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忙しい保育士たち

保育士には大きく分けて3つの仕事があります。

⑴子どもを保育する現場の仕事。

⑵日々の活動を記録する日誌や、活動の予定を立てる月案・週案などの事務仕事。

⑶制作物の用意など、日々の保育の準備。

この3つに分かれます。

みなさんがよく見る保育士は、主に⑴の仕事をしているかと思います。
あまり説明する必要もないでしょう。
主に午前中には公園に行って主活動と呼ばれる活動を行なったり、その日の様子を保護者にも伝えたりします。


⑵は文字を書く仕事です。
具体的にあげていくと、
・月案
→月ごとの目標や予定、その達成方法を細かく書いた記録です。

・週案
→週ごとの目標や予定、その1週間をどう過ごすのか細かく書いた記録です。

・日誌
→その日に行なった活動や、子ども同士・保育士とのやりとりを1人ずつ記録するものです。

・連絡帳
→知っている方も多い通り、保護者の方とのやりとりに使われます。
その日の遊ぶ様子から食事量、睡眠時間などのあらゆることが記録されています。

・園便りなど配布物や掲示物
→保護者や地域の方へ配布する手紙や、部屋に掲示する行事や感染症などのお知らせです。


⑶は作り物や環境設定です。
制作の見本を作ったり、クラスが20人ならその人数分の制作の準備をしたりします。
制作が完成してからも最後の仕上げを加えたり、保育室に掲示したりとやることは意外とあります。

また、環境設定とは主に保育室にどんな玩具を置くか、どのように配置するのかといったところです。
これが上手くいかないと子どもたちは集中して遊ぶことができず、保育室は大混乱になってしまいます。


以上が保育士の大まかな仕事です。
予想していたより多いですか?少ないですか?

それではここから本題に入ります。

なぜ保育士は大変だと言われるのか。
サービス残業に追われることになってしまうのか。

決して保育士は悪くありません。
仕事ができない人ばかりだから、ということではないのです。
(もちろんそういった人もいますけれど…)


その理由として次のものがあげられます。

⑵⑶をする時間がない。

つまり8時間労働だとすれば、お昼寝の2〜2.5時間を除いてずっと⑴の保育をしている時間です。

え?
2.5時間もあればある程度の事務仕事は終わるでしょ?

そう思いますよね?

まず、2.5時間のうち1時間は保育士の昼休憩です。

そして、残った1.5時間も年齢によっては5分ごとに顔色、呼吸を確認して一人一人の名前にチェックをします。

これだけでも仕事が進まないというのに、1人でも泣いて何人か起きれば、もう事務仕事どころではありません。

また、年長児ともなればお昼寝はなくなります。大きな保育園であればシフトを組んで順番に保育する人員を確保できますが、小さな規模の園ともなれば、担任は昼休憩すら取れていません。


そんな中で⑵と⑶の仕事もこなせというのです。
仮に⑶はアルバイトやパートの職員にお願いできたとしましょう。

しかし、⑵はそんなわけにはいきません。
正規の職員でも担任以外が書くわけにはいかないのです。


この現状を一言で表すなら、

勤務時間内は保育、残業でその他全ての仕事。

こんな感じですね。


これでは会社がまともに残業代を出していれば、経営していくことは難しいでしょう。
(23区内でも品川など、ごく一部の区では他と比較にならないほどの倍以上の補助金がおりていますよ。それでも業界の体質からして、サービス残業が当たり前になっているのです。)

それでもって安い給料。
これでは保育士が人手不足になる理由が明らかですよね。
仕事の原動力といえば やりがい

……ぐらいですかね?

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