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中山七里先生が信じられないという話

おひさしぶりです。はじめての投稿からもうすでに一年が経とうとしていますが、これが2本目の投稿となります。

今回はこの一年で読書にハマったので読んだ本の中から一冊紹介したいと思います。
今回紹介する本は『ヒポクラテスの誓い』(中山七里先生)という本です。
浦和大の法医学教室が舞台のエンタメ色が強いミステリで、いわゆるお仕事ミステリの一つになります。

わたしがこの本を紹介しようと思った理由はその内容ではありません。
中山七里先生の執筆スタイルに大変驚かされたため、先生という稀有な存在をより多くのかたに知ってもらいたいと思い、紹介という形を取らせていただきました。

中山七里先生は30年弱、サラリーマン生活を送ったのち、『さよならドビュッシー』という長編ミステリで第8回このミステリーがすごい!大賞を受賞されて、作家デビューされました。学生時代にも執筆されていたそうですが、就職のために一時中断。わたしの敬愛する島田荘司先生のサイン会がきっかけで執筆を再開したそうです。2024年現在、作家活動10周年というアニバーサリーを迎えています。

さて、本題の執筆スタイルですが、中山七里先生は稀代の速筆家です。プロットは3日ほどですみずみまで完成させ、執筆は頭のなかの文章をただ打ち込むだけで、調子の波なんてものは存在しないらしいです。執筆のための取材や資料の閲覧なども一切せず、すべては中山七里先生の頭のなかにある情報だけでやりくりされるとのこと。『さよならドビュッシー』はピアニストの物語ですが、音楽に関してはただの素人でなにも演奏できないそうです。

これだけでも中山七里先生が普通の人間からかなり逸脱していることが伺われますが、これらは氷山の一角にすぎません。奇人伝説には枚挙にいとまがありません。例えば、

  • 食事は数日に一回しかとらない。

  • トイレは1日に一回で済ます。

  • 新作単行本を12ヶ月連続で刊行する

  • 描きたい小説を書かないようにしている(読者が読みたいものだけを書く)

  • 読んだ小説や見た映画はすべてストーリーを記憶している。

さきほども書きましたが、これは中山七里先生の常軌を逸したエピソードのごく一部にすぎません。小説執筆を一番に生きておられる先生ですが、奥さんと4人のこどもがいます。結婚も3秒できめたとのことで、ここにも中山七里先生の人生哲学を垣間見ることができます。その作品は非常におもしろく、リーダビリティも素晴らしいのですが、これ以上書くと長くなりすぎるように思われるので、ここらへんで一旦終わりにしたいと思います。

ここまで駄文にお付き合いいただきありがとうございました。



P.S. 初回の投稿が遺稿となることを予期して#遺稿をつけましたが、この投稿によって嘘となってしまいました。大変申し訳ない所存です。
しかし、2023年12月のわたしは細胞レベルで見ればそのほとんどが刷新されているのではないでしょうか? 同一性という概念は捉えどころがなくて面白いですね。今回は次の投稿の目処が立っているため#遺稿は控えたいと思います。では。


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