+(100-99)%×90%=99.9%の光を遮ることが出来る。これから分かるとおり、100%可視光を遮ることの出来るカーテンを作らない限り、計算上はいくら遮光率の高いカーテンを何枚重ねても完全に可視光を遮ることは出来ない。

非発行体の場合はどうかと言うと、例えば「黒の絵具」も「墨汁」も「漆」も正確には黒ではない。いくら黒く塗ったと思っても数%は可視光を反射しているからだ。今現在、人類が作り出した最も黒い非発行体は「Vantablack」と呼ばれるもので、可視光線を約99.965%吸収する素材である。つまり、残りの約0.035%は反射しているので100%の黒ではない。言い換えると今現在、地球上に100%の黒い物体は存在しない。当然、100%の黒でないものを何回塗り重ねても100%の黒になることはない。

以上から、現状ではいかなる非発行体も黒にすることが出来ないので、発光体からの光を完全に遮った(可視光線を完全に遮断する)空間を作るしかない。例えば、十分な厚さのあるコンクリート製の壁、天井、床でできた隙間の一切無い部屋を作ってその中に入ってみるとか。正しくそこは「漆黒の闇」であり「一寸先は闇」なはずである。

ただし、宇宙空間で考えるならば光でさえも吸い込んでしまう「ブラックホール」なるものが存在するらしい。



ご存じのこととは思いますが、私のお腹の中は真っ黒(黒100%)です。

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